三日目(10/26・火)
今日も曇り空ですが、雨は降っておらず、助かります。但し、何故か気温が昨日より5度以上も下がって涼しくなっています。(TVによると日本も12月並みに冷え込んでいるそうです)
10時になると衛兵交代式があるので、間に合うように階段を上って広い堂内へ。
(蒋介石の巨大な像) (天井の太陽のマークが印象的)
交代式が終わると、1階に下りて展示室へ。先ず市民の書道展が開かれており、Sさんはつかつかと受付のおばさんの前に行くと、筆をとるや流れるような達筆で受付簿に記帳。にっこりしたおばさんは「あなたたちも皆んな記帳してちょうだい」という雰囲気なので、全員「達筆」をふるって(?)墨黒々と記帳をしたのでありました。そのあとはおばさんと一緒に記念撮影。ささやかな日台交流のひとコマです。
それから、蒋介石ゆかりの記念品コーナーへ。愛用した総統専用キャデラック、孫文との肖像画、ルーズベルトやチャーチルと同席の歴史的写真などの前でパチリ!
かくて紀念堂を後にすると、向かうは101。曇り空とあって見晴らしはよくなさそうですが、折角だからと89階の展望台まで上がります。果たして遠くは霞んでよく見えませんが、周辺の台北市街を一望出来て、一行は満足の表情。
因みにこのビルは今ではドバイの「ブルジェ・ハリファ」に“高さ世界一”を譲っていますが、ドバイのビルは中国(大陸)が資本参加し、建設も請け負ったようですが、果たしてというか、超高層エレベーターなどに問題が続出し、日本企業に補修支援を求めてなんとかやっているようです。
一方101は熊谷組を中心としたJVで完成し、2004年の竣工(当時は高さ世界一!)以降、何の問題もなく運営されているという。特に東芝エレベーターの手になるエレベーターは毎分1,010m(時速60.6km)という世界最高速の超スピードで運航されている。89階は高さ382.2mだから、乗り込むと、それこそアッという間に到着してしまいます。
(黄色い屋根は国父紀念堂)
ハンディ解説器をの説明を聞きながらひと廻りすると、次は88階へ。巨大な免震装置に一同目をパチクリ。
奥へ進むと、サンゴの展示(&販売)コーナー。沖縄から台湾にかけての海は良質の宝飾用サンゴが採れるということで、数々のサンゴが展示されています。さらに巨大な白菜の彫刻もありました。なかなか見事な彫り物です。
昼時になったので、地下1階に下りて、巨大なフードコートで各人お好みの品を選んでランチタイム。
小雨まじりなので、タクシーで市政府站へ向かい、そこからMRT板南線で龍山寺へ。今回旅行会社から50元チャージ済みの悠々カードをもらいましたので、折角ですから、皆さんにMRTを体験してもらおうという狙いです。
(スペシャルバージョンの悠々カード。絵柄は何故か、故・柳原良平=サントリーの“アンクル・トリス”=のタッチです)
お参りを済ませると、台北站での乗り換えと混雑も体験してもらわなくちゃぁ!と再びMRTに乗って中山站へ。少し歩いて李製餅家へ。我が夫婦は台北へ来ると必ずここで蛋黄酥(塩卵饅頭)をお土産にするので、“添乗員”の特権(?)を濫用して、一行を引っ張っていきます。皆さんから“買占め”と非難されるほど大量に買い込んでホテルへ帰還。
(蛋黄酥)
荷物を置くと、再び出動。都合のいいことにというか、ホテルから歩いて数分で、タイペイのアメ横とでもいうべき、乾物・茶・漢方薬などの店が並ぶ迪化街があります。先ずその手前の横丁を入ったところにある永久號を訪ねます。私はこれまでカラスミは伍行中で購入してきましたが、この永久號は創業100年の老舗で、知る人ぞ知るカラスミの名店という情報を耳にしたので、立ち寄ってみました。話を聞いてなければ足が向かないような、ちょっと古めかしい店構えです。
親父さんから差し出された試食品を口にしたI bさんは「アッ、これ美味しい! 九份で試食したのとはまるっきり違うわ!」・・・全員即お買い上げです。因みに此処は1個500元均一です。(因みに、私の買ったのは重さ168gでした)
次に迪化街へ。手前の角に小さなお宮があります。なにげに通り過ぎましたが、これが迪化街の守り本尊霞海城隍廟
(この写真は旅々台北からお借りしました)
ズラリ並んだ問屋街のプラケースに入ったドライフルーツ(刻み)を試食しながらそぞろ歩き。気に入った店先でカボチャの種なんぞを買い求めてUターン。戻り道、繊維関係の店が並ぶ永楽市場ではHさんがハギレの山を見つけ、「あっ、この柄可愛いワ!」といくつかをお買い求め。広場では盲目の女性がハンディーなカラオケ装置を操作しながら日本の演歌を歌っています。なかなかの歌唱力です。心やさしいSさんは、籠の中にそっと紙幣を入れてあげていました。
ホテルの斜め向かいに一風変わった建物があります。「奥行き4〜5m」の薄っぺらい建物で、筒抜けになった下を潜ると、その向こうは普通の住宅街。赤いレンガ作りの屋上を見上げると、派手派手の作りものが乗っかっていて、この建物はどうやらお堂のようです。壁の文字を見ると「法王公廟」と彫りこんであります。脇にエレベーターがあって、それで上がると中に礼拝処があるらしい。時間があれば入ってみたかったが、我々は後の予定があるので断念。
その予定とは、これから夕食の前に、「旅の疲れを癒すべく(!)再度(半数の人は再々度!) 「温理沙奈理美容店」へ行って、今日は全身マッサージをしようというプランなのです。
店に着くと、受付を支配してるおばさんとはもうすっかり顔なじみで熱烈歓迎ムード。(Sさんは、「俺は今日はいいや、ちょっとその辺りをブラブラしてくるよ」と、日頃は無理してでも付き合うSさんにしてはちょっと不可思議な行動で姿を消しました。・・・これにはワケがあったと、後で判明します)
おばさんは3日連続となるS夫人の顔を見ると、「オー、ゴメンネ。今日はジュニアは出掛けてて、いないのヨ」・・・なんでも初日の足の担当者が良かったので、昨夜も彼を指名したところ、これがこの店のオーナーの息子だったらしい。(因みに全身マッサージの場合は、下着姿になって=すっポンポンではありません!=マッサージ用の着衣に着替えるので、施術師は全員女性で、男性が行うことはありません。)
90分コースで1500元(現在のレートだと4,050円)。やり手おばさんは「もう、皆さまには特別に大サービスします。2時間コースと同じ内容の蒸しタオルとアロマオイルマッサージにしちゃいます」・・・確かに値段表には90分だと普通のマッサージと書いてありますから、おばさんの話に嘘はないのですが、私はいつも90分コースでこのアップした内容のサービスを受けているのデスガ・・・。
尤も感心するのは、この店に最初に来た7年前から料金が一切変わっていないということで、この間に台湾とてインフレは進んだでしょうから、この頑張りは敢闘賞ものといえます。(例えば、京鼎樓や鼎泰豊のような店はこの7年間で3〜4割と大幅な値上げをしています)
ちょっと話が横道にそれましたが、マッサージを終え、90分後ロビーに集結した面々は、「あ〜ぁ、本当に体が軽くなったわ!」と、すっかり寛いで満足の表情。案内した私としても喜ばしい次第であります。
さてリラックスした後は、“台北最後の晩餐”の場所へと送ってもらいます。やはり“フカヒレ”は外せないということで、龍鮑翅魚翅専売店というレストランを予定し、到着日に予約をしたところ、「その日は予約でいっぱいで、8名はお受けできません」とスゲなく断られ、次善の策として手配したのが過去に行って好印象だった儂来。
ホテルフロントの女性が「お店の人がフカヒレならこちらのほうへと言ってます」と住所を書いてくれたメモ紙を、マッサージ店のドライバーに渡します。彼は心当たりが無いらしく、自信なげに車を進め、何度か携帯電話で確かめてから漸く到着。
市内に「儂来」というレストランはいくつかあるらしく、一昨年行ったのが「儂来」、昨年は「儂来餐庁」、そして本日は「儂来魚翅専売」という看板が出ています。一階は14、5人で一杯になるくらいの小さな店です。ところがこれが大正解。過去の二ケ店とメニューはほぼ同じですが、質(特にフカヒレの)が良くて、値段も1,200元と少し(50元)安いのです。ではフカヒレ(大)コースの内容はというと・・・
(シーフードサラダ) (空芯菜がほんのチョッピリ)
(大きな輪っかのフカヒレ) (干しエビと蓮の実のおこわ)
(鱈か、鶏の蒸しもののチョイス・・・鱈が美味しい!) (最後はフルーツ)
とにかく圧巻はフカヒレ。フツフツと湧きたつ土鍋の中に「黄金フカヒレ」(=大きな輪っかのフカヒレ)がど〜んと入っています。(TV “ぐるない”に登場するような店なら、これだけで8千円位はするでしょう・・・)
これには一同大感激。Yさん「食べても食べても減らないの!、どうしましょう」・・・前菜のサラダ、おこわ、鱈蒸しも上品な味付けで言うことなし。(但し、鶏は誰も手を付けず) I
kさん 「台湾料理ってクセがあって、しつこいのかと心配してたけど、思ったよりアッサリしてて美味しいわネ」
大満足の晩餐を終えると、女性3人が「心残りの品物があるので、もう一度士林夜市へ行きたい」というので、Sさんにその先導を頼み、残りの4人はホテルへ帰還。
私は「コダワリの、或るもの」を求めて、西門町・遼東百貨店の近くへ出動。ホテルからタクシーを飛ばせば、7〜8分でしょうが、此処から最寄りの中山站までの所要時間を確かめたくて歩いてみると、少し速足で10分ほどでした。皆さんからも希望があったので併せて買ってきましたが、これは帰国後ご家族からも好評であったようです。
そのあと、私たちは先刻“買い占めた”饅頭のせいで大荷物になったので、荷造りに悪戦苦闘する事態となります。(海外から帰国前夜は、毎度のことデスガ・・・)
一息ついたところで、夜市から帰ったSさんから「我が部屋に全員集合!」の電話が入ります。集まったみんなはワインや梅酒を飲みながら、Sさん持参のノートブックに彼と私のデジカメ・SDカードを入れて3日間の旅のスライドショーを見て、ワイワイガヤガヤと大いに盛り上がりました。
「旅の回顧展」が終わると、Sさんが「今回の旅行は半年前からW夫人に大変世話になりました。みんなから感謝の気持ちです」と言って、包装紙で包んだものを妻に差しだしました。妻が包みを解くと、箱の中には茶器セットが入っています。
(Sさん)「名前も入れてもらったからね」・・・夕方、マッサージ店でSさんが出て行ったのはこの為だったのです!
(帰国後、頂戴した茶器で台湾茶を楽しんでおります!)
四日目(10/27・水)
アッと言う間に帰国の朝です。朝食を済ませると、簡さんがロビーで待っており、9:10には出発です。ん? 離陸時間(=12:50)からすると少し早いんじゃないの!・・・というと、ダメ押し的な「民芸品店でのお買い物」が組み込まれているのです。
途中簡さんの漫談で印象に残ったお話・・・
(簡さん)「〜〜よく中国人はなんでも食べると謂われますよね。でも昔、日本へ行ったとき、食堂に入って、壁に貼ってあるメニューを見て、私ビックリしました。日本人は本当にこんなもの食べるのかって! 皆さんなんだと思います?」
(一同) 「・・・・・・」
(簡さん) 「きつね と たぬき って書いてあるんですよ。私本当にオドロキましたヨ!」
最後の民芸店(澎湃)もやっぱり中国人で大賑わい。我が女性陣も残った元を消化すべく(?)何やら小物をお買い上げ。40分ほど滞留したのち、空港へと向かいます。ガイドとして長く豊富な経験を持つ簡さんから日本人の台湾観光今昔物語を聞いているうちに到着。チェックインすると、横一列だった成田発時と違って全員座席はバラバラで、しかも我が夫婦は妻・37A,夫・37Fと離れ離れではありませんか!香港始発だから已む無しか?
到着時も感じましたが、第1ターミナルだとショップは貧弱で、スタバも無く、第2と比べてかなり格差が目立ちます。
ゲート前の椅子で待っていると、突然飲み物のサービスが始まりました。えぇっ?!やけにサービスがいいなあ!と有難くホットコーヒーなんぞを飲んでいると、程なくアナウンス・・・「香港からの到着便が遅れておりまして、出発は1時間ほど遅れます」・・・なぁ〜るほど、どおりでサービスがいいわけだ・・・と思っていると、女性係員がやってきて搭乗券をチェックし、「200元」と記入したグリーンの券を差し出します。「?」、「5番ゲート近くのカフェテリアでお食事をどうぞ!」 ちょうどお昼どきはいえ、1時間の遅れでこのサービスとは!、キャセイも頑張っていると言えましょう。
周りの人が動く前に全員で指定カフェテリアに向かい、200元以内で好みの軽食をオーダー。私は市内で食べる余裕(=時間もそうですが、胃袋もです)の無かった牛肉麺を食します。牛肉麺は、例えば日本のカツ丼の如く、何処で食べてもあまりハズレがないのですが、此処(=日本でいうなら“立ち食いそば”的な調理です)でも結構美味しかったです。
(牛肉麺と、I bさんからおすそわけの水餃子)
これだけ“補償サービス”が行き届いているから、1時間の遅れじゃすまないのではないか?と懸念してましたが、本当に1時間だけの遅れで出発しました(ホッ!)。着席すると、両側を香港から搭乗の大柄な中国人男性に挟まれて所在なく、目を閉じていると,少しウトウト・・・離陸したのを気づきませんでした。(添乗員を無事終えて気が緩んだということでしょうか?)
帰りの食事は「チキン&パスタ」か「ポーク&ライス」で、当然後者を選択しますが、行きの「フィッシュ」のほうが美味しかったかな? (まぁ、牛肉麺食べたから、いいや・・・)
ビデオは、1番目の「トイストーリー3」が日本語版で、過去「1」、「2」と見ているので、喜んでこれを選択。〜〜おもちゃの持ち主アンディも17歳となり、親元を離れて大学生活へ。〜〜そこで彼の手許を離れたおもちゃ=ウッディやバズたちを待ちうける運命やいかに?
「トイストーリー1」(1995年)は長編フルCGアニメとしては初の作品で、当時、見事なCGが話題を呼びましたが、製作のディズニー社首脳は、「肝心なのは、CGよりもストーリーである」と、完成まじかの作品を作り直させたというエピソードがあるように、このシリーズの真骨頂は、お子様向けアニメだと馬鹿に出来ないストーリーの面白さにあります。で、本作品も創造性豊かなおもちゃのキャラクターと波乱万丈(!)のストーリーの面白さに“歳を忘れて”楽しみました。
日本が近づいてきました。A席に座った妻は遠くに見える夕映えの富士山の頂上をパチリ!(分かります?)
心配していた天候もまずまずで終始し、“いい仲間といい旅”が出来て本当に楽しい4日間でした。 謝謝!
(完)
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