3日目・3月29日(火)

終日・航海

  昨夜は、部屋に戻ると、長旅の疲れとホロ酔いで、バッタンキュー。日の出が6:51というので、6時過ぎに起きて 15階デッキへ。(何しろ窓なし部屋ですから、「屋上デッキ」に出ないと、外の様子は分かりません・・・トホホ!)

  ちょうど海の向こうから太陽が登ってくるところでした。

  

 朝日を見とどけると、ブッフェ・レストランの「ガーデンカフェ」へ。窓越しに朝日を浴びながらの朝食をモリモリと・・・。

  

  

(エッグ・ベネディクトやスモークサーモンがお気に入り。スイカやハネデューメロンも甘い!)

  お腹を満たした後は船の外、内を散歩。青空に青い地中海・・・気持ちいいですねぇ!

     

     

(ロッククライミング・ウオール)  (ウオーター・スライダー)  (プールとジャグジー)

     

(メインのシャデリア)   (3レーンのボーリング場)   (アスレチック・ジム)

     

(アイス・バー) (その中はこんなだそうです)       (スシ・バー「わさび」=有料)

   午前中、添乗員さんと船内見学。広い船内を上(15階)から下(5階)まで見て回ると2時間近くかかりました。そうこうするうちに、もう昼食の時間です。夜は有料のメキシコ料理「モデルノ」が昼はフリー・ブッフェというので、行ってみました。室内はいわゆるメキシコのイメージと違ってシックな感じ。空いていたので、最後尾に当たる窓際の席を確保して、航跡の白波を見ながらゆったりとランチを楽しみます。あまりお腹が空いていないので、少量を・・・タコスが美味しい。

     

 

 午後は、会議室でこれからの旅程の説明と、明日に備えてモロッコ語の講習。ベテランのTさんはもちろん世界各地を回っていますが、特にモロッコはお気に入りで、自分で何回も訪れ、“モロッコのお母さん”もいるんだとか。

お勉強(?)の後は、14階の「スパ」へ。スパは9〜23時の間オープンしており、約$200(サ込)払うと、乗船中ずぅ〜っと利用することができます。12月にこのクルーズを利用した人のブログを見て、このシステムのことを知り、我が家も利用することにしました。ちょっとお高いですが、設備は充実しており、リラックスできて十分その価値はあります。

ガラス張りで外洋を眺めてのサウナ、ミストサウナ、パワフルな泡がボコボコと出るジャグジー・・・特に↓写真・右の丸いパイプの寝椅子で、下から湧き出る大きな気泡を受けながら寝そべっていると何とも心地よい〜〜「テルマエロマエ」の気分です。いや、ハドリアヌス帝だってこんな贅沢は味わえないかも・・・泡に飽きると、バスローブをはおって暖かい寝椅子に背をおろすと、いつの間にか瞼が重なって・・・アッという間に2.3時間が経ってしまいます。〜〜というわけで航海中毎日この“プチ贅沢”を楽しみました。

  

(スパ内部の様子・・・パンフレットより)

 スパでのんびりと過ごしていると、アッという間に夕刻になりました。夕食は・・・A夫妻から「ガーデンカフェが、今夜はシーフード特集なので、行ってみない?」と誘われて同道。テーブルいっぱいにエビやらムール貝などの料理を並べて話が弾みました。(夜のブッフェは日替わりで、特別メニューが出るようです)

  

 (シーフードやチーズを並べ、デザートもしっかりと!)

  デッキに出ると、たそがれの地中海。夕日がその向こうに沈んでいきます。明日もいい天気でありますように・・・。

  

  ご機嫌で部屋に戻ると、ベッドの上には可愛い“象さん”が置かれていました。心和む、タオルアートです。

 

4日目・3月30日(水)

タンジェ(モロッコ)

 今朝はいよいよタンジェに入港です。早起きして、日の出を見にデッキに上がります。今朝も晴天ですが、甲板が濡れていたので、夜半どこかで雨が降ったのでしょう。

 朝もやの中にタンジェの港が浮かんでいます。7時に接岸。

     

   急いで朝食を済ませ、8:40に5階ロビーに集合。船をおりて、現地ガイドとともにタンジェ・バスツアーへ。岸壁に出ると「ムッ、なんだ、これは!」・・・なんとも形容し難い臭気が鼻を襲います。“モロッコ否、タンジェの洗礼”でしょうか?・・・我慢してバスへと急ぎます。

さて、タンジェ。日本のモロッコツアーには登場しない都市であるが、イベリア半島とはジブラルタル海峡を挟んで文字通り一衣帯水の位置にあり、スペインから大型フェリーが往来する、現在人口95万人(=北九州市や千葉市並み)の国際都市である。

タンジェに限らず、モロッコの港湾都市はフェニキア人の交易拠点が起源であるが、タンジェはその後ローマ帝国〜東ローマ帝国の支配を経て、イスラム勢力の支配下に入り、15世紀キリスト教徒の“レコンキスタ”(=国土回復運動)の進展により、15世紀後半にはポルトガル領となった。ところがポルトガル王女カタリーナがイングランド王チャールズ2世に嫁ぐと、王女からの持参金代わりとして一時的にイギリス領になってしまうというとんでもない事態が起きる。

16世紀にイスラムのサアド朝がモロッコの支配者となり、17世紀後半その後を継いだアラウィー朝が紆余曲折を経て現在に至るまでモロッコ王国を維持することになる。

帝国主義の時代に入ると、モロッコはフランスとドイツの角遂の場となり、ドイツ皇帝ウイルヘルム2世がタンジェ侵攻を図るという事件が勃発したりするが、その後モロッコはフランスの保護国となる。その中で欧州各国が注視する(その地理的要因故か?)タンジェは国際管理地域とされた。

 第二次世界大戦勃発時にはスペインがタンジェへ侵攻して一方的に併合宣言をしたが、大戦終了後再び国際管理地域に戻り、1956年に国際管理を解かれ、モロッコ王国に復帰した。

〜〜このように、タンジェはスペインと一番近い距離にある良港のためか、モロッコの歴史の中でも特異な歩みを持っているといえよう。

最初このクルーズの旅程を見たときには、「せっかくモロッコに寄るなら、カサブランカにすればいいのを・・・」と思ったものだが、こんな機会でもなければタンジェを訪れることは絶無だろうから、これはこれで貴重な体験かもしれない。モロッコ通のTさんは「カサブランカよりタンジェのほうが面白いですよ」と・・・。

(タンジェの衛星画像)

 バスに乗り込むと、まずは海岸線を新市街方向へドライブ。海沿いのエリアはただ今工事中で雑然として埃っぽく、“青く美しき地中海”のイメージを楽しむ風情ではない。(Tさん)「ガイドによると6月には奇麗に整備されて公園と商業施設などがオープンするということなんですが、果たしてどうでしょうかねぇ・・・」 

工事区間を過ぎると、近代的なビルやホテル、緑豊かな公園などのエリアが見えてきた。ヒルトンホテルやマクドナルドなどもある。(Tさん)「ガイドは、タンジェに近代的なエリアもあることを自慢したかったのでしょうね!」

     

(波止場近くのモスクのミナレット)      (旧市街の城壁)     (新市街のヒルトンと前はマック)  

 

 20分ほどのドライブでムハンマド5世通りを通って旧市街近くへ戻ると、バスを下りて徒歩観光。気温18℃くらいで、3月末のタンジェはとても爽やかです。

  

(フランス時代の名残りでしょうか?砲台があります) (椰子の木の下はブーゲンビリアが花盛り)

 

 途中、路地の奥の建物から外国人観光客がゾロゾロと出てきました。(Tさん)「レストランですが、壁の装飾タイルが奇麗で観光スポットになっているようです。トイレも利用できます。有料ですが、私が会社のほうで適当に処理しておきます」(この辺りの臨機応変が人気添乗員の秘訣か?)・・・というわけでスポット観光とトイレ休憩。建物の装飾タイルは見事な細工でした。看板を見ると「MARAHBA PALACE」というレストランでした。

        

 坂道を上がると、城壁に囲まれた門が見えてきました。○○門(カスバ門?)です。

  

(門の外と、その中)

   城壁との間の細い道を進むと、次の門が見えてきました。

   ガイドの「壁の切れ目から外へ出て」という声に従って外へ出ると・・・いきなり視界が開けました。港から地中海が見てとれます。

  

岸壁にはクルーズ船が蜃気楼のように浮かんで見え、彼方にはスペインの山並みが見えます。本当にスペインと近いんだ!

     

                              (A夫人&ガイド補佐と)

 また門を潜り、坂道を下っていきます。ライトブルーの階段が奇麗です。角の店は「カフェババ」と言って、1943年創業の老舗。かつてはタンジェ随一のカフェだったらしいです。

        

 更に人混みを縫って、細い路地に入ると、まるでアラビアンナイトの世界へ迷い込んだかのようです。

        

     

(アーティチョークなどの野菜売り)      (繊維製品の店)      (サバなどの魚を売るおじさん)

 マーケットに入ると、パン・色とりどりの果物・花・鶏肉とかいろんな生鮮品を売っています。

       

 

 ちょっとした広場に出ました。「プティ・ソッコ」です。Tさんの導くまま、とある店の中に入ります・・・アルガンオイル製品の店です。因みにアルガンはモロッコ南西部アルガディール地区に自生する広葉常緑樹で、その硬い種からとれるオイルは、抗酸化力、活性酸素の除去効果が強く、皮膚を癒す効果が強いオイルで、近年女性の間に人気が高まっています。日本で買う値段の1/4くらいでしょうか。女性陣は早速お買い上げです。(添乗員さんに乗せられたような?!)

  

 

(アルガンの木と、伝統的な搾油方法・・・ウイキペディアより)

  買い物を終えると、向かいの「カフェ・セントラル」で一休み。ミントティーと、Tさんオススメのアボカドジュースを嗜みます(Aさん、ごちそうさまです)。因みにこの店は、モロッコに長く住んだ米人作家ウイリアム・バロウズ(191497)が足繁く通ったことでも知られる、有名なカフェだそうです。フランス保護領だったので、カフェ文化が根付いているのですね。

 

  休憩を終えて、再び路地を歩くと、白壁にグリーンが鮮やかな門や尖塔(ミナレット)が見えてきました。このエリア一番のモスク「グランモスク」です。残念ながらタンジェではイスラム教徒以外はモスクの中に入ることができません。

  

  目の前に高台があったので、階段を上がって、周囲を展望します。

  

  〜〜これにて旧市街(メディナ)散策は終了。まだ12時なので、当初は残って更に探訪するつもりでしたが、妻が「もう十分!」という表情だし、路地に彷徨いこんでも,更に興味深い見どころもなさそうなので、皆さんと一緒に船に引き揚げることにしました。

ところで、 旧市街にはモスクと教会が併存しており、イスラム世界でこんなの(=イスラム教とキリスト教の共存)は、モロッコだけではないでしょうか?

モロッコ人自体、原住のベルベル族とアラブ系人種が諍いなく共存しており、アラブ世界では例外的に穏健な国民性なのでしょう。そういえば、路地を歩いていると、土産物を持って売人たちが近づいてきますが、「ノー!」と一声挙げればサッサと引きさがります。何処までも付きまとってくる超しつっこいエジプトの売り子とはえらい偉い違いです。

 

〜〜チュニジアの「ジャスミン革命」に端を発した騒乱は、周辺各国に「民主化」とは程遠い混乱を生みだしていますが、モロッコだけはこの騒乱と関係なく、温和な国民性をうけてか、17世紀から続くアラウィー王朝の王国体制に変わりはありません。尤も国王ムハンマド6世も国民の反感を買わぬよう細心の注意を払って王国の運営をしているらしい・・・。

   

(広場でA夫人と)  (振り返ると、メディナの街並みが・・・) (タンジェ港に停泊するエピック号の雄姿!)

 

 船に戻ると、「ガーデンカフェ」へ。歩き回った(?)のでお腹が空いたようで、食がススミます。スイーツもしっかりと!。

遠くに、春の陽光にきらめくタンジェのビーチサイドを眺めながら、ご機嫌の昼食です。

  

 

 食後は「スパ」でリラックス。それから・・・夜はいちばん人気の、大劇場・エピックシアターのダンスショー「バーン・ザ・フロア」へ。

なにしろ乗船客4千人を超えていますから、すべてのショーは予約が必須。予約しても自由席ですから、良い席を確保しようとすれば開演30分前には並ばないといけないという次第で、これはちょっと厄介です。

(それで、予約受付コーナーには長い行列ができるのですが、5〜7階フロアのエレベーター扉横の壁に設置されたタッチパネルでも予約が出来るというので、プログラムを調べながら、せっせと予約に励んだのでした)

 この日は7時(と10時)開演ということなので、6時半前には並んで、最前・中央の席を確保しました。

(エピックシアター・・・パンフレットより)

 宮廷ドレスを纏った優雅なウインナーワルツで始まったショーは突然アップテンポなダンスと変わり、それからは怒涛のダンスパフォーマンス。スピーディでシャープでダイナミック。激しく情熱的で、時に官能的なダンスに引き込まれていきます。このショーは1999年イギリスで幕を開け、ブロードウエイやワールドツアーで好評を博しているというが、実に素晴らしいダンスショーです。踊りとともに↓写真・右のカルメンのシーンに登場する女性シンガーが歌い上げる「ハバネラ」も見事! 〜〜というわけで、もう圧倒されっぱなしの1時間でした。

 

 ようやくお腹もすいてきたので、これから(830)夕食。今夜はもう一つのメインダイニングの「テイスト」へ行ってみます。

 さて、今夜オーダーしたのは・・・

  

 前菜はひよこ豆(?)のポタージュとオニオンスープ、そしてシーザースサラダ。オニオンスープは塩辛くてNG!

(アンケート用紙にその旨書いたせいではないでしょうが、その後幸いにも“ショッぱい”スープに巡り合いませんでした)

 

メインは「アメリカン・コッドのソテー」と、「クラム・リングイネ」・・・コッドは日本のタラと違って、いわゆる“タラ臭さ”がなく、歯ごたえがあって美味。ハマグリがたっぷりのパスタも上品な風味で美味しいです。アメリカ船には珍しく、繊細な味付けです。メニューの選択が的を得れば、結構美味しい料理がいただけることが分かりました。

 

(デザートはフルーツ盛り合わせと、アイスクリーム)

 

 今夜のタオルアートは・・・ブルドッグです。

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