2011

2011/11/811/11

はじめに

 又々この秋も台湾です。ことの発端は・・・パックツアーの参加者は旅行が終わればそれでおしまいというのが普通ですが、昨年冬の地中海クルージングの仲間は、ともに“死の恐怖”を乗り越えた一体感のせいか絆が強く、その後も連絡を取り合って、7月下旬にはSi夫妻やI夫妻の肝いりで同窓会を開きました。軽井沢や遠く大坂からもはせ参じ、7組の夫婦が延々8時間にも亘って楽しいひと時を過ごしたのであります。会も終わり近くになって酔っぱらった私が「この愉快な仲間で台湾に行きましょう!」と叫んだところ、即座に全員の賛同が寄せられたという次第です。

 行くなら台風の心配がない11月上旬と考えていましたが、お目当ての旅行会社のパッケージがなかなか発表されず、やっと出て来たのが、ワイキキ滞在中の折り。しかし、e-mailというのは便利なもので、皆さんと連絡を取り合うのに支障はありません。かなりの方が予定していたクルージング等を取りやめてくれたりして、結局全員が参加ということになり、夫婦7組14名の団体旅行と相なりました。大阪のKさんは同種の関空発ツアーを見つけて現地合流です! T氏に言わせると「まるで修学旅行のようだなぁ!・・・」

 

1日目=11月8日(火)

 9時20分に羽田集合。羽田国際線ターミナルがオープンした時にTVで充実した施設内容よく見ましたが、我が夫婦はこれが初体験。新しく奇麗なだけでなく機能的にも立派です。特にトイレはCS志向で素晴らしい。その昔、なんで羽田沖を埋め立てて拡張しなかったんだろうか?何もあんなに苦労して成田を開港することは無かったのに・・・と改めて実感します。 で、おのぼりさんのように奇麗なロビーを眺めて廻るのでした。

      

10:45出発なので、通常なら2時間前の8:45に集合ですが、この点も助かります。軽井沢からのSaさんも朝早く出ればOKで、楽勝だと。(成田が便利なIさん、スイマセン!)

 フライトはBR189便=初めてのエヴァー航空です。機材は新しく、座席も比較的ゆとりがあります。機内食は「ポーク」か「シーフード・ドリア」で、「ポーク」を選択。酢豚風のメイン料理に、スモークサーモンサラダ・フルーツ・ケーキのセット。まぁまぁのお味で「星2つ」といったところか。(昨年のキャセイよりはいいですよ)

   

  ビデオも新しい作品で、日本語版が多く及第点。その中から「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」をチョイス。

(で、ここからちょっと話が横道に逸れますが・・・)

 SF映画不朽の名作「猿の惑星」を見て、衝撃のラストシーンに“固まった”のが1968年で、じつに43年前のこと。〜〜この感動が忘れられず、それから「続・」、「新・」、「・征服」、「最後の」と続いたシリーズ5作、そして01年のティム・バートンの“リ・イマジネーション”版と全て見てきましたが、このルパート・ワイアット監督作品はなかなかの出来栄えで、特にラスト近く、猿たちがゴールデンゲートブリッジを、人間どもを蹴散らしながら疾走するシーンでは、思わず猿たちの目線で見ている自分に驚いてしまいました。

〜〜アルツハイマー治療の新薬投与によって人類並みの頭脳を得たチンパンジー・“シーザー”が猿族を率いて人類社会に反乱を起こす・・・というのはシリーズ4作目の「猿の惑星・征服」のリメイクにあたりますが、パフォーマンスキャプチャー技術(=役者が演じた動きをコンピューターに取り込んでCGを合成。因みにシーザーを演じたのはアンディ・サーキスで、彼は「ロード・オブ・ザ・リングス」でゴラムを演じたこの道の第一人者です)を駆使した超リアルな猿(チンパンジー)が生き生きと躍動し(初作の猿のメイクも見事ではありましたが・・・)、半世紀の間の映像技術の進歩に感慨を禁じえないのでありました。又、ジェリーゴールドスミスの作品(=第一作)をオマージュしたと思われるパトリック・ドイルの音楽もなかなかよかったです。

 〜〜と映画1本見終わると、定刻の13:30に台北到着です。初めて(いや、厳密にいえば学生時代に一度ありますが、それは45年も昔のことで、最早、忘却の彼方です)の松山空港は桃園国際空港と比べれば規模は遥かに小さいですが、思ったより奇麗な空港です。

通関〜荷物引き取り〜両替もスムーズに運んで、ロビーに出ると現地旅行会社(=開発旅行社)のガイドがお出迎え。 用意された専用バスに乗り込みます。「皆さん、ニーハオ。私は李 元亨です。」〜〜日程の説明を受けているうちに僅か15分ほどで宿泊ホテルの城市商旅に到着。(本当に羽田=松山だと楽チンです!)

我々の部屋は各階バラバラですが、これはスタンダードツインからデラックスへとグレードアップしてくれた為だとか。このホテルはここ数年台北で流行りの「デザイナーズ・ホテル」の“走り”で、各部屋で内装&デザインが異なります。SiさんやMさんはコーナースイート。私はオーソドックスな(=デザイン性の無い!)ツインですが、部屋は広く、セミダブルベッドが2台というのは有難い。

       

因みに関空から到着のKさんの部屋をあとで覗くと、アッと驚く仕掛けになっていました。なんと、部屋の中央にバスタブがで〜んとあるのです!ジャグジーつきで豪華なんですが、素通しでなんの仕切りもありませんから、これでは夫婦でもちょっと恥ずかしい!?・・・。(二人一緒の入浴シーンはこんな感じ??・・・)

   

  誰の行いが悪かったのか?!、昨日までは晴れの天気が続いていたのに、今日から下り坂。今にも降り出しそうにどんよりと曇っていますが、チェックインを済ますと、早速行動開始。(何しろ私が作った日程ですから、折角の到着日半日を有効活用しようと、メいっぱいのスケジュールになっています)

このホテルはMRTの駅からは少し離れており交通至便とはいえませんが、台北のアメ横ともいえる迪化街に近いのが利点。先ずはカラスミの専門店永久號へ。グルメの揃った一行ですから、試食をすると「うん、これはイケル!」と、早速お買い上げ。(私は別にこの店の回し者ではありません)

 次は本通りに入る角にある霞海城隍廟(シャハイチェンフゥアンミァオ)。例によって派手派手の社ですが、3級古跡に指定された150年近い歴史がある由緒正しい廟です。ご本尊の城隍爺とは中国古代神話の海の神様で、福建省から渡ってきた人たちが奉納したそうです。台湾の廟には多くの神様が一つ屋根の下で一緒に鎮座していますが、此処には城隍夫人を甫め、なんと600体を越える神様が祭られており、台湾一人口(いや、神口!)密度の高い廟だそうです。その中の一つが1971年になって祀られた月下氷人で、今では此処は縁結びの神様として若いカップルに人気だそうです。因みに歌手の小林幸子さんも今年2月にお参りして良縁祈願をしたそうです。(⇒やっぱり霊験あらたかなんだぁ!)

 私達、熟年カップルも夫婦で60元を払って、長い線香3本×2組と金紙(=お供え専用の紙幣もどき)を求め、神妙な面持ちでこれからの夫婦円満&家内安全を祈願したのでありました。

   

  神様を撮影するのは憚られましたので、内部の様子はよそ様の写真から・・・

   

城隍爺)          (月下老人)

  お参りを済ませると、迪化街の中へ。ズラリと並んだ賑やかな店々の様子に全員目をパチクリ。いろいろと試食をしながら奥へと進んで行きます。

       

皆さんそれぞれ気に入ったものをゲットしていきますが、私はドライ愛文(=アップル)マンゴーの美味しいのを見つけてお買い上げ。とある漢方店でSa氏が安眠薬を見つけると数人がこれに追随。

 歩いても歩いても店が続いて限(き)りが無いので、或る程度のところで切り上げてUターン。最後は永楽市場の2階にある布問屋街へ。ありとあらゆる布地が所狭しと並べてあって壮観ですらあります。裁縫好の女性なら垂涎もののフロアです。

    

  次の予定の時間が押しているので、急ぎ足でホテルへ戻ります。荷物を置くと次は溫莎堡商務養生館へ向かいます。そう、我が夫婦お気に入りのマッサージ店です。(2組は残ってホテルで一休みして夕食の場所=欣葉へ直行してもらいます)

 〜〜マッサージすること90分、4組全員スッキリとしましたが、終了した時点で既に夕食の予約時間(7時)前なので、大急ぎで店の車で欣葉本店へ送ってもらいます。店内に入ると地下の広いフロアは満員の盛況。奥の個室へと案内されます。(予約しておいてよかったぁ!

  全員が好みを言いだすとなにしろ舌の肥えた面々ですから納まりがつかなくなる懸念があるので、此処は幹事の独断で、海鮮中心の品々をササァーッとオーダーし、先ずは台湾ビールで乾杯。で、出てきた料理は・・・

    

(空芯菜炒め)        (切干大根の卵焼き)        (活蝦の蒸しもの)

    

(イカすり身のダンゴ)       (ハマグリのスープ)       (牡蠣の卵焼き)

    

(蟹おこわ)            (杏仁豆腐)          (サービスの黄粉餅は一人1個!)

 さすが台湾料理ナンバーワンの名店、どれも上品な味わいで美味しかったですが、I夫人から「トコブシが食べたいワ」とのリクエスト。私も大好物なので、追加オーダーすると、「本日は売り切れデス」とのつれない返事。しまったぁ、最初に注文しとくんだったぁ・・・。

 と、ちょっと残念なこともありましたが、まぁ一同大満足で帰還。ホテルに戻るとロビーで大阪からはせ参じたKさん夫妻が待っていてくれました。我々がマッサージをしている間、ホテルに残ったI夫人達が近くのコンビニでビールやつまみ等を調達してくれていて、早速Siさんの部屋へ集結して2次会のスタート。みんなで呑みながらワイワイと談笑するのが、この仲間の一番の“お気に入り”なんです。楽しい宴はいつ果てるともしれませんが、明日の朝が早い(=8時出発)ので ほどほどで切り上げて部屋に戻ります。

    

 

2日目=11月9(水)

 今日は終日観光。当初大阪のKさんは本来の団体に参加予定だったのですが、T夫人が旅行会社に掛け合ってこちらに「移籍」となりました。みんな一緒で本当によかったです。そのお陰というわけでもありませんが、朝から目いっぱいの過密スケジュール(勿論これは私のせいでもありません!)

 8時に出発というので、7時のオープンを待ち兼ねるようにしてレストランで腹ごしらえ。中・洋・和にジュース・コヒー&紅茶・果物・ヨーグルトと一通り揃っており、及第点です。

 一息入れていると、「皆さん、おはようゴザイマス!」と李さんが迎えにやってきました。昨夜々半から降り出した雨が本降りとなっています。「李さん、天気予報はどう?」、「残念ですが、これから1週間ずっと雨です!」(まいったなぁ・・・)

 で、先ずは行天宮此処は1967年創設と歴史は浅いのですが、市民に一番の人気を誇るお宮です。その理由はご本尊が関羽(=商売の神様)だからです。

    

ところで、三国志の勇将・関羽が何故“商売の神様”になったのでしょうか?・・・関羽の生まれ故郷の河東郡解県に中国最大の塩湖である「解湖」がありますが、江西商人がときの皇帝から塩の専売権を得て、この湖で採れる塩を中国全土に売り歩いて巨万の富を築きました。

彼らは商売のモットーとして、「義」と「信」を最も重んじました。三国志において、関羽はまさに「義」と「信」の武将であり、江西商人は彼らが渡り歩く各地に同胞たちの集会所或いは支援拠点として「関帝廟」を造営していきました。そうして、いつしかこの関帝廟は“商売の神様”として中国大陸のみならず、台湾においても広く民衆から根強い尊崇をうけるようになっていったのです。

で、今日も多くの善男善女が参拝をしています。熱心にお経「?」を詠唱している女性たちもいます。此処では、ボランティアのおばさんがお線香を渡してくれます。(広く施しを行った江西商人の伝統でしょうか?)有難く頂戴して、我々も神妙に各神様にお参りを致しました。

    

 次は忠烈堂。此処は台湾の為に戦って死んだ人々を祀ってある、いわば台湾の靖国神社です。此処で観光客の人気の的は衛兵の交代式。毎正時1回ですが、ガイドの李さんはちゃんと時間を計算して案内してくれます。我が夫婦はもう見慣れた光景ですが、何度見ても祖国を守る兵士の凛々しい立ち振る舞いには感動します。

    

 妻も兵士とのツーショットでご満悦であります。

 次はお茶セミナー。元気溌剌のおばさんのお話を聞きながら、美味しい台湾茶をたっぷりといただきました。

    

 その次は蒋介石を祀る中正紀念堂。生憎の雨模様で、しかも堂内は修理で休館中とあって、正面で記念撮影をしておしまい。でも皆さん、北京の天壇を模したような壮大な建築には満足されたかな?

    

 お昼近くになってきたので、昼食は鼎泰豊=ィンタイフォン))・・・その昔ニューヨークタイムズの記者がここで小籠包を食べて「こんな美味しいものはない!」と甚く感動して、世界の10大レストランに推薦したことから、評判が評判を呼んでアッという間に、台北随一の人気レストランになったという次第。今日も店内は大賑わいです。

  

 (昨年と違って、)李さんの手配よろしく11時半位に到着したので、直ちに席へと案内されます。席に着くや、回転を早める為に次から次へと料理がテーブルに並べられます。

    

    

  

 最後にデザートとして”濾し餡”の小籠包が出てくると終了。アツアツの小籠包は何度食べても美味しいと感じる逸品で、NYタイムズの記者の驚きもよく分かりますが、その他の料理は「★星二つ半!」といったところでしょうか?

 お腹がいっぱいになると、次は故宮博物院午後になると館内は大陸からの観光客でごった返しています。最近館内の撮影は全面禁止になったので、写真はロビーと屋外のみなのが残念です。

    

で、一行が拝観したお宝の一部を以前に撮影したものから再現しておきます。

    

    

 さて、それから九 イ分へと向かいます。此処は平時でも雨が多い地域。今日は台北でも降っていますから、近づくと激しい雨で土砂降りに近い状態。雨よけがある“賑わい通り”も傘をさして歩かないとびしょ濡れになってしまいそう。これではこのレトロな街のムードも何もあったものではありません。

    

 ほうほうの体で、夕食場所へと向かいます。九戸茶語です。3階建ての建物で、上は茶芸館になっているとのことですが、我々は1階のレストランへ。3階からの見晴らしの良さが人気の秘訣らしいですが、今日は諦めるしかありません。大きな円卓に着くと料理が次々とサーブされます。一番の名物は活きエビの石蒸焼きということでした。

    

    

 味がちょっと濃いというご意見もありましたが、蒸焼きエビは美味しかったし、前菜盛り合わせには蒸しアワビなどもありましたから、まあ、及第点ではないでしょうか!

満腹でバスに乗って台北に戻ると、李さんが「お土産用に有名なお菓子の店へご案内します」ということで、着いたところが維格餅家。パイナップルケーキの人気店だそうで、店の隅には大きな段ボール箱が山積みになっています。なんでも大陸の観光客がゴソッと買って持ち帰るそうで、さすが大陸の成金はスケールが違います。

奇麗な店内の2階へ上がると試食し放題なのは有難い!。遠慮なく頂戴します。衣に竹炭を練り込んだ「墨條酥」(=竹炭パイナップルケーキ)なんていう変わり種もあります。我が家はパイナップルケーキはあまり好みでないので、妻が「これはちょっとイケルわよ」という「鴛鴦緑豆糕」(=緑豆の餡入り落雁)を購入

      

 そして最後は、士林夜市バスを降りると、タイミングよく雨が止んで、美食広場や、メインストリートを散策しました。

    

 ホテルへ戻ると、元気なT夫人やI夫妻は「ねぇ、台湾に来たら屋台でいっぱいやらなくちゃあ!」と有志を募って、ホテルの向かいにある屋台へ繰り出しました。我が女房も参加して、ホテルの従業員(=マイケル君・・・勿論台湾人です)を引っ張り込んで賑やかに飲み食べして大満足であったそうです。

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次(3日目)へ      

 

 

 

 

 

 

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