2日目(4/30・日)(ウイーン〜チェスキークルムロフ〜プラハ)
窓を開けると、飛行機は黒海を渡り、ルーマニアの荒野を横切って飛んでいます。やがて雪を戴いた山も見えてきました。(下の写真ではもう一つ不鮮明ですが、まぁ、イメージしてみてください)
こうして“長い、長〜〜い”フライトを終えて、午前8時30分、予定より1時間遅れで、やっとこさウイーン到着です! う〜ん、雨が降ってます。
旅の良し悪しの70%は天候によりますが、今回ネットで「世界の天気予報を調べると、訪問地域は“雨または曇り”が多く心配でありましたが、果たせるかなの空模様で、前途多難の予感であります。
(雨に煙るウイーン上空と空港) (空港ロビー内)
(篠田)「バス乗り場は少し離れたビルにあります。スリがいますから、移動中身辺には気をつけてください。」機内アナウンスで「気温9℃」とか言っていたが、空港ビルの外へ出ると“オオッ、寒い!”氷雨のような冷たい雨の中を小走りでバス乗り場へと向かう。
待っていたのは大型バス1台で、40人が乗り込むと殆んど満席状態。床下の貨物収納スペースにスーツケースがなかなか収まりきらず、出発が遅れる。これだけの大所帯だと何かと大変だ。ケース数個を車内に移してようやく出発。
しばらく走ると郊外に出て、緑なす牧歌的な風景が広がる。風力発電の風車が目立つのは、丘陵地帯を吹き抜ける風が強いということなのか。遠くに大きな修道院らしき建物が見える。
なにしろロングドライブなので、2時間前後でトイレ休憩。適切なドライブイン(=ガソリンスタンンド)を掌握しておくのもドライバーの重要な役割の一つである。で、最初のトイレ休憩のドライブインに到着。
(篠田)「トイレは有料で、30〜50セント必要です。コインが必要な人は先ず小物を買ってユー札を崩してくださいネ」というわけで、全員バスを降り、買い物をして小銭を準備してから、トイレに殺到。喫煙者には格好の喫煙タイムでもある。(私はノースモーキング!)
(ドライブイン内には小奇麗なレストランもあります)
更に走って13:15、いよいよチェコとの国境に差し掛かる。先ずオーストリア側の出国検問ゲート・・・運転手が係官に説明しただけであっさりパス。数百メートル走ると次にチェコ側の入国ゲート。旧共産圏とあって、一瞬緊張するが、こちらも簡単に通過。国境地帯といっても検問ゲートのほかは、周りを見渡して別に有刺鉄線が張り巡らしてあるわけではなく、のどかな畑&草原が広がっているだけである。
(オーストリア出国ゲート) (国境中間地帯) (チェコ入国ゲート)
《警告》コラコラ、国境地帯で写真を撮ってはいけませんゾ!
チェコに入ると、バスを降りて両替所へ。ホテルやレストランではユーロやクレジットカードでOKであるが、ちょっとした支払い(=例えば、ミネラルウオーターを買う)とか、有料トイレには「コルナ」が必要なので、2日間の使用金額を想定して両替を済ます。(70ユーロ=1,868コルナ・・・手数料2%)なんと、日本円札→コルナの両替も可能なので、日本で円をユーロに沢山替えてくる必要はなかった。一定額以上の支払いにはクレジットカードが一番(中間手数料が少なくて)有利かもしれない。実際、帰国後カード支払い明細が来たところで比較してみたら、これが一番“オトク”であった。(べつに、私はカード会社の回し者ではありませんゾ!)
チェコに入ったあたりから雨が上がって、目指す北西方向は少し明るくなってきた。〜〜行けども行けども、のどかな田園風景が広がるだけで、時折小集落を通っても人影は殆んど見かけない。
道路沿いからはるか彼方まで続く広大な“緑のじゅうたん”は牧草地ということであるが、それにしては牛や馬の姿も全くといっていいほど見かけない。彼らはいったい何処にいるのか、なんとも不可思議である。(この後も含めて全行程中で、牛(馬)の姿を見たのは、チェコに入って間もなくの下の写真1回だけでした。・・・というわけで、↓これは貴重な写真なのです!?)
いくら走っても変わり映えのしない景色にいい加減飽いてきたころ(=従って、ここまでは記述も単調でスイマセン!)、トンガリ帽子の赤い屋根の群れが見えてきました。約5時間半走ってようやく最初の観光地チェスキークルムロフに到着。当初の説明では12:30の予定が14:00と1時間半の遅れです。それで観光は後回しで、先ずはレストランへと急ぐ。
(クルムロフの遠景) (レストラン・MASTALの入り口)(先ずはビール)
最初の食事のメニューは、こんなんもの。
左)ブロッコリーのスープ (中)マスの塩焼き (右)ベリーとカスタードのタルト
ビールは「ピルスナーの生」で、スッキリとして“のど越しさわやか”です。(500CCで45コルナ≒225円)ところが、スープがしょっぱくて、どうにもいただけません。それでも私は“もったいない”精神で飲み干しましたが、女房をはじめ女性陣は殆んどが残しておりました。それで一同サッサッと食事を済ますと観光へ。
此処クルムロフは、ヴァルタヴァ(モルダウ)川が大きくS字型に湾曲して流れ、その流れに抱かれたような街が中世そのままの雰囲気を醸し出しおり、1992年に世界遺産に登録された、世界で最も美しい街の一つと謂われているという。・・・ここで我々に許された観光時間は90分。さあ、どれだけ見て廻れるか、脚力と時間の勝負だ!
街の案内図・・・S字の流れの真ん中にお城があります)
なるほど中世の雰囲気を残した(尤も市庁舎が改築中でかなり雰囲気を損ねてますが!・・・)広場からお城の塔を目標に石畳の通りへ入り、橋を渡る。眼下のヴァルタヴァ川は大増水の名残をとどめて流れが速い。石段を上がると、13世紀に建てられたクルムロフ城に到着。
(広場) (塔を目指す) (橋から城を望む)
(城への石段) (城の全景) (城の渡り廊下?)
城内の塔へ上がると街全体が展望できるというので、愛嬌のある切符売りのおじさんに35(×2)コルナを払い、息を切らしながら急な階段を登る。
(大泉 晃を思い出させる・・・古いナァ!・・・切符売りのおじさんと、急な階段)
塔の屋上にでると、それは、それは言葉で表せないほどの素晴らしい景色が広がっていました。
でもいつまでもこの景色に浸っているわけにはいきません。篠田嬢が「城の奥の庭は花がいっぱいで綺麗ですよ」と言っていたので、行ってみよう!と、階段を降り、広場を抜け、「渡り廊下?」を過ぎて、城の奥へと進みます。
(左)城壁!と思いきや、立体的にペインティングした、一種の“騙し絵”です。
(中)“渡り廊下”の上にて
(右)ヴァルタヴァ川(モルダウ)の流れ
少し道に迷いながら、奥の院の庭園に到着。流石に一行で此処まで来たのはほんの数名です。尤も
オッといけない、残り時間が少なくなりました。仲間の女性二人組と競うようにして庭園を去り、にもかかわらず、腕時計を睨みながら途中異なった橋を1つ2つと寄り道して周辺を徘徊し、アタフタと集合場所へと戻りました。
“安い旅”の理由(わけ)は、飛行機だけではない。ホテルにもある。今回のホテルを事前にネットで調べてみると、どれも中心部から離れた郊外にあり、1室5千円程度と格安!。(まあ、ネットでホテル名が出てくるだけでも良しとしなければならないのかもしれないが・・・)
で、このホテルはアパート群の真っ只中にあり、ホテル自体が外観からすると、どうも「元公団アパート」を改造したような感じである。しかし中に入るとロビーはなかなかに豪華。商売繁盛でアパートを次々と繋いでは改造していったようで、迷路のような廊下を廻ってやっとこさで部屋にたどり着く。
(ちょっと豪華なロビー)(プールもあります)(室内は広い!)
(ゆったりのバスタブ) (プラハのサンセット)
ホテルでの夕食はブッフェ。篠田嬢に告げられたロビー近くの場所へ行くと「こちらは一杯なので、別の場所デ〜ス」ということで、又々迷路のような廊下を通ってほぼ反対側へ移動。途中トレーニングウエアなどのラフな格好をした大勢の地元高校生(大学生?)とすれ違う。(なんだか学生の合宿センターへ同宿したような感じ?)
反対側にも広いダイニングルームがある。肉・魚・チーズ・温野菜と一通りの料理が並べてあるが、どれをとってもマズイ。酢漬けキャベツが一番ウマイ!(まぁ、元共産圏だから仕方ないか!)
但し、ビールはイケます。チェコはドイツを凌いで“世界一のビール消費国”ということだが、それを納得させる爽やかな味とのど越しである。ここではバーカウンターで、黒ビールをサーバーからジョッキに注いでもらう。(500CCで、60コルナ=300円)
ここ数年、国内ではビールを敬遠していた女房も「のど越しがよくて美味しいワ!」と、昼間の“ほんの2クチ”から次第に酒量が増え、帰国前にはジョッキ1杯は軽々ということになっていった。
(あまり食べたいものがありません)
最初の夜、ゆったりした風呂もベッドも空調も何の問題もなく、郊外だけあって極めて静かでもあったのですが、冒頭書いたように珍しくも「時差」の影響か、なんか頭の中がグルグル廻っているような感じで、あまり良く眠れませんでした・・・。
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