09年・台湾旅行記
(12/3〜12/11)
はじめに
〜〜というわけでの台湾旅行。どんな「わけ」かというと・・・妻のANAマイレージの相当部分が来春には失効する。ならその前に有効利用しよう〜〜という次第で、ハワイから戻った9月初めにANAのサイトを調べてみると・・・12月から「ロー・シーズン」=17,000マイルで台湾行きが可能で、約1週間の滞在の条件で空席を捜した結果、12/3〜12/11ということになりました。
妻から「日程はお任せするけど、ホテルは前回の緑峯大飯店よりアップしてね」という注文が入り、「台北ナビ」で検索の結果、取り敢えず「富園国際商務飯店」を予約して、その後は急遽決定したイタリア旅行準備に専念(?)
イタリア旅行の余韻も消えた11月に入って詳細の詰め。まぁ、基本的にはのんびりとした“食い倒れ”の旅がイメージですが、今回は太魯閣に行ってみたい!ということで、台北〜花蓮(→太魯閣)へ。そのまま台北へ帰っても芸がないので、途中、礁溪(ジャオシー)という温泉町へ途中下車して、“湯ったり”しよう・・・と計画が固まりました。花蓮と礁溪のホテルは「台北ナビ」で調べて手配し、台湾鐵路局のHPから時刻表をダウンロードすると準備完了。
1日目・12月3日(木)
ANAは9:20成田発・・・ということで5時起きして日暮里経由・京成線特急で成田へ。(スーツケースは別途宅配便で手配)広いロビーには平日の朝っぱらなのに結構人がいます。機内に入ると業務出張と思しきビジネスマンが多く、85%ほどの込み具合
で、旅行記お約束事の(!)機内食チェック。和食(=シーフド)とポークのチョイス。当然というか、シーフードが売り切れですが、CAに無理を言って残り1個を確保。妻が食べ比べた結果は「ポークの勝ちよ!」。「和」の鰆(=さわら)が生臭くてどうにもいけません。
(和食) (ポーク) (帰りのポーク)
ついでに帰りは「チキン」と「ポーク」。台湾は豚肉が美味しいので、二人ともポークを選択。ところがこれが大ハズレ! 硬くてパサパサのポークで、ご飯はペシャペシャ。およそ今まで食べた機内食で最低の内容。妻は家に帰って「胸焼けがおさまらない!」とこぼしてました。ANAさん、しっかりしてよ!ハワイ路線だと美味しいんだけどなぁ・・・・
〜〜そんなこんなで、個別ビデオで「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」を見ているうちに(・・・ポッター役のダニエル・ラドクリフも大人に差し掛かって、もうかなり無理筋ですな!) ほぼ定刻で桃園国際機場へ無事到着。
この季節らしく空はどんよりと曇って、東京と同じように肌寒い。國光客運芭士(バス)で台北駅へ(125元)。道行く台北の人々は寒がりで(!)、既に完全な冬の装いです。
順調に高速を走って40分ほどで台北駅へ到着すると、先ずは12/7(月)の花蓮行きの火車(=汽車)のキップの手配。「着座(=これは私の造語?) 全票(=大人) 2帳(=席)」と書いた紙を窓口へ差し出します。5日先の平日だから大丈夫だろうと思っていましたが、意外や、第一希望の「太魯閣号」も、次の便も満席とのことで、結局第3希望でようやく指定席をゲット。
台北駅からタクシー5分でMRT西門駅近くにある富園国際商務飯店へ。正面扉を開くと、「朋有り遠方より来る 亦楽しからずや」と彫りこんだガラス製の大きな額が置いてあります。日本人熱烈歓迎ということでしょうか?気に入りました!
このホテルは部屋数50室くらいのこじんまりとしたビジネスホテル。部屋に入ると、ちょっと狭いのが難点ですが、浴槽が真新しくてきれい。話は前後しますが、夜バスタブに浸かってみると、浴槽の頭部分がへこんでおり、そのへこみに頭を乗せるといい按配で、あたかも「寝湯」の状態になり、大いにリラックスできます。5方面から湯が出てくるマルチシャワーも面白く、お風呂に入るのが楽しくなってきます。
全室ウオシュレットを完備しており、寝間着にスリッパ(毎日取り替え)も用意され、8階(最上階)の小部屋には無料で使用できる洗濯機&乾燥機(プラス洗剤)まであり・・・、と、“痒いところまで手のとどく”気配り満点のホテルといえましょう。
405号室は大通りに面していますが、大通りとホテルの間に10mほどの広い歩道があるため、夜の騒音は殆ど気になりませんでした。
テーブルには「ままごと」のような茶器セットが置いてあり、傍らに用意された烏龍茶葉をティファールのポットで沸かしたお湯に注いで「茶事」のまねごと。小さな「おちょこ」で熱燗を啜るようなもんですな。
お茶で一息つき、荷解きを終えると、街へ繰り出します。MRT「西門」駅までは徒歩7分くらい。窓口で悠遊カードを500元で購入。これはSUICAのようなもので、SUICAより優れているのは、MRTと市バス共通で、しかも料金が2割引きになるという点です。台湾のバス料金は例えば32元とか細かくて、しかもお釣りが出ませんから、小銭(特に1元コイン)を用意してないといけませんが、この悠遊カードを使用するとその煩わしさからも開放されます。
足りなくなるとチャージが出来るし、しかも5回以上使用すると、残金は20元の発行手数料を差し引いてリファンドしてくれますから、言うことなしの“優れもの”です。台湾の交通システムにおけるIT革命は侮れません!
で、悠遊カードを手にMRTに乗り込むと、台北で淡水線に乗り換え中山駅で下車し、向かった先は、温理沙奈理美容店(=ウインザー)。前回で妻のお気に入りとなったマッサージ店です。
まだ宵前の4時過ぎとあって、直ぐに部屋に案内されます。此処は今までマッサージ嬢(=おばさん)にハズレはありませんが、今回のおばさんは特に相性がよろしいようで、90分の至福の時間です。妻もいたく御満悦の様子で、二人してほにゃらら状態になりました。
体が軽くなったところで、最初の夕食はもちろん近くの京鼎樓。小菜(=昆布と固豆腐の煮物、ピータン豆腐)で台湾麦酒をグビッ。そしてお目当ての小籠包。これは一人1蒸篭(=10個)をペロリ。相変わらずの美味しさで堪りません!たかが小籠包、されど小籠包です。〆めは、豚肉&ザーサイ麺。アッサリ味です。
帰りは、台北駅で途中下車し、駅ビル2階の微風広場へ足を運びます。此処が初めての妻は「食のテーマパーク」とでもいうべき様相に目をパチクリ。歩き回っているうちに「お腹が軽くなったワ!」ということでスイーツの店へ入り、紅豆(=あずき)豆花を頂戴します。
2日目・12月4日(金)
8時過ぎに目覚めて、遮光性の良いカーテンを開くと、快晴です。気分よく身支度を整えてB1の食堂へ。4種類のおかず、生野菜、おかゆ(&副菜)、ご飯、饅頭、パン、スープ、フルーツ、ドリンク・・・品数は多くありませんが、おかずやフルーツは日替わりで、調理のおばさんの丁寧な仕事ぶりに好ましさを感じました。
朝から満腹になって、さぁ、何処へ出かけましょうか?。先ずは故宮博物館ということですが、その前に士林官邸で菊花展が開催されているということなので、士林駅から徒歩5分の官邸へ向かいます。
門前に飾り菊が鮮やかです。既に大勢の台北市民が見物に訪れています。しばし景観を楽しんだあと、正面ゲートから中に入ります。椰子の並木道が南国ムードを漂わせています。
因みに、ここは日本時代は農事試験場だったそうです。蒋介石が南京から落ち延びて台湾に上陸した際にここを自身の公邸にしたということで、爾来、彼と愛妻・宋美齢の住まいとなり、ゲストハウスも設けられ、アイゼンハワーやニクソンも訪れたそうです。蒋介石はここで波乱の生涯を終え、宋美齢はその後ニューヨークのアパートへ移り、再び台湾の土を踏むことはありませんでした。
国民党政権時代は周囲を厳重な警戒で固めていましたが、陳水扁(前総統)が台北県知事時代にここを市民の憩いの場として開放したということです。
中に入ると、いやぁ広い広い!菊祭りということで、あちこちに市民芸人のパフォーマンスがくり広げられています。そして至るところに様々な菊の花が展示されています。11月はじめに新宿御苑の見事な菊花を堪能しましたが、それには及ばないにしても懸崖など見事な出来栄えに感心しました。
(こんな変り種の菊もあります!)
(コスモスもひまわりもあります!)
天気もいいし、せっかくですから広い庭園内を散策すると(宋美齢が愛したバラ園などもあります)アッという間に2時間以上が過ぎてしまいました。いやぁ、とにかく広いです。
大急ぎで士林駅に戻り、バスで故宮へ向かいます。1時を回っていましたので、先ずは腹ごしらえ。1年前も訪れた故宮晶華へ。今回は並ぶことなく窓側の席へ。日本語メニューも用意されていました。早速、飲茶を注文します。
(海老水晶餃子)
(湯葉春巻き) (カニ味噌シュウマイ) (ニラ饅頭)
(大根餅) (海老腸扮・・・これで1/2分です)
以上6品で968元(≒2,800円)。飲茶の店はお茶は有料ですが、「お代り」を頼んだら、お湯を注いだだけで2回分(100元)とられたのは業腹でした。でも、ハワイのチャイナタウンを含めて、飲茶としては(このあとの花蓮や台北・吉星港式飲茶と比べても)今までで一番美味しゅうございました。
オッと、2時を回っています!大急ぎで博物館へ。今日も世界中から大勢の見物客が押し寄せています。入場料は160元。音声ガイドは100元・・・これを借りるにはパスポートを預けなければなりません。相変わらず人だかりが出来ている「白菜」と「肉石」を除いては、1年前とかなり展示が変わっていました。
今回のメダマ〜は康熙帝〜雍正帝〜乾隆帝の清朝最盛期のお宝の展示。雍正帝の威風堂々たる肖像画は見事。特にこの3代の皇帝に仕えたイエズス会のイタリア人宣教師にして卓越した画家でもあったジョゼッペ・カスティリオーネ(1688〜1766)=中国名・郎世寧=の巨大な馬群の絵(=横10mくらいあります!)や白鷹青松図は、西洋画法と中国山水画の技法をミックスさせて、特にその立体感が圧巻でした。
また、雍正帝がお抱え絵師に描かせた後宮美人図の背景にある置物(明朝時代のもの)が現実に展示されているのには驚きました。(満州族も前の漢民族王朝・明の文物を大切に収納したのですね!)
(百駿図・部分)
(雍正帝)
現在は全館撮影禁止ですが、7年ほど前に撮影した故宮の至宝の工芸品の一部を御参考までに。
(これ等は今回も展示されてました)
アッという間に3時間が経過し、閉館の時間(5時)となりました。バス停に行くと、博物館の後方は文教地区とあって、学校帰りの女子高校生でいっぱい。いやピーチクパーチクと騒がしいこと。何とか乗り込んでMRT士林駅へ。
(妻)「今夜の食事はどうするの?」 (私)「じゃあ、鍋にしようか!」 ・・・というわけで、民権西路駅からタクシーで5分の天外天へ。此処は食べ放題(時間無制限)の鍋屋として若者たちに人気随一の店だとか。6時前ですが、9割がたの席が埋まってワイワイガヤガヤ。
“なんでもアリーナ”と私が勝手に名づけたコーナーへ行くと、肉(牛・豚・羊)、魚介類(エビ・カニ・イカ・タコ・ハマグリ・マテ貝)、加工品(餃子・肉団子・魚丸)、野菜、大豆加工品等々がズラリと並んでいます。ソフトドリンクも飲み放題、盛りだくさんのフルーツ(この時期はマンゴーが無いのが残念!)、そしてハーゲンダッツアイスクリームも食べ放題!お腹パンパンになって一人1,500円とはオドロキでした。(調子に乗って食べ過ぎて、夜中まで苦しかったです)
3日目・12月5日(土)
今日は少し雲が多いかな? 本日は妻のリクエストで、平渓線に乗って十分へ。「台北もいいんだけど、排気ガスが堪らないワ。もう少し空気のきれいな所へ行きたいの!」という次第。07年に訪れた“台湾のナイアガラ”=十分爆布=周辺の緑濃いエリアがいい!とのご指名です。
台北駅から自強号(特急)に乗り、八「土者」で平渓線に乗り換え。十分で降りて、前回とは異なる緑豊かな田舎道をテクテクと歩きます。
(天灯祭りのときはこんな景色が!)
(第一のつり橋) (小瀑布) (第二のつり橋)
橋を渡ると真新しい観光案内所がありました。その脇のつり橋を渡ると、小爆布があります。更につり橋を渡って、線路沿いに進むと遊園地=“ナイアガラ”の入り口が・・・ところが門が堅く閉ざされて台北市政府の差し押さえ張り紙がありました。周囲は真新しい有刺鉄線で囲まれて入る術がありません。
なんでも11月に此処を経営する会社が倒産したようです。残念!仕方が無いので、少し歩いて、隙間から滝の一部を垣間見て、公園に戻り、持参の昼食(=コンビニで買ったサンドイッチとオニギリ)を食べてホッと一息。向こうの川岸で釣り糸を垂れテいたおじさんが、20cmほどの川魚を釣りあげてニッコリしてました。
(線路を歩いて滝のほうへ) (フェンス越しに垣間見た滝) (本当はこの全貌を見たかったのに・・・)
(魚を釣り上げたおじさん) (元気なお爺さんと)
〜〜ホテル近づくと、一軒奥のビルの前に人だかりが出来てます。はて、一体なんぞや?と行ってみれば、皇家帝国という物々しい名前の鍋バイキングの店。“じゃあ、今夜はここにすっか?”ということで、部屋に戻って小休止のあと、店へ。週末とあって予約客で一杯。何とか頼み込んで席を用意してもらいました。
ここも昨夜の天外天と同じシステム。“なんでもアリーナ”にあらゆる食材がそろっています。ここの“ウリ”は牛肉が“アンガスビーフ”。確かに天外天の“黒毛牛”(?)より美味しいし、他の食材もよかったです。いやぁ、冬の台北は“鍋バイキング”に限ります。但し、問題はついつい食べ過ぎて、夜中に苦しくて目が覚めることです。
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