201081619

一日目(8/16)

 

 ふぅ〜今年の夏は本当に暑いです!・・・というわけで、“ちょっと涼しいところへ”と、東北バス旅行に出かけてみました。例によって阪急トラピックスの、「3泊4日」のツアーであります。

 東京駅丸ビル前出発が7:30(始発の新宿だと7時です!)。出発5分前には参加者勢揃い。添乗員はうら若き(そして結構たくましい!)乙女のWさん。「本日は47名のご参加を頂いて有難うございます!」・・・お盆休みも終わった月曜日だというのに、バスは最後尾の座席まで満員です。

 さすがに高速道路は渋滞もなく順調に走って岩手県一関市に入り、昼過ぎには第1景の「巌美渓」近くに到着。先ずは「サハラガラスパーク」という処で昼食です。(因みに3泊4日で“ニィ・キュッ・パッ”と格安のこのツアーでは、昼食はオプションです。時間を有効に使う為に4回の昼食はバスの中での事前申し込みで、1食あたり1,050円となります)

 見物時間は昼食時間込みで60分なので、大急ぎで用意された幕の内風弁当風を掻きこむと、表通りの橋を渡って、目的の@「巌美渓」へ。俄か雨が通り過ぎた後とあってか猛烈に蒸し暑く、少し歩くと汗がタラタラと流れ落ちてきます。(岩手県までやってきて、なんでこんなに暑いのダ!) 厳美渓は、栗駒山を源流とする磐井川中流にあり、全長2qほどの渓谷で、1927年に国の名勝天然記念物に指定されているという。

濡れた岩場を滑らないように注意しながら川辺に近づくと、道路から僅か5分とは思えないほどの本格的な(?)渓谷が目に入ります。上流を見やると水量豊かな流れが白いしぶきを上げて流れ落ち、結構迫力があります。

           ]

   此処には「空飛ぶダンゴ」という名物があります。向こう岸の茶店へとロープが張ってあり、籠に400円を入れて板を木槌でコンコンと叩くと、ロープが手繰り寄せられ、茶店から団子とお茶が籠に乗せて届けられるという仕組み。

話のタネにと注文してみます。ダンゴのボックスの上にお茶を入れた紙コップが4個も乗っかっていますが、これが倒れずに到着するところがフシギ!(橋の手前の道路を進めば茶店があり、そこで食べれば何の変哲もないダンゴですから、これは大したアイデア商法!だと言えます)

 で、肝心のダンゴは「さらし餡」、「黒ゴマ餡」、「みたらし」の3種類で、まぁまぁのお味、というよりもこのシチュエーションを楽しむのが本筋であります。

                   

  再びバスに乗って東北自動車道を北へ走ります。北上JCTで秋田自動車道へ入り大曲ICから横手盆地を北上。周りの山は一面の杉林。秋田スギは“日本3大美林”の一つとして有名ですが、年輪の目が細かく美しい木目を持つということで評判の高い“秋田杉”は樹齢200〜300年のもので、近年の乱獲により資源の枯渇が懸念されているということで、今我々が車窓から目にするのは植林による杉の山であります。

秋田新幹線の線路(=新幹線というより、純ローカル線の感じデス!)と並行しながら山道を走って向かう次なる場所はA「角館」。武家屋敷が数多く残っており、江戸時代にタイムスリップ出来るということで人気のスポットです。

 角館は戦国時代には戸沢氏が領有していましたが、関ヶ原合戦後佐竹氏が支配する久保田藩となりました。1603年佐竹義宣の実弟の蘆名義勝が領主となり3代続きましたが世継ぎがなくお家断絶。1656年に佐竹北家の佐竹義隣が君主となり、以降明治まで11代を重ねました。

義隣の父は京の公家・高倉永慶、母は佐竹家から嫁いでおり、そうした血縁から義隣は佐竹北家に婿養子として入ったのです。また2代義明も公家の三条西家一門から正室を迎えており、こうした経緯から角館は「小京都」と呼ばれる京文化が根付いたということです。

 戊申戦争時には明治政府側についた為、奥羽列藩同盟軍に包囲されて孤立し、棄城の危機に立たされたが、あわやのところで、列藩同盟側が次々と降伏し、幸運にも戦禍を免れることが出来ました。

・・・それで今日、こうして我々は江戸時代そのままの武家屋敷の町並みを見ることが出来るのであります。大きな枝垂れ桜の葉が生い茂る(満開の季節はさぞ見事でしょう!)黒塀の通りを左に折れると広い庭を有する青柳家(入場料500円・・・山田洋次監督・永瀬正敏主演の「隠し剣鬼の爪」の撮影現場)、その奥に石黒家。石黒家は座敷に上がることが出来るというので300円払って門を潜る。質実剛健な武士の館らしい佇まいですが、欄間の亀の透かし彫り=向うの壁に蝋燭の明かりでその姿が映ると、明かりの揺らぎで、亀が泳いでいるように見える工夫だとか・・・=に洒落た風雅を感じます。奥座敷から眺める庭もなかなか立派です。

           

                                                                                                 (黒塀の通り)       (青柳家とその庭)

            

(石黒家)

      

(土間の奥の立派な土蔵はどの時代のもの?)

 石黒家を出ると、通りの反対側の「唐土庵」(もろこしあん)へ。“ナマモロコシ”が名物だという。これは何かというと、炒った小豆を粉にして砂糖と水で合わせて型で抜いた和菓子。試食してみると、小豆の香りとしっとりとした食感、そして上品な甘さが秀逸です。たまには“名物にうまいものあり!”で、即お買い上げです。

      

  次は反対方向へ歩いて、「たそがれ清兵衛」の撮影現場となった岩橋家。入場無料ですが、江戸末期に改築されたという屋敷と周囲の庭はよく保存されていて、中級武士の屋敷の往時を偲ぶことが出来ます。

        

                                                                               (柏の木は残った!・・・岩橋家のシンボル)

      

                                                                       (表庭)

 そして松本家・・・ここも「たそがれ清兵衛」の撮影現場となったそうですが、下級武士の家とあって、これまでの屋敷とはちょっと違います。敷地は狭く、小さな茅葺屋根の家、そして塀は黒木ではなく、小枝を組んだ粗末なもの(柴垣)です。しかし、それなりの風情があると言えます。途中スコールのようなにわか雨に見舞われましたが、角館の武家屋敷通りは評判通りの見応えのある場所でした。

ただ、これだけの人気観光地なのに、5時を過ぎると武家屋敷をはじめ商店も全部(駐車場近くの土産物店は除いて)閉店となるのは残念。“稲庭うどん”の老舗・佐藤養助商店の直営店があるというので、楽しみに行ってみましたがピタリと店を閉めておりガッカリ。

      

(松本家)

もう5時半近くになりました。バスに乗って、田沢湖方面へと向かいます。今夜の宿は「ホテルタザワ」・・・「田沢湖畔」ではなく、「田沢湖高原」にあります。

我々の部屋は別館の和室。室内は比較的新しく清潔で、12畳ほどの広さがあり寛げます。風呂場へ行くと岩肌の露天風呂もあり、600キロ余りの長旅の疲れを癒すことが出来ました。食事は“きりたんぽ鍋”、豚冷シャブ等々品数はあって結構おなかいっぱいになりました。(旅行代金からして想像していたよりは、まずまずのお宿で満足デス・・・)

      

      

 

二日目(8/17)

 

 目覚めてカーテンを開けると、空はどんよりと曇っています。日本列島が亜熱帯に変化した異常気象に揺れるこの夏、この時期、関東地方は晴天が続いていますが、北海道から東北にかけては雨や曇りの日が多くこの先もちょっと心配です。昨夜の大広間でブッフェの朝食を済ませると、7:50には出発。折角田沢湖の近くまで来ているのですが、翡翠色に染まるという湖に立ち寄ることなく(当初から予定に入ってないので仕方ありませんが、此処まで近くに来ているのに“もったいない”!・・・)、一路男鹿半島を目指します。

八郎潟調整池を渡り、草原の丘(?)を登ってB「寒風山に到着。

(添乗員)「本来ならこの方向に鳥海山が見えるんですが・・・」==曇り空に少しガスも出て、彼女の指さす方向は厚い雲に覆われているだけです。視線を海のほうへやっても遠くは靄(もや)っているだけ・・・晴れていれば絶好の展望場所なのでしょうが、なんとも残念であります。

      

 秋田と言えば「なまはげ」。仕方がないので記念にと、そこかしこに置いてある「なまはげ」をパチリ。

      

                                                                                 (入道崎食堂入り口のもの)

  丘を下って、次は男鹿半島の突端C「入道崎」。まだ11時半前ですが、日程の都合上ここで早めの昼食です。男鹿半島の名物料理といえば「石焼き」・・・味噌仕立ての汁と魚介類や海藻を木桶に入れ、そこに真っ赤に焼けた火成岩を放り込むと、汁は瞬時に沸き立ち、湯気の中から磯の香りが漂ってくる〜〜という豪快な料理です。1人1,050円では一卓に木桶一つというわけにはまいらず、下座に大きな桶が用意され、店員がデモンストレーション。石を入れた瞬間、桶の中が沸騰するシーンは迫力満点です。(暫くして1人ずつお椀が配られました。一椀ごとに、半身の赤メバルのような魚が入っていましたが、あの桶に47切れが入っているハズもなく、別途作っておいたものでしょう。でも美味しかったのでよしとしましょう)

      

 昨日と同じく、散策時間は食事を含めて70分ということなので、並べられた料理を掻きこむと、観光へ。灯台があるので昇ってみます。(入場料200円) 高さ28m弱の少し小さな灯台ですが、てっぺんに上がってみると、360度の眺望が広がります。東尋坊には及びませんが、なかなかの景色です。

とある島に白い斑点のようなものが見えます。ズームアップしてみると・・・ウミネコの営巣がありました。

      

                                             (チケットの写真)

      

 入道崎をあとにすると、日本海沿いに101号線を北上し、能代市を抜けて、五能線と並行しながら青森県に入ります。途中右に折れて、対向するのが困難なほどの細い山道を進むと十二湖のD「青池」へ。

少し以前のTV番組でこの池を紹介しており、その神秘的な池面の色合いに強い印象をうけ、今回の旅の予定に此処が入っていたので、一番の楽しみにしていました。ところが今にも降り出しそうな生憎の天気で、しかも森の中とあって,あたりはもう薄暗くなっています。果たして「神秘的な青」を見ることができるのでしょうか?? 駐車場から木立の中を歩くこと10分少々、木の階段を上がると、青池が!

深く透明な青緑色の水を湛えた池。まさに感動ものの神秘的な色合いです!道の途中にあったいくつかの池は普通の「黄緑色」なのに、この池だけが何故こんなにもクリア&ブルーなのか?!まことに不思議です。添乗員さんによると「その原因はいまだに解明されていない」んだそうです。

        

 池の奥の道を上がると、世界遺産・白神山地の「ぶな原生林」が広がっています。このままずーーっと奥のほうへ逍遥したいところですが、時間が無いので、ちょっと眺めただけで引き返さざるを得ないのが残念です。

       

                                              (ブナの原生林)                    (これは鶏頭場の池)

 青池に行く道の途中にはもう一つ観光スポットがあって、名付けて「日本キャニオン」。バスの窓からチラリと捉えた眺めは下の写真で左、もう少し上から眺めるとこんなだそうです(右)。

かのグランドキャニオンに対抗しての名前だそうです・・・私はまだグランドキャニオンを見ていないので何ともいえませんが、う〜〜ん、ちょっとネェ。

      

 山道から出て101号線を戻り、能代市から7号線に左折して十和田湖を目指します。次第に雨足が強くなってきます。樹海ラインに入るころには日もとっぷりと暮れて漆黒の闇。「十和田湖が一望できる発荷峠を越えています」と言われても何も見えません。8時半ころに今夜の宿・十和田荘に到着です。結構大きいホテルで、ロビーや広い土産物コーナーは大勢の泊り客で賑わっています。今まで見かけなかった中国人の団体客も入ってました。

 時間が押しているので、部屋(ツインの洋室です!)に荷物を置くと直ちに夕食会場へ。大きなホールにズラリとテーブルが並んで、仲居さんが要領よくテキパキと給仕していきます。品数は豊富です。

       

 食後、一休みした後は大浴場へ。入り口前のロビーは橋が架かり、大きな滝も流れて、“バブル時代”を思わせるような感じです。肝心の風呂もなかなか豪勢。露天風呂はちょっと整い過ぎているかな?

       

 さすが十和田というか、昨夜まで暑さに悩まされてきましたが、冷房を切って窓を閉めたまま寝ても快適に眠ることができま)した。(妻は「寒いくらい」と言って、毛布を一枚追加してたほどです。)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次  へ        旅行記目次に戻る

 

 

 

 

 

 

inserted by FC2 system