176 ローグ・ワン/スターウオーズ・ストーリー (8点)

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(2016年)

監督/ギャレス・エドワーズ、出演/フェリシティ・ジョーンズ、ディエゴ・ルナ、ベル・メンデルソーン、 ドニー・イェン、フォレスト・ウィテカー、マッツ・ミケルソン

 帝国軍の究極兵器デス・スターの開発者ゲイリン・アーソがその弱点を記した設計図を手に入れるべく、決死の覚悟で帝国軍の基地へと侵入した反乱軍兵士たちを待っていたものは・・・。

 スターウオーズの第1作(エピソード4)のスピンオフ作品。〜〜レイア姫がR2−D2に託した、あのデス・スターの設計図は如何にして彼女の手に入ったのか?・・・決して表に出ることなく散っていった名もなき戦士たちの 苦闘を描いた作品。まずもってシナリオが秀逸で、監督の演出も素晴らしい。此のシリーズならではの戦闘シーンも見事であるが、衝撃のラストは感動もの。

 この翌年に製作された本流の「最後のジェダイ」(シリーズ第8作)より、このスピンオフ作品がはるかに優れた出来栄えです。

 

177 9デイズ =原題BAD COMPANY (5点)

(2002年)

監督/ジョエル・シューマーカー、出演/クリス・ロック、アンソニー・ホプキンス、ガブリエル・マクト

 NYでお気楽に暮らしていた若者がひょんなことから俄かCIAの替え玉エージェントを務めることになって・・・

 ホプキンスが出ているから、本格スパイものかと期待すれば、さにあらず・・・クリス・ロックに照準を合わせたスパイ・コメディで、ハリウッドでおなじみの路線。特にひねった所もなく、全て予定調和的に・・・否、結構ドタバタしながら、ハッピーエンドへ。

 ラスト近くで、ニューヨークのセントラル・ステーションでのロケなどは、よくこんな所で撮影が出来たなあ!とビックリしましたが、そのように製作費はかなりのものと思われますが、肝心のシナリオと演出がどうにもいけません。

 撮影の時点で御歳65歳のホプキンスは、お腹も出て、切れのいいアクションはやはり無理筋でした。同じCIAなら現場要員ではなく、現場に精通した幹部の役どころのほうが良かったのではないでしょうか!

蛇足:邦題は詐欺的でいけません!「9ディズ」といえば、大破局まで残り9日間でハラハラドキドキの展開を期待するじゃあありませんか!ところがこの「9日」は、素人がスパイになる訓練の日数なんですね。したがってその後の展開にハラハラドキドキが無いんです!

 

178 サバイバー   (6点)

2015年)

監督/ジェームズ・マクティーグ、出演/ミラ・ジョヴォヴィッチ、ピアース・ブロスナン、ディラン・マクダーモット、アンジェラ・バセット、ロバート・フォスター

 入国審査のプロとして英国に派遣されたケイトが怪しい人物に目を付けて捜査を開始しようとすると、殺し屋から命を狙われ、ついには殺人犯として追われる窮地に追い込まれながら、たった一人でテロを阻止しようとする・・・。

 “強い女”の代表といえば、昔シガニー・ウイーバー(=「エイリアン」)、今はミラ(=「バイオハザード」)であるが、本作でも本領を発揮。サスペンスいっぱいのスピーディな展開はなかなかのもの。敵役にピアース・ブロスナンを起用した意外性のキャスティングが成功しています。

 

179 グランド・イリュージョン (6点)

(2013年)

監督/ルイ・ルテリエ、出演/ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウディ・ハレルソン、メラニー・ロラン、アイラ・フィッシャー。マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン

謎の人物の導きによって、市井のマジシャン達が“フォー・ホースメン”(一人女性もいますが!)として奇想天外な銀行の金庫破りを行い、彼らを追う当局との知恵比べが始まる・・・。

一見大がかりなマジックはそれほど奇想天外でもなく、CG映像ならもっと鮮やかなマジックを披露することができたのではないか!特に大劇場なのに、小さなボックスでウサギが消える手品とはいただけない。(大金庫を盗む仕掛けの伏線とはいえ!)

 謎の人物の正体がちょっといただけない(=これなら“何でもアリ”になってしまう)のもシナリオの欠陥。

”マジックと犯罪”という娯楽映画としての着眼点は悪くないので、次作はもっとひねった展開を!

 

180 ミッション・インポシブル/ローグネイション (8点)

(2015年)

監督/クリストファー・マッカリー、出演/トム・クルーズ、レベッカ・ファーガソン、ジェレミー・レナー、

サイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス、ショーン・ハリス、アレック・ボールドウィン

 「IMF」がCIAに吸収されて解体の危機に直面という状況下で、謎の組織「シンジケート」を追うイーサンや仲間たちの活躍を描いたシリーズ第5作。冒頭の離陸する飛行機の扉にしがみつく場面をはじめ、例によってトムの体を張ったアクションは素晴らしく、今回特にオートバイ・チェイスのシーンは圧巻。製作時にもう53歳なのにこの身体のキレには脱帽!

 スリリングなシーンがテンポよく次々と展開し、アクション作品として一級の出来栄えになっている。

蛇足:敵か味方か分からない謎のヒロインを演じるレベッカ・ファーガソンが大変魅力的で、今後人気女優に成長の予感。(1983年、スウェーデン・ストックホルム生)

 

181 オール・ユー・ニード・イズ・キル Edge of Tomorrow (6点)

(2014年)

監督/ダグ・ライマン、出演/トム・クルーズ、エミリー・ブラント、ビル・パクストン

 圧倒的な戦闘力を有する謎の宇宙生命体が地球を侵略し、欧州はあっという間にその支配下に陥る。軍の広報官ケイジ少佐(=トム)は司令官の逆鱗に触れ一兵卒として最前線に送られるが、あっけなく命を落とす・・・ところが次の瞬間、出撃前の状態で覚醒する。こうしてタイムループを繰り返す度に屈強の戦士へと成長し、カリスマ的な女戦士リタと知り合い、相協力して敵に挑み始める・・・。

 桜坂洋のライトノベル「All you need is kill」を映画化したものだそうだが、原作を知らないので、どれだけ原作に忠実か、はたまたハリウッド・アクション映画として換骨奪胎されているかは分かりませんが、トムが主演するからには、“トムありき”の仕上がりとなっているのでしょう。従ってトムのアクション満載のテンポのいい展開で、少々の矛盾はすっ飛ばしてスピーディに進んでいきます。女戦士リタを演じるエミリー・ブラントがトムに負けない存在感を発揮して印象的。

 

182 アメリカの友人 (4点)

(1977年)

監督/ヴィム・ヴェンダース、出演/デニス・ホッパー、ブルーノ・ガンツ、リサ・クロイツァ−、ジェラール・ブラン、ニコラス・レイ

 うら寂しいハンブルグの港町へ、小悪党のリプリーが贋作画家を訪ねてやってきて、白血病で死の不安に怯えながら額縁店を営むヨナタンと知り合う。或る日ヨナタンは見知らぬ男から高額な報酬で殺人を持ちかけられ・・・。

 名匠ヴェンダース、31歳の時の作品。画面もストーリーも暗く、テンポはのろく、見ていて嫌気がさしてきて、ヴェンダースの才気のかけらも感じさせない作品。

 因みに、原作はパトリシア・ハイスミス。彼女の作品は未読であるが、ヒッチコックの「見知らぬ乗客」、ルネ・クレマンの「太陽がいっぱい」という映画史に残る傑作の原作者として有名。

彼女は「太陽がいっぱい」から15年も経過してから、何故かトム・リプリーを主人公にしたシリーズ作品を書き始め、本作はその第2作で、これをヴェンダースが映画化。「太陽がいっぱい」の野心に燃える青年リプリー=アラン・ドロンが本映画では、渋い小悪党のリプリー=デニス・ホッパーに変化して登場!

 初作で殺人がばれ重刑に服した筈のリプリーが、その後能々と世間を渡れるのが不思議であるし、本作で贋作を求めて、なぜハンブルグに現れるのかも納得がいかない。何より闇世界の人間が素人の額縁屋に殺しを依頼するというのが理解の外で、そんないい加減な筋立ての原作を映画化するヴェンダースも如何なものか?

 

183 バリー・リンドン  (5+2=7点)

1975年)

製作・監督・脚本/スタンリー・キューブリック、出演/ライアン・オニール、マリサ・ベレンソン、パトリック・マギー、スティーウン・バーコフ、ハーディ・クリューガー、マーレイ・メルヴィン

 18世紀半ば、アイルランドの農家に生まれたバリーは、幼くして父を亡くし、母親の女手一つで育てられるが、恋愛沙汰で故郷を追われ、苦難の人生行路の末、レディ・リンドンを篭絡して上流社会へとのし上がるが・・・。

 巨匠キューブリックがサッカレーの原作を映像化。18〜19世紀の世界を見事に再現し、映画史上に残る華麗な映像を作り上げた。どの場面をとっても本当に美しい!。製作費を惜しまず投入し、監督が思うが儘に作り上げた=映画の黄金時代を代表する作品ともいえるが、さりながら、ストーリー展開は平板で、また主人公バリーのいい加減で打算的な生き方は見る者の共感を生まず、それが興行的には成功しなかった原因であろう。とにかく圧倒的な映像美でプラス2点。

 

184 ハドソン川の奇跡  (7点)

2016年)

監督/クリント・イーストウッド、出演/トム・ハンクス、アーロン・エッカート、ローラ・リニー

 2009115日午後330分、NY発シャーロット経由シアトル行きのUSエアウエイズ1459便が離陸直後にカナダガンの群れに遭遇し、主翼両エンジンが停止の非常事態に陥る。機長チェズレイ・サレンバーガーは咄嗟の判断で機体をマンハッタンのハドソン川に不時着させ、沿岸警備隊や付近の船舶の協力により、乗客・乗員は無事救助された。機長はじめ乗員の行為は世間から英雄として称賛されたが、国家運輸安全委員会は、「空港に引き返すことが出来たハズ」と機長の責任を問う厳しい査問を続け、機長は窮地に立たされる・・・。

 イーストウッドが実話を基に製作した作品。フラッシュバックを巧みに織り交ぜて、世に知られた事実の背景を見事に描きあげて、全体としては淡々とした描写であるにかかわらずドラマチックな作品に仕立て挙げたところは,流石イーストウッド。人間不信の時代、機長と副操縦士の強い連帯感や妻との絆が清々しく感じられる佳作である。  

 

185 ブラジルから来た少年 (7点)

  

(1978年)

監督/フランクリン・J・シャフナー、出演/グレゴリー・ペック、ローレンス・オリヴィエ、ジェームズ・メイスン、リリー・パルマー、スティーヴ・グッテンバーグ

 南米奥地に隠れ住む“悪魔の医師”メンゲレ(=ペック)が、ナチスの残党を集めて、欧米にいる94人もの65歳になる男性を殺害せよ!との命令を発する。その理由は何か?、周囲の誰も理解できないが、これが恐ろしいナチス復活への道筋であった・・・。そしてこの情報がナチス・ハンターのリーベルマン(=オリヴィエ)の耳に入り、彼は老骨に鞭打ってメンゲレとその悪魔の計画の謎を追う・・・。

 サスペンスあふれる展開と、2大スターの熱演で、ズシリと重い、見ごたえのある作品になっている。この傑作が劇場未公開であったのがなんとも不思議 である。

“アメリカの良心”のような役を演じ続けたペックが一転“悪魔の医師”の狂気を怪演。やはり悪党ぶりがぎこちないが、“一度はこういう役を演じてみたい!”と望んで挑戦したと察せられる。一方、常に圧倒的な存在感を見せつけるオリヴィエがここでは聊か“か弱さ”を感じさせるような抑えた演技ではあるが、信念のナチ・ハンターを演じてペックの狂気に対抗。

蛇足:メンゲレは1979年にサンパウロの海岸で海水浴中に心臓発作で死亡(享年67歳)しているから、この映画製作の時期にはまだ存命していた訳だ。

 

186 オーケストラ! (5+1=6点)

 

2009年)

監督/ラデュ・ミヘイレアニュ、出演/アレクセイ・グシュコフ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアン、ミュウ=ミュウ、ドミトリー・ナザロフ

 30年前、ボリショイ交響楽団の天才指揮者として活躍していたフィリポフは、ブレジネフのユダヤ人排斥に反旗を翻したため、その地位を追われ、今はボリショイ劇場の清掃員として働いている。そんな彼がパリから届いた楽団への出演依頼メールを見て、とんでもないことを思いつく〜〜昔の仲間を集め偽のボリショイ交響楽団としてパリに乗り込もうという計画だ。・・・果たしてそんなことが上手くいくのか?現役を離れて久しい昔の仲間がパリで耳の肥えた観衆を唸らすことが出来るのか?・・・

 ある意味、ハチャメチャのストーリーで、途中の演出もモタモタしますが、あまり細かいことは考えず流れに乗ってみていけば、感動のラストシーンになります。このラストの圧巻の演奏シーンで+1点。

蛇足: ヒロイン、アンヌ・マリーを演じたメラニー・ロランの可憐な美しさが素晴らしい。

 

187 アメリカン・スナイパー (7点)

 

(2014年)

監督/クリント・イーストウッド、出演/ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ルーク・グライムス、ジェイク・マクドーマン

 実在のイラク戦線で活躍した“伝説の狙撃手”クリス・カイルの回顧録をイーストウッドが映画化。(イーストウッドとクーパーは製作にも加わっている)

 4回に亘って戦場に赴き、味方を守るために160人以上を狙撃した「英雄」の使命感と心の葛藤、精神を切り込んでいくような懊悩を正面から 描き、イーストウッド監督ならではの緊迫感溢れるストーリーに仕立てている。

 反戦映画のようでもあるが、愛国心高揚の映画のようでもあり、両天秤がイーストウッドの立ち位置か?

 

188 アメリカ アメリカ (6点)

 

(1963年)

製作&監督/エリア・カザン、出演/スタティス・ヒアレリス、フランク・ウオルフ、ルー・アントニオ、ジョン・マーリー、リンダ・マーシュ

 オスマントルコの圧政下、ギリシャ青年・スタブロスは自由の国アメリカに憧れ、幾多の苦難を乗り越え、遂にニューヨークに上陸する。

カザンはオスマン帝国イスタンブールでギリシャ人の子として生まれ、4歳の時に両親と共にニューヨークに渡った。従って主人公スタブロスはカザンの分身ともいえる。

画面では、トルコの寒村の暮らしぶりやイスタンブールまでの苦難の道中など、ドキュメンタリーかと思えるほど徹底したリアリズムで当時のトルコの習俗を鮮明に描き出しているのは、さすがカザンといえる。(撮影はすべてギリシャで行われたそうだが!)

しかし、主人公スタブロスの苦労は、アメリカ上陸迄以上に、ニューヨークで一旗揚げる迄が大変であった筈であり、上陸でハッピーエンドというのはいただけない。長尺の後半分は上陸後の紆余曲折を描いてほしかった。そこが本作品の物足りない所以である。  

 

189 運び屋 (9点)

    

         (モデルとなったレオ・シャープ)

(2018年)

監督/クリント・イーストウッド、出演/クリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ペ−ニャ、ダイアン・ウィースト、アンディ・ガルシア、アリソン・イーストウッド

 デイリリーの栽培に熱中するあまり、妻や一人娘と断絶。やがて園芸事業も立ち行かなくなり、途方に暮れた主人公が麻薬の運び屋に手を染めるが・・・

 88歳となったイーストウッドが「グラン・トリノ」から10年ぶりに監督&主演を務め、実在の老“運び屋”レオ・シャープの人生を、深淵にして軽やかにそしてユーモアもたっぷりにと、絶妙のタッチで描きだした大傑作。まだまだ元気で意欲旺盛なイーストウッドのことだから断定はできないが、これが最後の主演作品になるかもしれないと思わせる素晴らしい作品!

 すっかり歳相応の老人の風貌が、品評会や在郷軍人パーティにお洒落して登場した(上の写真参照)際には、昔のロディ(=TV映画ローハイド)を彷彿とさせるような甘い表情に変化したのに驚くとともに、なんだか嬉しくなったのであります。

蛇足:断絶した娘役を演じたアリソン・イーストウッドは、クリントの(最初の妻マギー・ジョンソンとの間にできた)長女。12歳の頃「タイトロープ」で共演して以降の長い女優人生であるが、本作で“演技派”として今後の活躍が期待できる新境地を開いたかもしれない。

 

190 ジャッキー/ファーストレディ最後の使命  (5点)

(2016年)

監督/パブロ・ラライン、/製作・ダーレン・アロフスキー、出演/ナタリー・ポートマン、ピーター・サースガード、グレタ・ガーウィグ、ジョン・ハート

 ダラスの悲劇によって「大統領夫人」から忽ちにして「前・大統領夫人」となってしまったジャッキーは悲しみに暮れる暇もなく、超多忙の中にあって、“夫の築き上げたものを過去にはさせないと!”と、不測の事態を恐れる周囲の圧力を押し切り、ホワイトハウスからセント・マシューズ協会まで2kmを徒歩で行進し、堂々たる国葬を敢行する。

 暗殺から国葬までの4日間に絞り、夫を伝説にしたジャッキーの奮闘を、ナタリー・ポ−トマンが、ジャッキーその人が乗り移ったかのような迫力で演じ切った。ジャッキーとナタリーの顔立ちは全く異なりますが、見ているうちに次第にナタリーがジャッキーに見えてくるところがスゴイ! さすがナタリーです。彼女がアカデミー賞を取った「ブラックスワン」のアフロフスキーが製作し、ナタリーも彼の起用に応えたということでしょう。

 

191 チェィンジリング (8点)

2008年)

製作&監督/クリント・イーストウッド、出演/アンジェリーナ・ジョリー、ジェフリー・ジェフリー・ドノヴァン、ジョン・マルコヴィッチ、コルム・フィオール

 これも1920年代にロスで実際に起きた事件を、イーストウッド独特のシャープな演出で感動の作品に仕立て上げた。なによりもアンジェリーナの鬼気迫るような迫真の演技が素晴らしい。ツームレイダーやMrMrs SMITHなどその後は安直な(?)娯楽作品が多いアンジェリーナ一世一代の名演技といえよう。彼女の潜在能力を引き出したイーストウッドは流石というべき!

192 ファミリービジネス (4点)

(1989)

監督/シドニー・ルメット、出演/ショーン・コネリー、ダスティン・ホフマン、マシュー・ブロデリック、ロザンナ・デ・ソート

 ニューヨークの下町に根付いた親子三代の犯罪一家が主人公・・・名監督ルメットの演出だけに洒落た犯罪ストーリーと思っていると、これが完全に期待を裏切られました。せっかくコネリーとホフマンを4つに組ませながら、親子の諍いを軸としたヒューマンストーリーに終始。老いたりルメット!映画史上に残る傑作「12人の怒れる男」(1957年)や「ネットワーク」(1976年)は遠くなりにけり!であります。

 

193 ターミナル (6点)

(2004年)

監督/スティーヴン・スピルバーグ、音楽/ジョン・ウイリアムズ、出演/トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、スタンリー

トゥッチ、ゾーイ・サルダナ、シャイ・マクブライド。ディエゴ・ルナ、クマール・バラーナ

 JFK空港に到着したその日に祖国クラコウジアが軍事クーデターによって転覆。主人公はどうしてもラマダ・インに行かねばならないと懇願するが、杓子定規な保安局長はこれを許さず、空港ロビー内に留め置かれる。やむを得ず空港内で生活破目になるが、彼の人柄がやがて周囲をの人々の心を動かしていく・・・。

 スピルバーグの“あざとさ”が目につくが、それをハンクスの演技がカバーしている。ストーリー的にはキャサリンはいなくても(否、いない方が)よかったといえるが、但し、此処でのキャサリンは本当に綺麗で、スピルバにこの“華”が欲しかったのでしょう。

 75日間も籠城した理由とは?と思ったらこれがちょっと弱いのが玉にキズ。ラストも最後までいかずにちょっと余韻を残した方がお洒落だったですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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