(2017・7・19〜9・18)

はじめに

 今年のハワイ旅行は嬉しいことがありました。それは次男一家が8泊10日でやってきたことです。

 老夫婦が元気なうちに孫とハワイで遊びたい!・・・というのが永年の念願であったわけですが、息子たちは現役バリバリですから、我々が滞在中にはなかなか長期休暇がとれないので、幻に終わるかもしれないなぁ〜〜と思っていただけに、嬉しさもひとしおです。それで毎日良く遊びました。孫たちによい思い出となって残っていてくれればいいのですが・・・。

     

(ラニカイビーチの次男一家)  (プール)   (定宿のコンドにて)

 

本 題

ホノルル動物園コンサート

 今年もライブはホノルル動物園コンサートウイリー・Kからスタートです!・・・ところが、公演日が7/19の到着日その日なんです。

部屋に入り、荷ほどきを終えると、先ずは「まるかめうどん」で昼食をとり、アラモアナセンターへ行ってバス券を購入し、ドンキーで当面の食料を調達し・・・とこれだけの準備を終えて、慌ただしく動物園におでかけという次第。妻は「ようやるわ!」とあきれ顔ですが、彼女もウイリーKは大ファンなので、文句は口には出さず一緒にお出掛けです。

 で、ウイリー・K・・・いつに変わらぬ豊かな声量と表現力、そして観衆を楽しませるショーマン・シップ・・・あっという間に1時間が過ぎていきましたが、たっぷりと魅惑のボイスを楽しませてもらいました。

 翌週の8/2は「ジャズ・オールスターズ」・・・昨年バンドリーダーのジミー・ボージェスは惜しくも癌で亡くなりましたが、仲間のメンバーによる演奏は昨年にも増して素晴らしかったです。

 8/9は「BEAT –LELE」・・・いったいどんなバンド?ということで調べると⇒ウクレレでビートルズを演奏するというカルテット(=3ウクレレ+パーカッション)らしいです。確かに最初から最期までオール・ビートルズ。ウクレレ3本と、パーカッションで豊かな音を作り出して、見事にビートルズをトリビュートしているのに感心しました。

 

 そして、今シーズンの最後の8/16は「ローランド・サンチェス&サルサ・ハワイ」。サルサバンドとあって、演奏の始まる前からBGMに合わせてサルサのレッスンです。

 

  

(主宰者ロイ・佐久間とサンチェス)   (メンバーたち)

 アイランドスタイルのラテンロックに大人も子供も、そして日本からのおばさんもみんなノリノリで、大いに盛り上がりました。

  

 

ハワイ州立美術館ライブ

 ダウンタウンの中心部にある瀟洒な建物のこの美術館では、毎月第一金曜日の夕方(68時)にロビーでライブコンサートが開かれます。8/4はショージ・レドワード(=ジョージではありません!)のジャズ・ギターというので出掛けてみました。

此処のライブはあまり知られていないせいか(或いは今日の出演者の知名度が低いせいか?)6時の開始時には観衆は56人程度でしたが、7時になると20人余りになりました。演奏マナーから誠実な人柄が偲ばれますが、演奏そのものも、オーソドックスで奇麗な音色です、しかし、これはちょっと「ジャズ」・ギターとは違います。そう、スイングしなけりゃジャズじゃないんで、時にはアドリブを利かせた柔軟な演奏にしてほしかったなぁと思った次第でした。

 

 

ナ・フラ フェスティバル

 1940年スタートという長い歴史を誇るホノルル市主催の市民のフラ大会。毎年8月の第一日曜日=今年は8/6に開催(914時)。いつもオープニングはロイヤルハワイアンバンドです。

そして地元のフラ教室のフラダンス。皆さん笑顔で本当に楽しそうに踊っているのがいいですね。

    

 

ビーチウォーク/サンデー・ショーケース@

 ワイキキビーチウォークでは第1&第3日曜日の午後4時からライブがあります。8/6はホ・オケナです。

 このトリオは1986年結成というから、もう31年も続く大ベテラングループです。リーダーのマヌ・ボイド クムフラでロイヤルハワイアンセンターの文化ディレクターで、作家としても活躍という多彩な才能を発揮しています。落ち着いたステージマナーにインテリイジェンスを感じさせます。

 ベースのクリス・カマカは有名なカマカ・ウクレレの3代目。そして、ルックスに似あわぬ(失礼!)魅惑のボイス=リード・ボーカルのグレン・スミスは、もとは真珠湾海軍造船所の従業員という変わり種。異なった背景を持つこのトリオのハーモニーは抜群で、いつ聞いても本当に素晴らしい。

   

(ホ・オケナ)    (マヌ・ボイド)    (クリス・カマカ) (グレン・スミス)

(優雅なフラは、ボイド夫人)

 

(35回)スラッキー・ギター・フェスティバル

 今年は出発が7/19と遅かったせいで、ウクレレ・フェスティバルもスチールギター・フェスティバルも逃してしまいました。私の最大の楽しみがこのスラッキー・ギター・フェスティバル!

 今年はカピオラニ公園に戻っての開催です。(やっぱりこちらのほうがいい!)12時〜6時の長丁場ですが、日陰の良い席を確保するため、妻に作ってもらったオニギリとおやつと水筒をディバッグに放り込んで出発・・・1時間前には会場に到着です。定刻前になると、ハワイアンミュージックが大好きなロングステイの先輩・T夫人もご一緒です。・・・同好の朋がいるというのは嬉しいものです。

 今年は16組のギタリストが登場。(これはこれで素晴らしいのですが、かつて常連だったL・T・スムーズやヒイクワ、そしてマカナの顔が無いのはちょっとどころか、大いにさびしい。)

 

 トップバッターは新顔のジョナー。まだ若手ですが今後先輩に伍するほど成長できるか?、次はベテラのカヘレ、そしてダブルネック・ギターのクオ・・・1955年生まれの62歳。最近は演奏ばかりでなく、歌も歌いますが、これが結構甘い声で聞かせます。

    

(ジョナー・ドミンゴ)  (ムーン・カヘレ)  (ジョージ・クオ)

 日系のトギオカはカウアイ島在住ですが、毎年このフェストに出演しています。一風変わった形状のギターを引くのはオサリヴァン。生真面目な演奏スタイルですが、普段は学校の先生をしているそうで、納得です。

    

(ポール・トギオカ  (ドナルド・カウリア  (イアン・オサリヴァン)

 スティーヴン・イングリスは、その実力と共に、面倒見のいい兄貴分と言った感じで、若手のオサリヴァンやブライアン・エイシングと共演。このフェストの主宰者ミルトン・ラウの息子で、多くの出演者のベースを務めるクリス・ラウも一緒にカルテット。(この4人は皆ケレン味のない演奏ぶりではあるが、ちょっと地味で、例えばソロで1時間のステージを持つのはちょっと難しいかもしれない。)

    

(スティーヴン・イングリス&オサリヴァン)(イングリス&オサリヴァン&ブライアン・エイシング)(クリス・ラウ&イングリス&オサリヴァン&エイシング)

 次に登場したのは若手女性シンガーのノエ・ハッセー。心優しき男性陣がバックを務めます。

  

 そして、ホ・オケナ。いつもはグレン一人での参加ですが、今年はトリオで登場。此処ではグレンがセンターで甘いボイスを聞かせます。

 

(ホ・オケナ)(グレン・スミス)

 10代のころからその才能を高く評価され、“ヤングライオン”と呼ばれたダニー・カヴァーリョも26歳となり、風格も出てきました。今日は珍しく女性歌手のナニ・エドガーとのデュオで登場。〜〜部屋のTVでは日本語放送がある9チャンネル=キク(菊)TVを視聴していますが、毎土曜の夜(9時〜10時)に「ジャズアワー」という良質な音楽番組があって、かなり古い時代のライブを放映しているのですが、先日「ハワイ島・スラッキーギター・フェスティバル」という番組で、まだ小学生といった感じの幼いカヴァーリョが大人顔負けの見事な演奏をしていたのを見て、その天才ぶりを納得しました

  

(ダニー・カヴァーリョ)(ダニー&ナニ・エドガー)

 斯界の大物の一人、カヴィカ・カヒアポもスタイリッシュな女性を伴って登場。どうやら娘さんのようです。彼女は歌って、フラを踊ってと大活躍でした。横のカヒアポも満足そう。

  

(カヴィカ・カヒアポ&愛娘)

 カホアノは初登場。そして、いつもウクレレで参加するケアレのほれぼれする歌声。スティーヴン・イングリスやクリス・ラウがジョイントして息のあった演奏を披露します。

  

(カムエラ・カホアノ) (ウオルター・ケアレ) (ケアレ&スティーヴン・イングリス)

 ブラザー・ノーランドの“だみ声”は聞くほどに、その味わいを深く感じ取れるようになりました。今日はケアレ、イングリス、そしてラウを従えて(!)気持ちよく謳っています。

 

 今年のトリはマウナルアです。このトリオは皆演奏も歌も上手い。とくにリーダーのボビー・モデロウはサービス精神旺盛で、ファルセット、アカペラ、舞台狭しと動いての演奏と、いつもは観衆を熱狂させるのですが、今日は時間が押していたせいか、おとなしいステージで、ハナホウ(=アンコール)も無しでちょっと物足りなかった。

 

(マウナルア) (ボビー・モデロウ)

 最後は全員でハワイ賛歌{ハワイアロハ」を歌って、6時間のフェスティバルはお開きです。

 帰りがけ、ビーチのサンセットが奇麗でした。

  

インターナショナル・マーケットプレイス1周年記念コンサート@

 インタマは昨年の8/25に新装オープンして早いもので1年になります。飲食店は結構繁盛していますが、ショップの中には早くも「閉店セール」をやっているところもあり、商売はラクではなさそうです・・・が、1周年記念ということで、3週に亘ってコンサートが開催されるのは誠に嬉しい限りです。

 8/13はドン・ホーの誕生日ということで、敷地内のバニヤンコートに彼の銅像が建立され、“ドンホー・メモリアル”と題したコンサートが開かれました。

因みにドン・ホーは1930813に生まれ、50年代末に空軍を除隊して音楽の道に入り、66年には「タイニーバブルズ」でハワイのみならず全米で大ヒットを飛ばし人気を不動のものとし、その後も「I remember you」 など、おおらかな歌いっぷりでハワイを代表する歌手として活躍し、2007年に76歳で逝去しました。

(ドン・ホー/タイニー・バブルズのジャケット)

  さて、今夕のコンサートはジョージ・クオが珍しくリオで登場。ダブルネッック・ギターに合わせ、歌も披露。 更には半ばMCの役割も果たしての大活躍(?)。そして何組かの個性的なミュージシャンが登場しました。

  

(ジュージ・クオ)

    

                                         (ジョー・モンロー)

 6時からはお待ちかねのメルヴィン・リード。以前(=改装前)の毎土曜日の午後は彼女のライブが楽しみでした。改装に入った後、メイド・イン・ハワイのステージで「2年経ったら、新しくなったインタマで会いましょう」と言っていましたが、それは実現するどころか、昨年のオープン記念ライブにも姿を見せませんでしたから、今日の登場は嬉しい限りです。艶やかで伸びのある声、豊かな表現力は流石です。以前もよく舞台に呼んでいたカジメロとのデュオの“I remember youは素晴らしかったです。

 

(メルヴィン・リード) (カジメロとのデュオ)

 7時からのトリは「ヘンリー・カポノと仲間たち」・・・7人編成のバンドです。かつて「セシリオ&カポノ」のデュオで一世を風靡し、2011年以降はソロで活動する“ロック&フォーク”の大物ミュージシャ・カポノ。

 今夜は6人の仲間と登場。おや、向かって左端には「マノアDNA」の次男坊アレックス・カワカミがいるではありませんか!

 シャープな切れ味のエレキ、不協和音とも思えるような音出しのパーカッション、20本以上のハモニカを駆使する“ハモニカマン・・・などと、個性豊かな面々を揃えたバンドですが、カポノの巧みなリードで即席バンドとは思えぬ見事なアンサンブル。なんとも楽しいライブです。

 大御所カポノはもうかなりのご年配(失礼!)ですが、実に若々しい歌と演奏のセンスに感心。私はカポノは初体験ですが、一気に虜になってしまいました。

    

(ヘンリー・カポノ)(アレックス・カワカミとハモニカ・マン)(エレキギターの○○)

 

インタマ1周年ライブA

 8/26のオープニングは、ほのかとアジータです。昨年に続いて登場の、この“ヤングガール・デュオ”は毎年着実に成長しているのが分かります。ウクレレのテクニックや表現力とともにステージマナーもプロらしくなってきました。でも30分とはちょっと短すぎ。レパートリーは多いんだから、せめて45分は演奏しなくちゃぁ・・・。

  

              (今年も一緒に!)

 次のISLE5は女性2人のボーカルがそれほど魅力的ではなかったが、トリのNALEOはハーモニーも見事で、それぞれのソロも又素晴らしい。レフア、ナラニ、アンジェラは多くのミュージシャンを輩出しているカメハメハスクールの同級生で、トリオを結成して34年間、ハワイ音楽界のトップを走り続けてきたというから たいしたグループであります。

  

(ISLE)     (NALEO)

 

(ナラ)      (レフア)

 

グリーク・フェスティバル

毎年8月の最終土日にアラモアナビーチパークのマッコイ・パビリオンで開催され今年が36回目。8/27(日)に出かけました。今年も大勢の人で賑わっており、フードコーナーには長蛇の列。ギリシャソーセージにピタパン・・・シンプルですが、このソーセージはコクがあって旨い。ビールのつまみにはもってこいです。

  

 私の目的は当然というか、中央ステージのライブで、今年もMYTHOS=ミソスが出演します。彼らは1998年に結成しサンホセをベースに西海岸で活躍するギリシャバンドです。ボビーのブズーキを中心に、ギター、ベース、キーボード、ドラムの5人編成で、これにボーカルのシルヴィア・カリヴィティスが加わって6人のグループです。

 ギリシャの民族音楽からポピュラーまで何でもこなしますが、やはりボビーのブズーキが哀愁を帯びた音色で独特の雰囲気を醸し出します。おや、今日はシリヴィアの姿が見えません。どうしたんでしょうか?

 

(ミソス) (ブズーキを弾くボビー)

 1時間半ほどで演奏が終了し休憩に入ったので、別の場所に行くと、ソトズ・カッパさんが弾き語りをしていました。彼はこのフェスト創始以来連続出演ということですが、昨年は姿を見せなかったので心配していたのですが、元気な姿を見せており、安心しました。↓このスタイルで殆ど休むことなく弾き語りを演じ続けるから本当にスゴイです。

通りすがりのサリー風の衣装を纏った女性が、彼の演奏に合わせて優雅に1曲舞うと、サラリと去って行きました。ちょいとオシャレなシーンでした。

 

 

 3時を廻ったところで、アタフタと退散。〜〜というのは、4時から「インタマ1周年ライブBアイリーン・ラブのステージがあるのです。昨年のインタマ・オープニング記念ライブの最期を飾ったのがフィジー生まれの彼女で、南太平洋サウンドとでもいうか、ハワイアンとはちょっと違ったフィーリングのサウンドが強く印象に残ったのですが、今夕再び登場するというのでこれは楽しみ!・・・と言う次第。

ところがステージが始まると・・・今日はルックスもミュージックもレゲエ調。しかも歌の最期がプツンと切れる感じで余韻がありません。去年と全く感じが違います。いったいどうしたことでしょう?

 昨年の印象がよかっただけに、キツネにつままれたような感じになりました。珍しくこうしたライブに同席した妻も「たいしたことないじゃない?」と。尤も、最後の2曲は昨年も聞いた曲で、これは素晴らしい歌唱でやっと得心しました。

  

 

 いささか“消化不良”なので、お口直しと言うわけではありませんが、再度グリークフェスティバルへ。このフェスティバルは12時〜21時までやっているのです。日が傾き涼しくなって会場内は一段と賑わっています。

 ステージにはシルヴィアの姿もありました。彼女のパンチの効いた歌声は大変魅力的です。昼間は殆ど踊る人がいなかったのですが、夜はシルヴィアの歌に合わせて踊りだします。

 

 休憩時間に、ステージの下にいたリーダー(=ブズーキ奏者)のボビーに近寄って、「毎年、このフェスティバルであなたたちの演奏を聴くのが楽しみで、日本から来てるんだよ」と言うと、「本当かい?、それは有難う!」と、「unspoken MYTHOS」というCDをプレセントしてくれました。ついでに憧れの(!)シルヴィアと記念のショットも。・・・やっぱり夜も来て良かったなぁ!

 

(右端がボビー)   (シルヴィアと)

 

沖縄フェスティバル

 9月の最初の土・日は、カピオラニ公園で沖縄フェスティバルが開催されます。今年は9/<日)に夏川りみのミニ・コンサートがあるというので行ってみました。

 沖縄から大勢の人が参加しています。沖縄箏、三線(さんしん)に民族舞踊と出し物が続きます。

  

 そして、お待ちかねの夏川りみさん。「島唄」、「涙そうそう」といったお馴染みの曲から「石垣島の子守唄」や民謡など、彼女独特の清明でのびやかなソプラノがワイキキの空に広がります。ミニという触れ込みでしたが、アンコールの「花」迄1時間以上たっぷりと楽しませてもらいました。

 

インタマ1周年ライブC

 9/2(土)は1周年記念ライブの最終回。若手グループの後、最後はヘンリー・カポノと仲間たち今日は アレックスは参加せず6人編成。アップテンポな曲に「アイ・リメンバー・ユー」のようなスローでムーディな曲を織り交ぜた楽しい演奏でした。

 

ワイキキ・ビーチウォーク/サンデー・ショーケースA

 私にとって、これが今夏の“ラスト・ライブ”です。デル・ビーズリー・トリオ。ビーズリーは歌とギターだけでなく、作曲やアレンジに多彩な才能を発揮してきたベテランのようです。左にはこれもベテランの(スラッキー・フェスティバルでお馴染みの)ドワイト・カナエがいます。

  

                              (デル・ビ−ズリー) (ドワイト・カナエ)

 

 〜〜いやぁ、今年も多くのライブを楽しむことが出来ました。従来からお馴染みのウイリ・K−や、メルヴィン、そしてスラッキー・ギタリスト達に加え、ヘンリー・カポノ、NALEO,デル・ビーズリーといった大ベテランにもお目にかかり、いくらでも素晴らしいミュージシャンがいるんだなぁ!・・・と、あらためてハワイミュージック界の奥の深さを認識した次第です。

 

ホノルル美術館

 音楽ともにワイキキの楽しみの一つがホノルル美術館。印象派などの絵も結構収蔵しており。毎月第一水曜日と第三日曜日は無料というのが嬉しいですね。今年も8/2(水)に行ってみました。あまり混んでなくて、ゆっくりと鑑賞出来るのがいいです。

 昨年は、特別展として広重の浮世絵展が大変よかったですが、今年注目したのはゴヤの銅版画シリーズ「戦争の悲惨

 〜〜1807年ナポレオン率いるフランス軍はスペインに侵攻し、ナポレオンの実兄ジョセフ・ボナパルトをスペイン国王に任命し、支配下に置いた。これに対して180852日に民衆がマドリードで蜂起したが、ナポレオン軍は翌3日にマドリッドや郊外においてスペイン民衆を大量虐殺した〜〜。

 当時62歳のゴヤは聴力を殆ど失うという苦悩の中にあったが、民衆の悲惨な有様を目の当たりにして、1810年頃からナポレオン軍がスペイン民衆に対して行った蛮行の数々を克明に描いた銅版画制作にとりかかり10年ほどかけて80枚の作品を完成したという。

此処にはその半数近く(?)が展示されており、全てモノクロで、縦20m×横30cmほどの小品であるが、流石ゴヤで、抜群の構図とデッサン力(りょく)で以って、ナポレオン軍の残虐非道に対するゴヤの激しい怒りと、虐殺された民衆への深い悲しみが、圧倒的な迫力で観る者に迫ってくる。

一連の作品が表に出たのはゴヤの死後35年ほど経った1863年であるが、ナポレオン軍に対する怒りのみならず、ナポレオンの侵攻を許したブルボン王家や当時のカトリック教会に対する批判や皮肉が暗に込められているため、公表を憚らざるを得なかったのであろう。

又、この銅版画はピカソの「ゲルニカ」などに大きな影響を及ぼしたと言われている。

いやぁ、思いがけず素晴らしい作品群を見ることが出来ました。(↓はその一部)

 

  

 ゴヤの代表作のひとつ「180853」(1814年制作)は8年前のスペイン旅行の折、プラド美術館で見て 感動した記憶があります。銅版画制作の一方で、この油彩画を仕上たわけですね。

(参考:「53日」・・・プラド美術館蔵)

 さて、「絵」といえば、こんなものも・・・“ワイキキのMoMA”と言ったら、ホメすぎかな?・・・でも私にとっては、アンディ・ウォーホルより上等だと思いますよ!(独創性があります)

ワイキキの新名所?

  カカアコ地区の倉庫街の「ウオールペインティグ」が凄い!というので行ってみました。倉庫街の壁やシャッターに様々なポップアートの力作が描かれており、ちょいとした見ものです。炎天下ですから、面白さに惹かれて一帯を丁寧に見ていったら結構くたびれました。

  

    

    

                                                             (完)

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