‘08台北ショート・トリップ
(08/10/31〜11/3)
はじめに
古巣の同期が月1回気儘に集まって飲み会を開いている。この会の言い出しっぺのS氏とE氏(以下敬称を略す)と“飲み話”の勢いで台北へショートトリップを敢行することとなった。Sと私は何度か訪台しているが、Eは初めて。
彼にも「親・台湾」になってもらおう(!)と経験豊富な(?)私がコンダクターを勤める。私の「B級路線」を承知のSからは「全て任せるが、ホテルだけはちょっとマシなのにしといてね」とのご注文。といっても基本は「無駄を省いて、(食い物だけは)贅沢を!」ということで、半年ほど前から準備に着手。
フライトは午後成田出発(本当は朝出発がいいのだが、それだと人によっては自宅を出るのが“夜明け前”ということになるので諦める) → (帰国時)午後台北発という条件で検索すると、「CASツアー」で「エバー航空」の安いのが見つかった。(サーチャージ等全て込みで53,130円)
肝心のホテルは、交通至便で日本人に評判の高い「天成飯店=コスモスホテル」に決め、「台北ナビ」で内容を把握した「デラックススシングル」(=高層階でウオシュレット付き)タイプを「台北ナビ」より表示値段が安く決済条件が緩やか(=カード可で、決済期限が遅い)な「アジアランドサービス」で手配・・・この2社(=CASとアジアランド)だと1ヶ月前まで無料キャンセルが可能というのが、“ミソ”なのだ。(常に非常事)態を考慮にいれておかないといけない!)もっとも「アジアランド」でのホテル予約は到着後に“失敗”が判明したが、それは後のお話。
〜〜かくして3泊4日の日程を組み立て、1週間前に台湾中央気象台の週間天気予報を見ると、(台北は)我々の到着前日までは「晴れ」なのに、31日から3日を越えて11月4日まで「雨マーク」がずらりと並んでいるではないか!トホホなご託宣に、以後“行いを律する”ことに努めるが果たして効き目はあるであろうか?・・・
1日目 10月31日(金)
基本通り、2時間前に現地(成田第1ターミナル)集合。余裕の時間帯なので、私は日暮里乗換えの京成特急を利用。本数が多く特急料金無しで便利である。3連休を控えているが、平日とあって空港ロビー内は静かで手続きも順調に流れる。
それでも機内に入るとほぼ満席であった。「エバー」は初体験であるが、機体は新しく、個別ディスプレイ付きで、なかなか結構。但し機内はかなり冷房がきついのでブランケットが必需品。到着前から風邪をひいてはいけない。見得を張らずにCAにお願いしよう。
機内食はチキンかシーフードで、当然後者を選択。中身のメインはエビ・イカ・白身魚のトマトソース煮込み&ライスで、ソースの味は先ず先ず。これに蕎麦・フルーツ・ケーキがセット。食事は及第点なのだが、なんと、飲み物は暫く後からサーブされる。ここはやはり、“ものの順序”としてアルコール→食事でしょう!ワインを頼んだら小さなカップに少し注いで、お・し・ま・い!・・・。(これならビールにするんっだった)ドリンクサービスは落第点です。
3時間のフライトなので、映画を1本(私はお気楽なCGアニメの「ウオーリー」を選択)見終わると程なくして、ほぼ定刻の17時前に桃園国際機場へ到着。
イミグレイションをスムーズに通過して両替所へ。為替は急激な円高底入れで少し戻したが、それでも1元≒3円とかなり有利(少し前まで1元=3.5円前後で推移していたから15%程度の円高)
台北站までは國光客運を利用(125元)。日中なら1時間弱であろうが、ラッシュアワーとあって道路は渋滞気味で1時間半強かかってやっと到着。下車すると目の前に天成飯店のピンクのネオンサインが見え、徒歩3分でロビーへ。なるほど交通至便な「駅前ホテル」ではある。
用意された部屋は5、6、8階の3部屋。「ン?低層階だが・・・」と首を傾げながら部屋に入り、バスルームを見るとトイレは「普通」。“なんだ、これでは、普通のダブルルームじゃないか!」と、フロントにクレームを入れるが「この部屋はデラックスシングルです。お客様のおっしゃる部屋だと追加料金が必要になります。旅行会社に相談してください」との一点張り。
〜〜要は「台北ナビ」の「デラックスシングル」と「アジアランド」のそれとは別物で、だから後者は料金も安かったということか。それなら最初からシングルを選択したほうがよかったことになり、これはコンダクターとしての判断ミスで、両氏に陳謝。
尤も、駅前にしては廻りの音は静かで、それなりに部屋は広く、洗面台やバスタブも充分。何よりベッドの硬さが申し分ない(=しっかりと固め)のが有難い。エアコンも静かで良く効くので、この季節は充分冷やした後、OFFにして就寝すると丁度良い。立地の良さと併せ、リピートしてもよいホテルと評価できよう。
最初の夕食は「フカヒレ!」。タクシーに「豊旌魚翅」と書いた紙を見せて出発。(=今年の正月に訪れて、気に入った店である) 夕刻のラッシュを縫って10分ほど走り、見覚えのある通りで、運転手が怪訝な表情をしつつ指差す方向を見やると・・・なんと、店が閉まっている!
“そんなバカな!”と、ともかく下車して店に近づいて見ると、照明は消え、ガラス扉も閉まっている。覗いていると奥の薄明かりから見覚えのあるおばちゃんが現れた。「やってないの?」と尋ねると、おばちゃんは苦笑いしながら両手を交差させて×のポーズ。おばちゃんの日本語はほんの片言だから完全閉店なのか、何らかの理由による一時休業なのかは定かではないが、とにかく営業していないのは明らか。
1月に来た折も客は少なかったので若干の心配はあったが、「台北ナビ」に、“9月下旬に来店して“美味しかった!”というユーザーコメントが出ていたし、広告も更新されていたから大丈夫と踏んで、勇んでやってきたのだが・・・呆然とする私を横目に、営業のベテランで折衝力に長けたEは「近くで、安くて美味しいフカヒレの店を教えてよ!」と話しかける。
私が「欣々はどうか?」と言うと、おばちゃん「あそこはダメ」と言って、差し出したメモ帳に「イ農(=にんべんに農)来」と書き込む。初めて聞く店名である。「どの辺りか?」 「あの信号の左折して6ツ目にあるわよ」・・・身振り手振りと片言の日本語で意外と意思疎通が図れるものである。
心優しい二人は私を責めることなく、「とにかく行ってみようじゃないか」と見ず知らずの街角を歩き出す。(二人のプラス思考に感心し、見習わなくちゃあ、と心密かに思ったものです!)
暫く辺りを見回しながら歩き、途中何箇所かでメモ紙を見せて尋ねるが誰も「そんな店は知らないネ」との反応。万策尽きた感じで、タクシー詰め所で尋ねると「知ってるよ、乗んな」との反応。乗車してものの1分も走ると「此処だよ!」と。
通りの反対側に大きなピンク色の看板がありました。おばちゃんの教えは正確で、我々はすぐそこまで来ていたのです(通りの向こう側tだということを理解していなかった!・・・)
やっとの思いでたどり着いた(!)店は、小奇麗ながら極く普通の店構えで、格別の名店といった雰囲気はありません。既に8時を廻っていたので、地元の人が2組いるだけ。
メニューを見ると、コースのほかに「単菜」があって「排翅 大 1,250元」=その下に炒飯等の副菜名が書いてあります。“これに決めた!”と注文すると、おばさんが「ハイ、サービスね!」と大きな深鉢を3個ドンと並べます。サービスにしては豪快な大盛りのシーフードサラダ。続いてエリンギと人参の煮物も。(これは小盛り!)
これらをツマミにビールを飲んでいると、やがてフツフツと煮えた土鍋が登場。別皿のモヤシと香菜を加えて頂きます。直径20cm位の鍋の中に小振りながら“輪っか”状のフカヒレがゴロゴロ入っています。彦麻呂なら「フカヒレの押しくら饅頭やぁ!」とでも表現するでしょうか?スープの味はやや淡白ですが、のど越しよく、ベリーグーです。
ここらでもうお腹一杯ですが、続いて大きな切り身の「タラ」(実際はギンダラかメルルーサ?の蒸煮にタレをかけたもの)=生臭さがなく淡白な味わいの中に程よい脂の乗りがあってイケます=、「鮭炒飯」、「デザート」=フルーツ3種&ジャスミン茶ゼリー=、そして最後にコーヒー=濃くで香り高く美味しい=と、味・質・量とも申し分なく大満足。
Eは「スイカが甘い」と満足していた(私も同意)が、サーブするおばさんに「全部美味しいけど、特にスイカが甘くていいねえ!」と告げると、おばさんは嬉しそうにニッコリと笑って「これ、サービスね」とスイカの追加を出してくれた。(ちゃんと6切れあるところが丁寧!)
「いやぁ、一時はどうなることかと思ったが、まさに“災い転じて福と為す”で、結果大オーライだなあ!」とのSの一言が全てを現しております。 訪台の際は又来たい店です。
少し腹ごなしをしようと、街中を10分ほど歩いてMRT雙連站へ。劍潭站で降りて、士林夜市へ向かいます。
金曜日にしては思ったより人出が少ないですが、Eは台湾の一面を現す“猥雑さ”をとくと実感納得した様子。じつは、私も台湾に来たら、一度はこの雑踏の中に身を置かないと、気が済まないのです。