ペ ナ ン 島 滞 在 

(2018・10・31〜11・30)

はじめに

 日頃ネットで、よそさまの海外旅行体験記を読んで、自分の旅行の参考にしています。そうした中で「アリエルのホームページ」というのを見つけました。・・・このシニアご夫婦は、半年ペナンに滞在し、後の半年も海外旅行に北海道や沖縄での長期滞在と、つまり1年の殆どを旅行して暮らしているという誠に結構なご身分の“超・旅人間”。

 で、彼らがペナンに不在の半年の間、「借りているコンドを月単位でお貸ししますと」いう“お知らせ”が記載されました。家賃(光熱費等全て込み)は月額1600RM=リンギット(約45千円)。予約状況を見ると、数人がすぐに応募し、中にはリピーターもいます。(写真を見る限り、部屋は3ベッドルームと広くて綺麗そうだし、リピーターがいるなら大丈夫だろう・・・)

そこで妻に「こんなコンドがあるけど、1か月の滞在はどう?」(妻)「ペナンねぇ・・・う〜〜ん、東南アジアは苦手だけど、此の部屋なら行ってもいいかな」〜〜ということで、妻の同意を得て(?)、空いている月を申し込みました。

〜〜これが3年前の話で、今回ついにその日がやってきたという次第。

しかして、全く初めての場所で1か月滞在ができるものか?・・・何かあればアリエルさん夫婦(=以下A夫妻)に支援してもらえればいいと安易に考えていたら、3年経つと事態は変化するもので、今年の5月のブログに「16年間お世話になったペナンを引き払いました」と驚愕の記載が!

「滞在ガイドをメールします。あとの詳細は家主のタンさんと打ち合わせてください」ということで、ハワイ滞在中からEメールでタンさんとやり取り。彼は中国人で、日本語は×、当然英語での交信となります。こちらの英語力では隔靴掻痒のきらいはありますが、いろいろと親切にサポートしてくれ助かりました。

今回はいろいろと「初もの」ですが、まずはフライトがマレーシア航空。4年前、KLから中国へ向かう便が行方不明になったのも記憶に新しいし、評判をチェックすると、“サービスが悪い”、“大幅な遅延がよくある”等、あまり芳しくありません。しかし、日本〜クアラルンプール(=KL)/KL〜ペナンと同一航空会社で行けるのはマレーシア航空だけなので、止むを得ません。

エコノミーだと預け荷物は一人30kg迄。(機内持ち込みは7s迄)コンドで1か月滞在となると、身の回りの品々に加え、やはり食料品もということで、制限重量内に収めるのに一苦労。(超過すると法外な課金になる!)モスレム主体の国柄なので酒類は寧ろ日本より高いという情報。持ち込みは一人1リットル迄OKということで、紙パック・焼酎(1.8L)と調理用の日本酒(180cc)を詰め込みました。

ネットで座席指定が出来ますが「有料」で、座席によって数千円〜1万円以上の追加料金が必要となる。但し48時間前になると無料で指定できるというので、それに従って非常口席が2人掛けなので、これ幸いと此処を指定。ある意味では合理的といえるシステムです。

〜〜こうしてハワイから帰国後の1か月半弱が慌ただしく過ぎて、出発の日となりました。

マレーシア航空

 チェックイン手続きで、(係の女性)「あのぉ〜、非常口席は、英語がペラペラでないと困ります。2人掛けですが、シートは後ろに倒せませんよ」、「前方の中央席でしたら、3人掛けを2人にしますから」という提案を受け入れて座席変更。尚、荷物の重量チェックは厳しいという噂でしたが、機内持ち込みスーツケースの重量チェックはなく、手にしていたノートブックとタブレットをそそくさとスーツケースにしまい込む。

 搭乗すると、変更指定したエリア(機体中ほどの後方)はガラすき状態。横の窓側3席が空いているのを見て、妻は素早く移動。おかげで私も中央3席を独り占め。機体の揺れも全くなく、かつてないリラックスしたフライトとなりました。後部席は結構詰まっていましたから、チェックイン受付女性に感謝感謝です。

そして、今回空いていたせいか(?)、ドリンクや配膳のサービスはスムーズで、食事内容も及第点。そしてほぼ定刻でクアラルンプール到着しました。

   

クアラルンプール空港での右往左往

 フライトは(前日)21:40成田発→04:30クアラルンプール(=KL)着、09:15KL発→10:05ペナン着・・・早暁のKLで5時間近い待ち時間となります。日本を朝に出て、当日夜到着する便もありますが、出発前準備と、到着後の行動余裕を考えて、乗り継ぎの不便は承知であえてこの便を選定しました。しかし実際にKLに着いてみると、「24時間空港」ではありませんから、殆どの設備はクローズしており、広い空港内でまぁ大変。(入国手続きは申告書もなく、両方の人差し指を写真撮影しただけで簡単でしたが)

乗り継ぎのボーディングパスを貰おうにも、チェックイン窓口に人はいません。スマホの現地シムカードを買いたい!、少しばかり両替をしたい!と思っても、その場所を見つけるのに一苦労。広い空港内をウロウロしました。6時を過ぎると、ようやくカウンターに係員が揃い、チェックイン完了。空港内は食事スペースが充実しているという話ですが、早朝なので殆どクローズ。カフェコーナーで、カフェラテとマッシュルームパイにありついてホッと一息。

外へ出てみると、“森の中の空港”と言われるだけあって、深い緑に囲まれて、その中央に管制塔があります。

ペナンへの搭乗口に行くと、一向にアナウンスが無く(遅延頻発の本領発揮!)、結局1時間遅れの出発。途中、空は雲が多く、海岸線を見ることもなく、11時過ぎにようやくペナンに到着しました。いちおう“国際空港”です。カタール航空が乗り入れしていました。

  

成田からスルーしたスーツケースを手にしてまずは一安心。スーツケースは「透視検査器」の中を通してOK。誰も“ご開帳”しているような人はいませんでした。銃器・麻薬以外は特に厳しい持ち込み制限はないのでしょうね。(もちろん我が家も疑義のある持ち込みはしていませんが!)

〜〜いやぁ、初めての場所で、個人での乗り継ぎは」やっぱり大変です。

外へ出ると、タンさんが手配してくれたタクシーのピーターさんがニコニコと手を振って待ち構えており、荷物を積み込むと早速バトゥーフェリンギ向けて出発です。

空港郊外でも15〜25階建てくらいの高層ビル・マンションが林立しており、その開発の進展ぶりにちょっとビックリ。

 

途中、ジョージタウンの両替屋に立ち寄って必要額を両替。空港内だと1万円=327RM@30.6円)ですが、この両替屋だと1万円=362RM(@27.6円)とかなりお得。いや、空港両替所のレートが悪すぎるということですね!

  

(インド人が経営する両替屋)

ジョージタウンを過ぎると、高層コンドの林立する一帯をすぎ、カーブの続く海岸線を進むと、ペナンを代表するビーチリゾートと言われるバトゥーフェリンギに入りました。

エデンシービュー

坂を上ると、緑濃い山並みを背に19階建ての大きなコンドが3棟ある「エデンシービュー」に到着です。道路からの入口にゲートがあり、まず此処でガードマンのチェックを受けて構内へ。さらに坂を上がります。「さぁ、着きましたよ!」ピーターさんから「カード付きカギ束」を渡されます。

 

エレベーターに乗ると、センサーにカードをタッチして階番号を押さないとエレベーターは始動しません。セキュリティは万全のようです。

  

            (入口の扉)    (中に入るともう一つ扉が!)

入口ドアを開錠、更に中の扉を開くと、やっとリビングルームに到達。A夫妻のホームページで何度も見ているので、“デジャブ”(既視感)タップリで初めて来たような気がしません。

  

リビングからラナイへ出ます。目の前にアンダマン海から山並み、手前にはホテルヤモスクなどの住居が広がり、開放的な眺めは抜群です。但し、高台にあるに拘わらず、風はそよとも吹かず、蒸し暑さにムッとします

早速、3ベッドルームを有する広い室内をチェックしましょう!

   

(マスターベッドルーム)     (第2寝室)        (第3寝室)

      

(キッチン・・・食器は揃っています)     (バスルーム)      (第1寝室からの眺め)   

A夫妻の滞在だけで既に16年経過しているので些か懸念はありましたが、リビングはA夫妻が念入りにクリーンアップしただけあって、“新品同様”にきれいです。(しかしそれ以外の箇所は、やはり歳月を感じました!)

荷解きをあらかた終えると、妻が持参のそうめんを湯がいて簡単な昼食。睡眠不足と疲労で、妻は仮眠。私はコンドの敷地内を探索。広いプール(横幅約30m)があり、私には好都合です。

   

ホーカー(=屋台)

6時過ぎに、坂を下って夕食へ。いやぁ、それにしても蒸し暑い!ちょっと動くと汗が流れます。(妻)「日本はいい気候になるのに、なんで態々こんな蒸し暑いところへ来たのかしら?!」

1キロ近く歩いてやっと大通りに出ます。目指すはこの一帯で最大のホーカー(屋台村)の「ロングビーチカフェ」。その手前には奇抜な姿形をした“高級レストラン”があります。

  

(ゴールデンタイ)     (船の形をしたザ・シップ)

少し歩いて、ロングビーチカフェに到着。中央スペースに沢山のテーブル&椅子があり、その周りをずらっと屋台が囲んでいます、6時半とまだ早いので、客はチラホラ。

 

先ずテーブルを確保すると、すぐにバーコーナーの係員が近寄ってきて「飲み物は?」。ホーカーでは、ドリンクを注文するのがルールだとか。マレーシアはモスレム社会なので、基本的には禁酒。したがってタイガービール大瓶で19.5RM(約540円)と、アルコールの値段は日本並み,否、居酒屋のビールよりは高いようです。

 

  まずは春巻き2本=8RM(220円)と安い。揚げたて・アツアツ・サクサクで、中は様々な具が入っていて美味しい。次にシーフード(エビ・イカ)ビーフンは18RM(≒500円)とちょっと高め。

サテー(串焼き)は牛・鶏半々の10本セットで9RM。甘辛いたれがマッチして、鶏を食べない私でも3本程口に入れることが出来ました。日本のヤキトリと比べれば,「身」は半分以下のサイズで、いわばミニ焼き鳥。

フッケンミー(小)=海老出汁の汁そば=は小振りのどんぶりに、エビの味が濃いスープ、ストレート麺の中に、極小エビ、ナマコ(?)、さつま揚げ、野菜等様々な具がにぎやかに入ってて、美味しい。これで5RMとは超スグレモノでした。

 帰りに肉まんを2個購入(6RM

        

(春巻き)     (ビーフン)        (サテー)   (フッケンミー)

食べ物は一人20RM(550円)もあれば十分ですが、此処を「居酒屋」と心得て、ビール等アルコールをどんどん注文すると、日本の居酒屋より高くつくかもしれません。

ホーカー初体験を終えて道路に出ると、脇に夜店がずらりと並んで、衣衣類・雑貨や時計・バッグのコピー商品を販売しています。声はかかるものの、客引きはそれほどしつこくないので、助かります。「社長さん、儲かりまっか?」などという呼び込みもありません。

 大通りを曲がってからコンドまでの道のりの長いのが、我がコンド立地の最大の難点です。歩道が無い暗い夜道で車に注意が必要だし、お腹を満たした後の坂道を登るのが老骨に堪えます!

 しかし、このコンドも(少しは)いいところがあって、その第一は“サンセットの眺め”アンダマン海の向こうの山並に夕日が沈むシーンは刻々空の様子が変化して見ていて飽きることがありません。

      

 さて、コンドの滞在でのある意味で最大のポイントが「空調問題」。ペナンはこの時期でも(というか1年中か!)蒸し暑く、しかも風が殆ど吹きません。

窓に「網戸」なんて設置されていませんから、昼間を除いて窓は「締め切り」になります。19階なので、蚊や蠅は殆ど見かけませんが、夜の明かりに小さな虫など(ゴキちゃんも?)が寄ってくるからです。

エアコンに弱く=普段殆どエアコンを使用しない=風と扇風機が一番!という夫婦ですが、この蒸し暑さで窓を閉め切るとなると、就寝中もエアコンを使用しないわけにはいきません。各部屋にエアコンはありますが、温度設定を工夫して、なんとか睡眠をとることが出来るようになりました。

食料調達=TESCO(テスコ)

11月2日、7時半に起床。まずは洗濯。パナソニック製の比較的新しい洗濯機がありますが、乾燥機はないので、洗濯が終わると、“物干しコーナー”で竿に干さないといけません。まぁ、コンド滞在では必須の作業です。

まだ食料調達をしていないので、朝は昨夜屋台で買った豚まんとコーヒー。我が家の朝は淹れたてのコーヒーがないと始まりません!部屋にはコーヒーメーカーが無いというので(A夫妻は自分でドリップしていたようです)、事前にタンさんにお願いして購入してもらいました。これ以降の滞在者にも役立つハズです。

 簡単な朝食を終えると、さぁ、食料調達です。公共のラピッドバス101線がテロッ・バハン〜バトゥーフェリンギ〜タンジェンブンガ〜タンジェントコン〜ガーニー〜ジョージタウン間を走っています。

 エデンの坂を下りてホリディ・インの前にバス停があります。15分に1本走っているようで、少し待つとバスがやってきました。運転手に見えるように手を上げないとダメなようです。ぼうっと立っていると、バスはそのまま通り過ぎて、“チコちゃんに叱られる”だけです。

   

(ラピッドバス)

 向かう先は大型スーパーのTESCO。運賃は片道2RM(=55円)と安い!(バス代はとにかく安いです)。カーブの連続の海岸線をスッ飛ばしていきます。台湾のバスより更に荒っぽいかも?何処で降りたらいいか分からないので、車内天井の案内ボードが頼りで、ニラメッコしているうちに20分ほどでテスコに到着。

   

どでかいスーパーです。それもそのハズ、TESCOはイギリスを本拠とし、小売業を中心に金融、電気通信、 通販など手がけ、北半球の十数カ国で事業展開をしている巨大企業。旧植民地だったので、マレーシアにも店舗があるということですね。

(※自分の旅行記を調べたら、2006年に東欧へ行ったときに、チェコ(プラハ)において「TESCOのスーパーで買い物をしておりました!)

1階がフードコートになっているので、まずは腹ごしらえです。

妻は「野菜が食べたい」とセルフの店で大皿に調理野菜を主に盛り合わせ。塩卵を加えて10RM.私はペナン風釜飯(クレイポット)、その場で炊きあげてくれます。トリ肉とシイタケが入っています。濃い味ですが、美味しい。これで5.7RM。

   

近くにあった「バフルー」=カステラボールのようなソフトクッキーをデザートに(10個で4RM)、ネス カフェ1,9RM(注:ホテルのレストランなどを除いて、一般の店のコーヒーは殆どネスカフェです)○△ジュース1.8RM・・・とにかく屋台やフードコートでの食事は安い!

    

 腹ごしらえを終えて2Fへ。妻はクツ屋で超軽量なスニーカーを購入して、支払おうとすると、店員が「1個買えば1個フリーです」と。正確には高い方の値段のみ支払い!ということですが、「本当お〜う?!」とテンション上がってもう一品探しに力が入ります。84.8+75.3=84.8RMということになりました。

 この後3階で、食料品の調達へ。ほぼなんでも揃っていますが、面白いのは、イスラム圏とあって“ノン・ハラル”食品やアルコールは端の端に追いやられていること。牛肉(といっても水牛のようです)は中央の魚売り場の横にありますが、豚肉やハムは隅っこにひっそりと並べられています。会計もこのコーナーで済ませるようです。

 野菜やパンなどは驚くほど安いです。たとえば・・・トマト(中サイズ)6個=41円、タマネギ大3個=45円、ビーフン一束=79円、山型パン一斤=58円等々。但し「乳製品」の値段は日本とあまり変わりません。

タンジェンブンガの市場

 生鮮食品調達のもう一つのスポットがタンジェンブンガの市場です。バトゥーからバスで10分、MENARA ASASというバス停から徒歩3分と便利な場所にあります。果物(バナナ、マンゴー、大きなパパイヤ)や、野菜類を 買い込みます。10時過ぎに着いたので、魚屋はほぼ店仕舞いでしたが、鯛科(?)の魚が残っていたので、内臓や鱗を除いて貰って購入。

  

(市場の中と、今日買ったフルーツ)

 この市場では、見渡したところ、牛&豚肉の売り場がありません。探していると、奥の壁に張り紙があって矢印に従って壁の向こうに移ると、その奥に肉売り場がありました。牛肉はマズそうなので、妻が「ポークカレーを作りましょう!」と、豚肉売り場へ。中川家(漫才)の弟に似た明るい雰囲気のお兄さんが「コンニチワ、アリガトウゴザイマス!」と愛想がいい。妻が「カレー用に豚肉を1kg」とオーダーすると、吊るしてあった塊をサッと切って秤に乗せると・・・これがピタリ1kg。お見事!

 夜、妻が煮魚にしたら、メバルの脂肪分を少し落として身を締めたような感じで、結構美味しかったです。

 

 2回目は早起きして行ったら、イカとシャコがあったので購入しましたが、シャコは身が殆ど入っておらず、これは大ハズレでした。

 フルーツはジャックフルーツ(のカットしたもの)と、釈迦頭を購入。ジャックフルーツはシャッキシャキとした独特の食感で、甘くないパパイヤといった味わいで一度食べればまぁいいやといった感じ。釈迦頭(こちらではなんと呼ぶのでしょうか?)は、台湾のそれより些かクリーミーさに欠けますが、甘くて美味しい。

    

(ジャンボなジャックフルーツ) (その中身)     (釈迦頭)

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