第 二 部

/11(金)=出発前日

/5に出発した女房とHさんもワイキキライフを楽しんでいるようだし、今回は出発時に何の心配もないと思っていたら、2日前にロンドンで英―米便航空機テロ計画が摘発され、テロ対策レベルが一気に強化された。TVニュースでも、降って湧いたような突然の規制強化に混雑する空港ロビーや旅行客の困惑振りが映し出されている。

出発前日、仕事を追えて帰宅すると、旅行会社から「ノースウエストからのお知らせ」というファックスが届いていて「水、ジェル状のものは持ち込み禁止。出来れば、必要なもの以外なるべく機内持込は避けてください。空港には3時間前には到着してください」とある。今回利用の旅行会社「ひよこPEX」=「R&Cツアーズ」は、ファックス、eメール、更に電話と、全ての手段で連絡をとってくれて誠に丁寧な会社であるが、これは、それだけ大変なことになっているのかと、気の弱い私はビビッてしまう。

慌てて「モーハワイ」のサイトを開いてみると、「免税品の香水を没収された」、「風邪気味の子供の飲み薬もダメ」、「機内持込はパスポート、航空券、カード・現金類に限定され、透明なビニール袋に入れる」、「電子機器類は一切持ち込み禁止みたい」、「メガネケースもダメ」(←何故だ?)・・・といった書き込みが飛び交っている。

単に水類を機内持込しなければいいだけのことか!と気楽に構えていたが、どうもそうではないらしいぞ!。 帰りの買出し品用にかなり大きなキャリーケースを持ち込む予定だが、“買出し”そのものを断念しなければならないかな?と夜も眠れないくらい(!)思い悩むが、「まあ、外人さんは結構デカいケースを機内に持ち込んでるから、ノースウエストでもあるし、大丈夫だろう・・・」と腹をくくる(しかない!)

/12(土)=出発日

で、いよいよ当日。女房が出てしまった後だと出発前のハウスキーピングで何かと忙しい。早起きしても、いろいろとやってるうちに、アッという間に時間が過ぎる。

JR快速を利用だと、ダイヤの関係で、空港第1ターミナル到着が3時間前どころか4時間前になってしまうが、我が家で時間調整するより、涼しいVISAラウンジでのんびりするほうがいいかもと、早めに出ようとすると、それに合わせたかのように空が一転俄かに掻き曇り、雷鳴が轟いて、ザザーッと大粒の雨が降ってきたではないか!

いやはや、毎度旅の始まりはすんなりとはいかないのであります。少し様子見をしていたが、小降りになったところで“意を決して”!”家を出る。使い捨てビニール傘をさして機内持込用のキャリーケースをゴロゴロと引っ張って〜〜なんとも冴えない旅立ちの図ではあります。

駅につくと「上野駅に落雷があり、山手線がストップ」とのアナウンス。・・・京浜東北線でなくてよかった! まさに「リスクはいたるところに在り」というわけで、前途への戒めとする次第。(結局この午後、山手線は2時間ストップしたそうです!)

空港出発ロビーに入ると、果たせるかなNWのカウンターは長蛇の列。もっともこれは後で分かったことだが、夕刻時間帯にNWは成田から北京、ソウル、マニラ、グアム等多くの便が出発するが、そこにハワイ便の客が前倒しで押しかけ、しかも全員一纏めで並ばせている為に長蛇の列になったというわけ。(テロ対策のせいというよりも、NWの手際の悪さのせいだゾ!)私は座席も手配済みでもあり覚悟を決めての余裕の行列並びであったが、時間の切迫したアジア組はイライラし通しで、見ていて気の毒であった。

結局チェックイン迄に1時間半を要し些かくたびれたので、VISAラウンジで一休み。第1ターミナルのラウンジはVISA専用なので空いていた。ゆっくりしたいところだが、この後、混雑が予想されるので、早めに切り上げた。ところが、このあと手荷物検査〜出国手続きとスイスイ。過去のお盆の時期よりグンと楽チンで、ちょっと拍子抜け。なんだい、これじゃあラウンジでもっとゆっくりするんだったナァ。・・・情報化社会は虚実ないまぜた過剰情報が飛び交い、かえって混乱に拍車をかけるという見本みたいなもので、この後ホノルル到着時も、はたまた帰国ピークにあたる8/19(土)の出国時も混雑・混乱はまったくありませんでした。

久しぶりのNW・747ジャンボは満員。個別ビデオなんぞはもちろんなく、音楽ソースも貧弱でイヤフォンの音質も悪い。なんだか20数年前にタイムスリップしたような感じ。食事は「キーマカレー」か「親子どん」。ここ1週間“留守宅を守る”次男との夕食の殆どはお手製(=私)のカレーだったので、親子どんを選択するが、デリカシーに欠けた調理でやっぱりマズイ。アルコールは有料になっている。500円又は$5ということなので、勿論500円払って赤ワインをもらう。チリ産ワインでこれもマズイが「睡眠薬」として不可欠だ。斯様に物的サービスは最低(但し、CAの接客ぶりはまずまずで問題ありません)だが、なにせ格安チケットでのチャイナ便より更に5万円ほど安いのだから、我慢しなければならない。

食後の映画がつまらなかったせいか、否、赤ワインの効果ゆえか、珍しく3、4時間ほどぐっすりと眠ることができました。

 

/12(土)=ハワイ到着

定刻でホノルル到着。タラップを降りてバスに乗り込みます。毎度のことながら、甘い香りを載せた爽やかな風を受けたときに、“あぁ、ハワイに来たんだ。よし、楽しむゾ!”と何やら昂揚した気分になってきます。

入国審査、税関も渋滞無く通過。大型シャトルバスは7,8名の乗客しかおりません。(料金は$9に値上げ)今回は私のイリカイホテルが最初の降車。もっとも(後で分かったことだが)正面ではなく、ホテル棟の裏手で降車したので、建物内にレセプションが無く、スーツケースとキャリーケースを転がしながら、管理会社のオフィスがある217号室を探してウロウロする羽目になる。やっとこさ辿り着いて、担当の中村嬢の説明を受け、10時過ぎには927号室に入る。広いリビング、ヨットハーバー側のオーシャンビューで、結構な部屋です。

   

   (フルキッチン)と(ラナイからの眺め)

荷物を置くと、女房を迎えにアンバサダーホテルへ。イリカイからアンバサダーへは徒歩10分くらい。「元気かい?」1週間ぶりのご対面です。チェックアウト時に「T週間後の部屋は決まってますか?」と尋ねると「そぅ、17階ですネ」との返事なので、これまた結構なことです。

「タクシー呼ぶの?」 「いや、近いし、この荷物なら歩いていこう」・・・というわけで、日差しの強い大通りをゴロゴロとスーツケースを押して進みます。

「イリカイなら、やっぱしタクシーで着けたいわネ!」、「・・・・」

 部屋に入って荷解きを終えると、「さあ、これからどうしようか?」

「お昼、チャイナタウンのレジェンドの飲茶にいかない?、美味しいわよ!」

数年前の末っ子との滞在経験に今回の体験が加わって、女房は“ダウンタウンの達人”になっています。

さあ、これから「ザ・バスで行くオアフ島の旅」の始まりです。

 通りの向こう側で、西行き19番に乗るとアラモアナ→ダウンタウンからチャイナタウンへ入り、橋の袂に「レジェンド・シーフード・レストラン」があります。着いたのが12時、店内は既に満席で待ちの列ができています。ところが客の回転が早く、10分ほどでテーブルへ。お昼はワゴンサービスで、回ってきたワゴンから好きな蒸篭を取ります。プリプリの「海老シュウマイ」、スパイシーな韮がギッシリと詰まった「韮饅頭」、じっくり蒸し上がった「スペアリブ」、もちもちの「粽(ちまき)」・・・どれもこれも美味しい。上海や台北の人も納得する味でしょう。(但し、「小籠包」は衣が破れており、中途半端なシュマイみたいで×です)最後は「杏仁豆腐」と「マンゴプリン」で締めて、別途注文した「雪菜肉絲米粉」は美味しいけれどもう満腹でツーゴー。‘料金的にも約$30=税・チップ込み=と、リーゾナブル。)

       

 店の正面)    (海老餃子)    (ちまき)      (焼きソバ)

 これではハワイに来たのか、台北に来たのか分からない!といった按配ですが、とにかく大満足で、この後は女房の尻にくっついて、チャイナタウンをそぞろ歩き。マウナケアマーケトを覗いてから通りを渡った広場脇の店で、フルーツ(=パパイヤ、マンゴー、モンキーバナナ)を購入。

   (これで、$10チョイ)

次に、来たバスに乗ってアラモアナセンターで降り、ダイエーへ。ドンキーに経営が移ったとのことであるが看板はそのままで、レシートにはドンキホーテの社名が印字されていた。(・・・かつて、アラモアナセンターそのもの(の過半)を所有していた中内ダイエー王国は最早一朝の夢と消え、以前外部で少々関わった身としてはある種の感慨を禁じえないのであります。)野菜、果物、クロワッサン、ワインなどを求め、二人して大きな荷物を抱え、8番バスでホテルへ戻る。

後は近くのABCで重量系のビール、牛乳、ウオーター、それにグァバネクター(ハワイに来たらこれがお気に入り!)を買い込んで大型冷蔵庫に収めると、これで生活基盤が確立。

オアフ観光局のHPに、・・・今週の土日は「サンセット・オン・ザ・ビーチ」が開催され、「4時から屋台出店、5時からステージ、日没後に映画・・・とあったので、行ってみようと、ワイキキ中心部へと繰り出す。

銀ブラではないが、やはりビーチ沿いの賑やかなカラカウア通りを歩くと、ワイキキへ来たなあ!と満足するのである。クヒオビーチの桟橋の先端でダイヤモンドヘッドをバックにパチリ。これもワイキキのお約束事(?)

 

海を覗くと透明度は高く、3月の大惨事(=豪雨による下水装置の崩壊でアラワイ運河からヨットハーバーが“肥溜め”と化した)の影響はかなり無くなっているようであるが、今回はワイキキビーチで泳ぐ気にはならない。

で、肝心の催しものであるが、6時近くになっているというのに、ステージ演奏はおろか、出店も無い。映写スクリーンの枠組みがあるのみ。これではまだ相当の時間が掛かると諦めて、ホテルへ戻る。

ホテルのプールサイドではトリオのハワイアンとフラダンスが始まっている。シャワーを浴びて(=イリカイのコンドはシャワーのみで、バスタブ無し)さっぱりすると、まずはクアーズをグビッ!。夕食のメニューは簡単に、ツーゴーしたビーフンと、豆腐、納豆、ハム&生野菜、味噌汁。

 プールサイドの演奏が終わったので、持参のMDプレーヤー&スピーカーに切り替え。「今回、これを持ってきてて、ホントによかったわぁ。これ私のアイデアよ!」と女房。

 長期滞在の安らぎにとの女房のリクエストに応えて、出発前にはカセットテープやCDの古い音源をせっせとMDにコピーし、そのうち何本かを携帯用スピーカーとともに持参してたのです。

ジュリー、テレサ・テン、高橋真梨子、ピーナッツ、ピンクレディ、都はるみ、五木ひろし、それに綾小路きみまろや、最近のTV「誰でもピカソ」から採ったジェイク・シマブクロ&ラ・フレールといったラインナップです。ワイキキで聞く「きみまろ」なんてちょっとクールですねぇ?

 食事のあと、パパイヤとブラックベリーを食べ終えると、抑えていた疲れが噴き出してバッタンキューであります。

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