4月27日(日)

 7時前に起床。カーテンを開けると、本日も好天気。==じつは出発前にワールド天気予報を調べると、ヤフー以外は全て 「日曜日から曇り時々雷雨」 との予報で(ヤフーは世界中いつでも晴れマークばかり)、些か心配のタネであったのです。実際は乾季に入ったこの時期は“早出し”の台風でもないかぎり、穏やかな晴れの天気が続くということらしい。==

 テニアン行きの荷物(主にシュノーケル用品)をデイバッグに詰め込むと、1階に降りて腹ごしらえ。この時間ではまだ(昨夕見たような)弁当類は出来ていないが、4種類のスープが電気ポットに温められている。「大」カップ$1.50、「小」$1.00・・・「小」でもカップヌードルくらいの大きさはあるので充分な量。4種類の中から「クラムチャウダー」を選び、次に焼き上がり調理パンの中から「チリドッグ」($1.50)を取って、隣のイートイン・コーナーで朝食にする。クラムチャウダーは野菜たっぷり、細切れの(?)アサリもしっかり入っており、b級フードとしてはなかなかイケます。合計$2.50でお腹いっぱい。外に出る手間もかからず、これはこのお宿の利点であります。

 8時過ぎには宿を出てハファダイホテルに向かう。現地ツアーは基本的には「ホテル送迎」であるが、我が宿のようなミニホテルまでは迎えに来てくれず、一番近いハファダイが送迎指定場所なのである(トホホ・・・) 

8:40定刻に大型バスがやってきて数人が乗り込む。このあとフィエスタ〜ハイアットと廻って、合計20人ほどが船着場へ。後から韓国人ツアーの一行がドカドカとやってきて、総勢40人くらいの乗客となった。

 こんなローカルな地域でテロ行為を企てる愚か者はいないであろうが、船着場の警備は厳重で、進入口は3方フェンスでがっちりとガードしてあり、猫一匹入る隙も無い。(ネズミなら大丈夫です) そして搭乗にはなんとパスポートの提示が必要なのだ!

 やがてスルスルと、船が接岸。双胴のスマートなボディの高速艇である。「ホテル宿泊客は2階=一等室、日帰り客は1階=二等室へ」との説明であったが、日帰りのチケットを提示しても、船員は「2階へどうぞ」とのジェスチャーなので遠慮なく上へ。室内は清潔で、リクライニングの椅子もゆったりとして快適であるが、窓は半透明樹脂がはめ込まれており、眺望度はゼロに近い。出港すると安全確保の理由でデッキには出られないので、島影とマリンブルーの景色を楽しむことは出来ないのが残念。(時折、出口の小窓から覗いてました・・・)

   

   

  50分ほどの船旅、全員船酔いを忌避すべく大人しく椅子に寝そべって到着を待つ。私は念のため酔い止め薬を飲んでおいたが、心配したほどの揺れも無く、10時半近くにテニアン港へ入港。(こちらもガードは厳重で、全員が降りると、ガードフェンスはピタリと施錠閉鎖されました。)

 

「即・島内観光組」を残して、大型バスでホテルへ直行。車窓から外を見やれば、周囲に建物はまばらで、人影も皆無。強烈な太陽の下、乾いた草叢と木立の静寂な景色が広がる〜〜。

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さて、この島テニアンは日本人にとって特別の因縁を持つ島でもある・・・それは、1945年8月6日==というから私が生まれて1ケ月と1日後のことでありました・・・。

・・・その日の深夜午前1時45分、漆黒の闇の中をB29=エノラゲイがA滑走路の端から爆音とともに離陸した。グアム島第20航空軍司令部からの極秘指令に従い、機内には作戦指揮官ウイリアム・S・パーソンズ海軍大佐以下12人の搭乗員とともにMK−1原子爆弾リトルボーイが搭載されていた。

目標の広島までは7時間。 四国上空に差し掛かった頃、パーソンズはティベッツ機長等に「諸君、我々の運んでいる兵器は世界最初の原子爆弾である!」と告げる。  そして午前8時15分17秒、爆弾は投下され、広島相生橋近くの上空高度600米で核分裂爆発を起こし、一瞬にして周囲一帯はこの世の地獄と化した。

午後2時58分快晴のテニアンにリトルボーイは帰還。数百人の兵士に迎えられた12名は司令官から勲章を授与され、その夜の島は深夜まで盛大なパーティで賑わったという。戦争の常とはいえ、勝者と犠牲者のなんという対比であることか!

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現実に戻って〜〜しばらく走ると目の前に忽然とアーチ型にガラス張りのウイングを広げたような大型ホテルが現れる。ダイナスティホテルである。現地係員に案内されてロビーへ。黒御影石のフロアとロビー中央には巨大なシャンデリア。==いやはや鄙びた小島には場違いなほど豪華絢爛の構えではある。ロビー右手は吹き抜けのショッピングアーケードになっており、此処(だけは)はハワイ並みのリゾートムード一杯。

そして左手にはカジノがある。このツアーには、宿泊で$25、日帰りでも$10のカジノクーポンが付いているが、「クーポンと同額以上の使用が必要」ということで、これは巧妙且つ結構なショーバイ。

   

係員の説明が終わると、“何にも無し日帰りコース”の客はほんの数人のみとなった。「3:50には必ずロビーに集合してくださいネ!」との忠告を背中に聞いて、シュノーケルのみが目的の私はそそくさとビーチへ向かう。

ホテル玄関を出て、5〜6分歩くと、タガビーチ。その昔、王族専用であったという岩場の下の小さなビーチ。満潮時には海中に没してしまうという、猫の額ほどの“砂場”である。

以前ポカリスエットのコマーシャルで岩場から海に飛び込むシーンが此処で撮影されたという岩場に立つと、 “これがテニアンブルーだ!”という島随一の絶景ポイントということであるが、本日は光の加減のせいか、想像していた“目にも鮮やかなテニアンブルー”とはちょっと違いました。それでも、足元の澄み切った“限りなく透明に近いブルー”から遠くのマリンブルーへのグラデーションは、なるほど気分爽快な光景であります。

   

取り敢えず辺りの景色をカメラに収めると、海岸沿いの道を5分ほど歩いてタチョンガビーチへ。こちらは白い砂浜の広々としたビーチ。見渡しても格別の「個性」の無い平凡なビーチであるが、ここがシュノーケルには絶好のポイントということなのである!

浜辺に2軒の「海の家」がある。最初の小屋に入ると、金属製のロッカーがあったので、此処に“停泊”することに決める。イケメンのお兄ちゃん(日本人)が「ようこそ! ロッカーは3ドルです。更衣室もありますよ」 

ロッカーのカギは南京錠で開け閉め自由なのは有難い。(なにしろパスポート持参だから、がっちりガードしておかないといけないのだ)

        

波も無く静かな絶好のシュノーケル日和。ラッシュガードを着込み、マリンブーツを履いて海中へ。シリコン製のマスクは水の遮断性がよく、中に装着した度付きレンズで視界も良好。砂地になったところの海中で持参の「撒き餌@」=パン切れをビニール袋から取り出すと、忽ち体長20pくらいのベラや薄ピンク色の魚が群がってきた。数匹が手にした小袋に突進してくるので悠長に餌付けをすることが出来ないくらいで、1回目の撒き餌はアッという間に終了。

小袋をポケットに仕舞う(=せめてもの環境対策)と、次は左手のサンゴの多い岩場へ向かう。しばらく回遊していると、とある箇所で、薄黄色に黒い縦縞模様の魚と黒いビロードのような肌合いの魚がそれぞれ100匹くらい群れをなしてしきりと珊瑚を突っついている処に出くわした。ビーチシュノーケルでこんな大群に遭遇したのは初めての体験で、”ワオーッ!”と興奮&感動(!)しながら暫し見とれていました。(今回「水中・写るんです」を持参していないので、写真でこのシーンをお見せできないのが残念です!)

ある程度のところで切り上げて小屋に戻ると昼時になっていた。イケメン兄ちゃんが「弁当取りましょうか?」と聞いてくれるが、弁当を摂ると1時間近くの休憩(=タイムロス)になるので断って、持参の黒糖かりんとうと「お〜いお茶」でエネルギー補給(?)をすると、次はタガビーチへ。

真っ昼間とあって、周囲には誰もいない! 岩場から砂浜(?)に“エイヤッ”と飛び降りると、先ずは海で一泳ぎ。昔は王族専用ビーチであったというが、本日ただ今は“私専用のビーチ”。本当にクリアなターコイズブルーの海を独り占めの贅沢で、ジツに気分爽快であります。

ひとしきり水と戯れた後は・・・飛び降りた岩場をよじ登って戻るのもやっかいそうである。あらためて水に浮かんでみると、潮流はタチョンガビーチの方へ流れている。そこでシュノーケルしながらタチョンガビーチまで泳いで行こうと決める。岩場に挟んでおいた「撒き餌A」(=フィッシュソーセージを刻んだもの。今朝起きて、ナイフで細かく刻んでクーラーバッグに入れて持参しました→→用意周到デス!)の入ったポリ袋を取ると、珊瑚が生えた岩場ゾーンへと漂い出す。

色とりどりで種類は豊富ながら、数センチ程度の小魚が多く、ソーセージのほうが(パンよりも)意外にも食いつきが悪い。それで大集団に囲まれるという期待のシーンの現出には至らなかったが、そこそこの魚影を楽しみつつ、潮流に乗って漂いながら30分程度でタチョンガビーチに帰還。これで「両方のビーチで泳ぐ!」という今回の旅行の目標を達成し、しばし自己満足に浸る。

少し休憩。小屋の中にいると、日焼けしなくていいが、体温が上昇しないので、外に出て辺りのビーチをぶらぶらと散策。以前は公共のシャワーや脱衣場施設があったようであるが,今やそれらは“廃墟”と化しており(・・・ということは、以前はもう少し日本人観光客で賑わったということか?)、代わって最近有料のシャワー(1回50セント)が設置されている。

小屋のイケメン兄ちゃんによると「向かって右手の岩場(=タガビーチに近いほう)が、魚が多いよ」というので、(さっきはそれほどいなかったけどなぁ?・・・)、再度撒き餌(=パン切れ)袋を持って「オススめ」のエリアへ向かう。午前中左手岩場で見たような大群は見当たらない。それでも撒き餌をすると結構集まってきて、水面近くには小ぶりのサヨリが廻りだした。青く透明なサヨリの姿はとても綺麗だが、水面近くを見続けると首が疲れるのが難点である。

上がって時計を見ると、3時前になった。ビーチシュノーケルはこれにて終了し、ホテルへと戻る。途中上空に黒雲が懸かったかと思うと忽ち大粒の雨(=スコール襲来!)。近くのビーチ丘沿いのレストハウスに駆け込んだが、ものの3分で雲は去り、去ったかと思うと忽ち強烈な日差しが戻ってきた。

本日のツアーにはホテルのジム&プールの利用券が付いているので、残り40分ほどをプールで一泳ぎしようという魂胆。庭いっぱいに広がったドデカいプール。“泳いでも泳いでも泳ぎきれない!”といった感じのとてつもない広さである。(あとでツアー会社の担当者に聞くと、中国人のホテルオーナーはとにかくデカイものが好きで、普通此の種のリゾートホテルは、スペアの目的もあって2個のプールを設置するものだが、オーナーは“ひとつ大きいのにしちまえっ!”ということで、こんなでっかいプールになったそうな) 炎天下とあって、白人客と私の二人のみでこの巨大プールを独占(複占か?)してこれまた贅沢なひと時でした。

   

シャワーを浴び着替えて、指定時刻(3:55)丁度に集合場所のロビーへ戻る。10人強がバスで空港へ。(=往きは船、帰りは軽飛行機というのが今回のツアーなのです)   その昔、原爆搭載機・エノラゲイが飛び立った(であろう?)空港は、こじんまりではあるが、近代的なコンクリートの建物があり、室内は冷房も効いている。

   

(現地ガイド)「セスナは機長のほか6人乗りです。事前に申告していただいた体重で計算して乗ってもらいますので、どなたが先になるかは向こうの指示次第です。1グラムでもオーバーすると、次の便まで待ってもらうことになります。従って出発時間は不定ですが、焦らずゆっくりお待ちください。」

(客の一人)「あらっ、バッグの中の衣類が水にぬれてずいぶんと重くなっているんですが、大丈夫かしら?」

(現地ガイド)「重そうな表情をしないで、持っていってください」

・・・じゃあ、1グラムでもオーバーしたらという説明はなんなの?・・・

〜〜20分ほど待ったところで、質問した母娘と、若いカップル(この二人は軽量組)、そして私ともう一人の男性二       人(こちらはミドル級)が“第一フライト”に指名された。

(現地ガイド)「男性3人は真ん中の席、女性お二人は後ろ、そして貴女(=カップルの相方)は本日のラッキー賞です!

(彼女)    「エッ、どうして?」

《現地ガイド》「貴女にはパイロットの横、副操縦士席に座ってもらいます!」 (ところが、これが後でトンデモナイことに!・・・)

〜〜というわけで、待合室から外に出ると==おもちゃのようなセスナ機が待っていた。陽気なパイロットに指 示されて、先ず

3人がミシミシと主翼を踏み越えて機内に入る。キツキツで“押しくら饅頭”、いや.、団子3兄弟 状態か?!

   

最後にパイロット横に滑り込んだ女性がドアを閉めようとすると、(パイロット)「ノー、閉めると暑いので開けて

おいてください」と。 (彼女) 「エェッ!?冗談でしょう!」

ところが、彼女の横の扉を半開きにしたまま、セスナ機は滑走路に向かって動き出したではありませんか!

彼女は当然扉を閉めようとすると、パイロットは「ノー!」。 そして滑走路に入ると、機体はスピードを上げ始めました。慌てて彼女がドアを閉めると、パイロットは「オープンのままにしてください」と、自らドアを押し開きます。

彼女は「エッ、ウソでしょう !」と表情が凍りつき、我々も「まさか?そんなバカな!」と顔から笑みが消えました。

 轟音を上げながら滑走路を驀進した機体が離陸寸前に、パイロットは右手を伸ばしてヒョイとドアを閉じました。いやぁ、ホントにスリルとサスペンスいっぱいのテイクオフです。上空に舞い上がるとテニアンの(密林というよりも)潅木地帯が後ろに遠ざかっていきます。さらば、テニアン!

   

 同時に目の前にサイパン空港が見えてきました。ぐんぐんと滑走路が大きくなったかと思うと、アッという間に何の衝撃も無くソフトランディング。「ナイスランディング、グッドジョブ!」と言うと、パイロットはニッコリ。本日は快晴無風とあって快適な(!)10分少々の“空の旅”でした。( しかし荒れ模様のときは本当にハラハラドキドキでしょうなぁ・・・)

     

5時過ぎにホテルへ戻り、シャワーを浴びてさっぱりすると,黒かりんとうと水しか補給されていないお腹が訴えています。さて、晩飯は〜〜、やっぱりハイアットへ行こう!と決めます。(せっかくリゾートに来たのだから、夜はそれらしく!・・・ということです)

 夕暮れの道をテクテクと歩いて(日ごろウオーキングで鍛えていますから、少々の道のりはへっちゃらです)

ハイアットのロビーを抜けビーチに出ると、デッキチェアーに寝そべってサンセットショーを楽しむ。今日は雲が少なく、真っ赤な夕日が海に沈む様子を見ることが出来て満足満足。

     

ガーデンを戻って、オープンテラスになった「キリカフェ」へ。ここは日替わりのブッフェがメイン(一人旅にはブッフェが一番!)で、ビール(又はティー)のフリードリンクが付いて$33と、ハイアットにしてはお値打ち料金。日曜日は「ワールド・ブッフェ」ということで,1週間のうちで一番内容が充実している(多分!)。

 先ずはビールを頼むと、スーパードライがグラスに注がれる。“グビッ、プハーッ!”・・・テニアンの綺麗な海を思い出しながらご機嫌の一杯。

 奥のテラスからバーベキューの香ばしいにおいが漂ってくるが、それは後回しとして、メインダイニングに入ると、砕いた氷の上に生牡蠣が盛ってあった。早速大皿に並べてレモンを絞りかけてちゅるり!やや小振りで芳醇とまではいきませんが、新鮮で美味しい。ビール片手に殻の山が築かれていきます。 サラダで小休止した後は、バーベキューコーナーへ。骨付きスペアリブ、白身魚、ソーセージ、野菜を盛り合わせて、これまたビールが進みます。

   

  途中で女性ボーカルとトリオ演奏による生バンドがスタート。雰囲気的にはハワイアンといったところですが、ここはハワイではなくサイパンなので、曲目はスタンダードナンバー。ボーカルは声量は無いものの、ソフトになんでも器用に歌いこなしていきます。フルーツ、ケーキ、アイスクリームまで行ったころには日もとっぷりと暮れておりました。せっかく昼間スリムになったボディがメタボに逆戻りです。

(またまた登場!変なおじさん)

 ロビーで酔いをさましていると、DFSのシャトルバスが来たので、利用させていただいてDFSへ。同乗していたカップルがバスを降りてそのまま去ろうとすると、ガードマンに呼び止められます。利用したからには一度は館内に入らないといけないのです。(見るだけでもOKで、別に買い物をしなくてもいいので、公共バスのないサイパンで、このDFSのシャトルバスは観光客にとってジツに有難いサービスといえます。今後も頑張ってネ!)

    

              (殆んどオヤジギャグの“サイパンダ”)   (チョコ売り場にはカメハメハ大王のコスプレが!)

 広いDFS内をぐるりと一回りしてから、暗い夜道を歩いてホテルへ戻ります。途中結構激しいスコールがきましたが、5分程度の雨宿りで止んだのでホッ!。 部屋に戻って風呂から出ると、昼間の疲れがドッと出てバッタンキュー。(へとへとになるのが、エアコンの騒音対策として最も効果的です)

 

4月28日(月)

 引き続き快晴の朝で、機嫌よく1階のイートイン・コーナーで朝食を済ませる(今朝は、ハム・チーズ&コーンパンと、昨朝トライして“お気に入り”となったクラムチャウダー)。

 今回の旅は“スノーケル三昧”ということで、本日はマニャガハ島へ。私にとって“サイパンといえばマニャガハ島”なのである。食後、陳列ケースの中から昼飯用にと“お稲荷さん”を購入して部屋に戻り、準備をすると今朝もハファダイホテルへ向かう。朝から日差しが強い! 

ホテルのビーチからマニャガハ行きのボートが出ており、往復$20で送迎してくれる。一便は9時出発。(向こうでのんびり過ごそうと、島出発は3時半でリクエスト)

10数人の客が乗り込むと、ボートはリーフの中を波を蹴立てて進んでいきます。素っ通しの甲板なので、朝の潮風が心地よいが、海上から本島の景色に見とれて油断してると、時折飛沫(しぶき)を浴びる羽目になります。

20分で島に到着。桟橋に上がると検問所があり入島税$5を払って島内に入る。白砂(青松ならぬ)緑椰子。海岸はゴミひとツ無くクリーンで、海の水も10数年前と変わらずにクリアで透明度が高い。毎日大勢の観光客が押し寄せるにも拘わらず、このクリーン度の保持は驚異的であり、全島国立公園としての管理が行き届いていることの証拠。5ドルの徴収も納得である。

    

 相前後して港からの大型線が到着し、大勢の観光客がドッと上陸。ガヤガヤとにぎやかなのは韓国人ツアー客。木陰の“居留地”を確保しようと、しばし静かなる競争が展開される。私も南洋松の木立の下に適当な場所を確保してビーチシートを広げ小石で風防止を整えると、カメラ片手に、先ずは島の“探検”へ出掛ける。

桟橋を中心にした左右一帯は綺麗な白砂のビーチだが、反対側(本島の向かい側)へ廻ると、溶岩が浸食されたような黒いゴツゴツした岩場に変わる。ガイドブックには「小さな島で20分足らずで一周できます」とあるが、岩場の波打ち際を、倒木を越えたり、滑らないように用心して進むと50分ほどを費やして“サークルアイランド”が完了。

   

   

 さぁ、シュノーケルへ!・・・管理が徹底しているので、桟橋近くの一角をブイで囲んであり、ここが指定シュノーケルエリア。潜ってみると、いろんな種類の小魚が泳いでいます。老若男女が手軽に楽しめて、これがこの島の変わらぬ人気の秘訣なのでしょう。もっともブイで囲まれたエリアは生け簀のような狭さで、少しでもブイを超えて沖に出ると忽ち監視塔から警告が飛ばされます。指定エリアの少し先はさんご礁がドロップしていますが危険などはちっともなさそうで、そのあたりに少し大型の魚がいそうな様子で、「もうちょっとエリアを拡げてくれんかのう!」と、文句のひとつも言いたくなります。

ところが、指定エリアを少し離れて右手奥へ行くと、そちらは管理外でなにをしようと自由なのです。「ノーガード」の掲示が出ており、「自己責任でやってください!」ということでしょう。そして、この一帯はコリアンエリアになっており、韓国人ツアー客が集団になってシュノーケルレッスンを受けています。普通の日本人観光客は近づきません。しかし、こちらも結構珊瑚群があって、魚が多く、或る意味では指定区域よりも絶好のシュノーケル・ポイントなのです。

昼近くになったので木陰で持参のお稲荷さんでランチタイム。眼の前では大きな白人が二人、差し向かいでウイスキーをグビグビ飲(や)ってます。ハワイと違ってサイパンのビーチはアルコールがOKなんですねぇ!。

(この二人、あまりに仲が良さそうなので、ホモだちかと思ったら、近くに彼らの子供が遊んでました・・・)

 午後は桟橋をはさんで指定区域とは反対側のビーチへ行ってみます。こちらも白砂の綺麗なビーチですが、人影は全くありません。でも木陰に休憩用のテラスがあるから遊泳しても大丈夫でしょう。

         

 対岸にサイパン本島を望んで、白砂の透明な海に浸ります。リーフの中にあるせいか、サイパンの海は水温が高く、長い間浸かっていても体が冷えることなく快適です。豊かな海を全身で実感します。次にマスクをつけてもぐってみます。薄黒く見える部分が岩場で、サンゴも生育しており、結構小魚がいます。少し進むと、テニアンでも見た黄色い肌(?)に縦縞の魚が30〜40匹群れになって遊んで(?)いるのが見つかりました。珊瑚から珊瑚へと移る群れを追って暫しの間楽しむことが出来ました。

 島で6時間の滞在は時間を持て余すかなぁ?と聊か心配でありましたが、こうやって遊んでいるうちにアッという間に時間が経過し、3時を過ぎました。シャワーを浴びまだまだ強い日差しの中を桟橋に戻り、ちゃんと定刻に接岸したボートでハファダイホテルのビーチへと戻ります。ホテルには二つプールがあり、楕円形をした大きいほうは、長径25mはあります。折角ですから(!)ゆったりと10往復ほど泳いでスッキリします。

 てくてくとホテルへ戻り、シャワーを浴びたら、さて晩飯はどうしよう?・・・結局薬局またまたハイアットの「キリカフェ」へと足は向かいます。今夕は浜辺に向かわず、テラス席に座ってバドワイザー(=ビールの銘柄は日替わりで1種類のみデス!)を飲みながらサンセットを眺めます。

本日は“シーフードブッフェ”。メバチマグロの刺身、大海老・イカ・ムール貝・白身魚などのバーベキュー、カニと卵のスープ等が主なメニューで、昨夜のほうがレベルが上だったなぁ・・・結局3日3晩ともハイアットで済ませてしまいました。

 

4月29日(火)

 アッという間に最後の朝となりました。今日も快晴です。レイトチェックアウト(=14:30)にしたので午前中たっぷりと時間があります。DFSのシャトルバスを利用してアクアリゾートホテル→アチュガオビーチ辺りへ出掛けてみようかとも思案しましたが、初めての場所だけに時間の計算が外れたら難儀なことになるしなぁ・・・と躊躇。それで安直路線でもう一度マニャガハ島へ行くことにしました。

 例によってハファダイホテルのビーチへ。受付小屋に行くとチャモロのおじさんが「○○サン、マタキタノ ?」と。このおやじ、なかなかクレバーで、昨日1回で私の名前と滞在ホテルを記憶してます。=受付票に自分でサッサッと書き込んで、「部屋番号は?」ときたもんだ。尤もホテル滞在客以外で、ここまで乗船に来る客は滅多にいないかもしれないが・・・。

 島に上がると昨日と同じ木陰にシートを広げます。前にいたおば(あ)さんが「あの〜テニアンに行かれませんでしたか?」、「はぁ・・・?、ええ、行きましたが・・・??」 よく見ると、一昨日テニアン行きの船で隣に座っていた老夫婦です。(ご亭主=70歳、妻=65歳といったところでしょうか)

「私たちはダイナスティに1泊してきましたのよ」

「部屋はどうでしたか?」

「広くて、豪華でとても良かったですよ」

「それはよかったですね」 

・・・正月の台湾もそうでしたが、旅先での予想外の再会ってあるものなんですね。まさかこの年配のご夫婦が朝早くからマニャガハへ来てようとはビックリです。ご亭主はシュノーケルセット片手にいそいそと波打ち際へと出掛けていきました。還暦過ぎてシュノーケルに興じるのは私ひとりでもないんだ!・・・それにしても元気なご夫婦です。

 私も〜〜先ずは昨日群落を見つけた左手のビーチへ。今日は「撒き餌」を持参しており(指定区域の“生簀”内は近年“えさまき”は禁止になったそうです)、フィッシュソーセージを撒いてみるがそれほど反応しないし、今日は昨日のような群落も見かけない。

 適当なところで引き上げて、次は中央の指定区域でひと泳ぎ。ここは相変わらずほどほどの魚が泳いでいます。木陰で一休みした後、最後に右手のコリアンエリアへ。今日も大勢のツアー客がいます。ここでは「ちぎった食パン」を撒いてみます。アッという間に多くの魚が集まってきました。(ソーセージよりパンのほうが集客力があるということでしょうか?)20cmほどの細魚(さより)の集団もやってきて私の周りをぐるぐると周回しはじめました。フィナーレに相応しい賑やかなシーンとなり大満足です。

 桟橋近くの椰子の木陰でアサヒスーパードライ黒(・・・ホテルの売店で買っても、酒税の関係でしょうか、350mlで約140円と日本より安い!)を飲みながら帰りの船を待ちます。12時半という時間なので帰りの乗客は僅か6人。迎えにやってきたのはモーターボート(定員9人とか)で、乗り込むと猛スピードで海を飛ばしていきます。なんとも気分爽快。10分少々でハファダイのビーチに戻ってきました。

 さて、昼飯はどうしよう?〜〜DFSの裏通りにある、格安中華ランチで人気の「ダブルレストラン」へ行ってみます。いささか“くたびれた”建物で、「ランチ・7品で5.5ドル」という看板が出てます。 ドアを開けると日本人親子3人が食事をしており、チーパオを着た美人ママが、愛想よくオーダーを取りに来ます。(あんまり本筋と関係ない描写かな?)

 チンジャオロースーを注文。さて7品とは・・・メイン料理、千切りジャガイモ炒め、ライス、高菜漬物、スープ、杏仁豆腐、そしてアイスティー ・・・という按配で、なるほど確かに7品です。味も先ず先ずで$5.5はお値打ちといえましょう。

 部屋に戻ると1時半過ぎ。さぁ1時間足らずで、シャワーを浴びて、そして帰り支度。時間ぎりぎりまで行動していたので、当然の報いとはいえ、やっぱり慌ただしい。何とか間に合って、チェックアウトタイム=出発時間です。

 空港に着くと長蛇の列。人の流れが超スロー。厳しい荷物検査のせいですが、大型透視装置が導入されていないので、なんと、全てのスーツケースを開けて、人力でチェックしています。ゴルフバッグだと、クラブのカバーを外して11本チェックしてます!こりゃあ、時間がかかるワケです。

観光で成り立つ島なのに空港設備投資が出来ない・・・こんなところにもサイパン政府の厳しい財政状態が窺えます。グアムみたいに“身も心も”アメリカに捧げて、全て任せてしまえばいいのに!・・・と門外漢は思うのですが、「政府や議会関係者は反対なんです。利権とかいろんな思惑が絡んでるんでしょうねぇ・・・」とは、送ってくれた宿の人の話。

   

                 (離陸です)         (復路は3色弁当)   (日本に近づいて日没です)

〜〜こんな次第で、好天に恵まれ、10数年前と変わらぬ綺麗な海を堪能して、まことに結構な旅でした。

                                                                    (完)

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