6月10日(月) 神 戸
6時半起床。船に乗ったら早起きです!でも皆さんもっと早起きで、6:45頃デッキに上がるともうウォーキングに精を出してる人がたくさんいます。
朝食は10階のブッフェ「ジャルディーノ」に行ってみます。エリアは船の最後尾で、窓が大きく眺めはグッド。しかし朝食のメニューはちょっとシャビー。種類の多いパンがどれも美味しくないのは意外。せっかく毎日焼くんだったら、もう少し工夫しなさいよ!
船は紀伊半島沖を航行中。エネルギー消費にデッキを散歩。船尾の方にもう一つプールがあって、此処は大人専用プールだとか。最後尾には
次第に雲が飛んで、青空が広がってきました。 神戸に到着は15:00なので、午後までたっぷりと時間があります。のんびりしましょう・・・。
中央プールサイドの長椅子に寝そべります。この一角の寝椅子はマットレスが敷いてあるので快適です。11:30頃に寝椅子の近くにテーブルがセットされて、パエリアのサービスがありました。えび・イカ・ムール貝等がたっぷり入っており、本場スペインに負けぬくらい美味しい!もうすぐランチタイムということも忘れて食べてしまいました。
1時過ぎ・・・「ボッティチェリ」でのランチは軽めに!(でもフルコース・・・)
(ムール貝) (ひよこ豆とトマトのスパゲティ) (野菜の煮込み)
(ガーデンサラダ) (ラズベリー・ムース)
出航は22時と時間はたっぷりあるのですが、日没は19時過ぎなので、日中の観光時間は4時間程度です。急いで下船し、向かうは「北野異人館街」・・・妻は以前関西に来た折に訪れて記憶にあるそうですが、私は(35年ほど昔の大阪勤務時代に一度は訪れた筈ですが)全く記憶に残っていないので、今回は此処にしようと決めました。
普通は、三宮から坂を上って向かうのでしょうが、先ずクルーズターミナルからポートライナーに乗り、三宮で地下鉄に乗り換え、新神戸駅で下車。駅前で通りかかった女性に道を確認すると「この方向ですが、けっこうキツイですよ」・・・15分ほど坂道を歩いて三本松が目印の不動坂に到着。急こう配の坂を”あえぎあえぎ”上ります。車もない時代、よくこんな所に家を建てたもんだ!と、今更ながら感心したり、ボヤいたり・・・。
先ず姿をみせたのは「プラトン装飾美術館」(=イタリア館)入場料700円・・・大正初期の建物で、異人館群で唯一現在も住まいとして使用されており、館内には19世紀の絵画・彫刻・家具などがぎっしりと展示されているそうです。 先を急ぐ位ので(?)ここは外観のみ。
さらに急な坂を上り詰めて、左折すると・・・女性が立っていて、「此処からは私有地ですので、入場料が必要です!」と。入り口の「坂の上の異人館」から奥へ「北野外人倶楽部」、「山手八番館」、「うろこ館」と4館が続いており、4館共通パスが2,100円と結構なお値段。今は月曜日の午後4時過ぎとあって、人の姿はまばらですが、週末ともなれば大勢の観光客が訪れ、こうした強気の商売が成り立つのでしょうね。(京都の金閣、銀閣でも4〜500円ですから・・・)
熟慮(!)の末、一番奥の「うろこ館」の入場チケット(1,050円!)を購入して、通路へと進みます。これで手前の3館の外観や広場(?)などを見ることもできて、時間も押している中、適切な選択でした。
(チケット売り場の後ろが「坂の上の異人館・・・旧中国領事館)
(北野外人倶楽部・・・神戸港開港当時の社交倶楽部を再現したもの。チャペルもあります)
(お遊び用の“顔はめパネル”を過ぎて、見事な彫刻=「4頭立て馬車に乗る勝利の女神ヴィクトリア」の向こうが・・・⇒)
(⇒山手八番館・・・旧サンセン氏邸。チェダー様式を模した外観が個性的です)
3館を過ぎて、少し下ると、いよいよ「うろこ館」です。明治38年に外人居留地に建設され、大正年間に北野に移築し、ドイツ人R・ハリヤーの居宅となったそうです。外壁に張られた天然石スレートが魚鱗のように見えることから「うろこ館」と呼ばれているとのこと。ツインタワーのようですが、向かって左の塔の建物は後から美術館として1982年に建設されたものらしい。前庭には・・・おや、何処かで見たような?=フィレンツェ新市場のロッジア(回廊)にあるイノシシ像(通称ポルチェッリーノ=子豚ちゃん)のコピー像です。 本物と同じように、撫でられた鼻の先が光っています。
建物の中に入ってみましょう。マイセンのアンティークドール、英・仏・独の名窯の焼き物(=絵皿、人形)やアールヌーボーのランプなどが並んでいます。
(ダイニングルーム) (シッティングルーム)
次に隣の美術館へ。2階には有名画家の絵もありました。
(ユトリロ/ミミの家) (ビュッフェ/アナベル像) (マチス/ニースの花) (キスリング/赤い膝掛の裸婦)
3階に上がると、大きく開いた窓から神戸の街が一望できます。
2階階段壁面から3階室内の壁には堀江優(1933〜2013)の絵がズラリと展示されています。彼は牧師の子として神戸に生まれ、小学校の教師をしながら絵を描き始め、聖書の人物をモチーフにし、1979年には安井賞を受賞しています。極端にデフォルメされた人物像が見る者に強いインパクトを与えます。↓右は「最後の晩餐」の部分です。彼の画風の特徴が顕著に表れています。
帰りは歩いて三宮に出ようと、オランダ坂を下ります。右折して進むと、「風見鶏の館」が見えてきました。明治42年頃にドイツ人貿易商トーマス氏の自邸として建てられ、1983〜85年にかけて本格的な保存修理が行われたが、95年の阪神大震災でほぼ全壊という大被害を受けて復興工事が行われた。従って現在目の当たりにすると真新しい建物でありますが、元の建材を70%以上使用して再建したといことで、現在もなんと国の文化財の重要文化財指定を保持しているそうな。赤レンガの壁と、尖塔の風見鶏は此処北野の町のシンボルですね。
一番人気の館とあって、前は広場になっており、ベンチにはサックスやトランペットなどの楽器を演奏するブロンズ像があります。此処でジャズライブがあれば最高の雰囲気で楽しいでしょうね。広場脇の観光案内所の下は“大変きれいな公衆トイレ”ということで、妻がパチリ。確かに”ゴージャス”な公衆トイレです。
帰りは緩やかな坂を下って、三宮へ・・・。通常はこれを逆に上って、風見鶏の館にくるのでしょうね。(今日もこの道順に従ったら、うろこ館までたどり着けなかったでしょう?)
6時過ぎに帰ってきました。↓はポートライナーのターミナル駅から見た船。
今日は入港が遅かったので、ボッティチェリでの夕食は6:30〜9:00のオープンシーティング。「指定席」だと隣は同じ顔合わせですが、フリーだと
(野菜のスープ) (薄切牛肉のカルパッチョ) (スパゲティ・ボロネーゼ) (シャンパンのリゾット)
(リコッタチーズのフライ) (サラダ) (クリームチーズのムース)
食事の途中では、ウエイター達が愉快なパフォーマンスを披露。肝心の給仕サービスには人によって優(というより“並み”か?)劣がありますが、パフォーマンスは見事です。
食事が終わると、9階カフェでコーヒーを飲み、9:45からキャバレー・ヴィエンナでマジックショー“ILLUSIONS”・・・演じるはスペイン出身のVitucoで、結構本核的なマジックでした。
10時出港です。マジックショーが終わって、10;30過ぎにデッキに上がると、神戸の灯は遠くに霞んで瞬いていました。
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