8月8日(月)/2日目
7時過ぎに起床。まずまずの天気。もっとも冬場の台北でもそうであったが、ここ高雄でも排気ガスのせいか(?)抜けるような青空にはお目にかかれない。(これはこの後、台南でも同じであった)
(27階からの朝の眺め) (最も高い東帝士ビル=金典酒店の偉容) (福華のモーニングバフェ)
料理は中・洋・和と種類は豊富。味は評判ほどでもないが、及第点。その場で作ってくれるオムレツが美味しい。八角の香り豊かな(!)「豚足の煮込み」なんてのもあったのでトライ⇒私的にはイケます。(・・・朝っぱらからそんなのも、よく食べるわ!)
(女房)「(ここはプレーンヨーグルトが無いので)大きな身体の外人さんが、ヨーグルトパックを何個も抱えてきて、ボウルにセッセと入れて食べてるのが可笑しいワ!」
フルーツコーナーにドラゴンフルーツがあったので最後に頂戴。ゴマ粒のような種子(?)のシャリシャリ感が心地よいが、味はビミョーで、今イチだ。
左営蓮池潭
2泊といってもフルの観光は本日一日のみ。さぁ何処へ行こうか?・・・というので先ず頭に浮かぶのは「澄清湖」=人口湖ながら眺望と湖面を渡る九曲がりの橋で有名なスポット。ところが大工事中で7月末でも主要部分の水を抜いてあるとの情報があったので(それに私は39年前に行ったこともあるし)、ちょいとスケールは小さいが、同じ「湖」系の左営蓮池潭に決める。
二人なので、暑さと効率を考えてタクシーを活用することにする。(台湾では交通費が安いので助かる!)玄関ではドアマンがタクシーに行き先を告げるとともに、何やらメモカードを渡してくれる。これにはタクシーのナンバーを書き込んであって、何か不都合があれば後でホテルが対処出来る仕組みで、このあたりの細やかなサービスシステムがこのホテルの優れたところだ。
(ところで、高雄、台南と何度となくタクシーを利用したが、ボラれることもなく安心して利用できます。日本語が出来るドライバーには遭遇しなかったのが残念。)
タクシーで街中を駆け抜け、30分ほど走ると左営到着(料金200元)。タクシーを降りると暑さと湿気が襲ってくる。湖(というより大きな池)のほとりに竜虎の塔がある。いかにも中華風の“てらいのないハデハデ”。
(そもそもこの一帯は、日本統治開始後、台湾文化・宗教の衰退を憂えた有徳の士たちが左営旧城跡地に御堂を建立、爾来関帝廟を中心に多くの塔屋へと発展してきたのだそうな。)
先ず龍の口から入って螺旋階段を上る。息切れしそうになったところで最上階到着。眺めはなかなかよろしい。次に龍の尻尾を出て虎の口へ回ろうとすると、係員が尻から入れというゼスチャーなので、素直に従って「しんどいなあ!」と呟きながら再び螺旋階段を上る。(暑い中を両塔丁寧に昇降しているのは、本日我が夫婦くらいか?)最上階へ上がって、こちらからの眺めも・・・当然同じです。
(二つの塔) (龍の口) (虎の口)
(塔の上からの眺め)
「竜虎塔」の次は・・・湖(池だってば!)のほとりを歩くと公園の木陰では地元のじいさん連中がのんびりと安らいでいる・・・これが本当に正しい台湾の夏の過ごし方かもしれません。
(観音像) (龍の頭) (胎内) (尻尾)
入り口に戻ると、道路の向こうは「楽善社啓明堂 東南帝闕」これぞ派手の極致!みたいな極彩色の御堂である。しかもスケールがでかい。階段を上がって本堂へはいり、その奥へ行くと噴水池の中庭があって、その奥にもう一つ本堂がある。その脇の階段を上がると、また祭殿があって、その脇の階段を上がると更にもうひとつ祭殿があるのだ。お宮の高級マンションみたいな感じである。
それぞれに丁寧にお参りをして、1階の中庭に出ると、「日本からですか?」と、一人のおば(あ)さんに話しかけられた。
「そうです、暑いですねえ」 「高雄は初めてですか?」
「女房は初めてですが、私は40年近く前に来ました。台湾セメントの工場がありましてね」
「あッ、工場はもう随分前に台東に引越しましたよ。日本はどこからですか?」 「東京ですよ」
「親戚が東京にいるのよ。一度おいでといわれてるんだけど、東京は物価は高いし、なんだか怖いかんじがしてねぇ・・・」
「物価は高いですが、怖くはありませんから一度是非いらっしゃいナ」
更に行くと、関帝廟があり、その対面の池中には巨大な関羽の像が見える。台湾の人々の関羽への信仰の強さをあらためて思いしる。
(お参りする人!) (関羽廟) (関羽の像)
これで池の周りの1/3くらい回ったことになるが、建造物をじっくりと見物し、お堂内では丁寧にお参りして回ったので、もう充分という気分。それに、とにかく暑い! 出来れば澄清湖にも回ろうかとも考えていたが、この暑さではギブアップだ。
近くに果物売りの屋台が出ていて、マンゴーを沢山並べてあった。目方売りであるが、だいたい1個=IKg弱で70元〜80元と、昨夜の夜市に比べてほぼ半額。得した気分で、なるべく赤いのを選んで購入。通りかかったタクシーに乗って昼過ぎにホテルへ帰還。夏の台湾旅行は、昼間の休憩が無難といえる。
昼休み(?)
近くのセブン/イレブンで水、牛乳&パパイヤミルクを買ってホテルへ戻ると、女房はしばし休憩で、シエスタ(午眠)。一方、パパイヤミルク(「牛乳大王」のには敵わないが、コンビニのパックでもそこそこイケます!)を飲んで元気回復(?)の私は「じゃあ、ひと泳ぎしてくるわ!」
ホテルの10階屋上にプールがあるというので、行ってみよう。エレベーターを出るとガラス扉の手前に受付のおばさんがいて、その奥に更衣室がある。ロッカーとシャワールームがあり、バスタオル完備と設備は充実。さすが福華!
プールは15×8mほどの広さ。全体の設計に“遊び”の無い、リゾートというより市民プール的な雰囲気で、そのせいか、或いは真夏の真っ昼間とあってか、人影はまったくなく私の専用プール。普段の体調ならこれはチャンス!とじっくりと泳ぎ込みたいところだが、病み(風邪)上がりなので、ゆっくりと300mほど流して上がり、脇のジャグジーに移る。ジェット水流に当たりながらまったりしていると、これはこれでオツな気分である。
この後の予定があるので、程々で切り上げて部屋に戻る。午後はまず鉄道切符の手配だ。女房も少し仮眠してスッキリしたようで、「駅まで15分くらいなら歩いていきましょう!」こちらも異存はないので、再びデイバッグを背負い、日傘をさして街中を歩く。(うん?・・・なんだか故・芦屋雁之助演ずるところの“山下 清画伯”みたいだなぁ〜〜でも台湾の夏には男でも日傘がオススメです!)
高雄の駅周辺地帯は、台北と比べてもなんとなく“ガサツ”な感じだが、MRT工事で大通りを掘り返したり、新幹線
仮設駅に入ると冷房が効いていてホッとする。切符購入手続きで感心したのは、日本の銀行窓口と同じく番号札を取って椅子で待ち、窓口の電光掲示を見て申し込む仕組み。CS(顧客満足)を考慮した優れたシステムだ。窓口でかねて用意していたメモを差し出して、高雄→台南、台南→台北の自強号指定席を無事購入。これで以降の旅程は先ず安心だ。
旗津半島
切符購入を終えると、午後の観光再開。駅前でタクシーを拾って旗津輪度へ向かう。(185元)
(入港するフェリー) (東帝士ビルの威容が目立つ) (旗津の町並み)
(赤い紐でツメを結ばれたカニです!)
細長い半島なので、街中を突っ切ると程なく海が見えてくる。浜辺に出てみると、台風の余波か、波が荒い。夏の盛りなのだから、日本なら少々波が荒くてもかなりの人が遊泳しているが、ここでは泳いでいる人は誰もいない(外洋とあって潮流が激しいのかな?)
台湾の海岸は黒砂で、したがって海の色はあの南特有のターコイズブルーの鮮やかな色合いに縁遠く美しいとは言いがたい。しかもこのビーチはゴミが散乱し、景観を台無しにしている。(私が旗津区長なら税金を使ってでもビーチ清掃大作戦を展開するゾ!)
浜辺で遊ぶ子供。波は荒く、海には誰もいない!)
しかし、ここは夕陽の名所でもある。(本当は小高い丘の向こうの灯台辺りがベストポイントなのだろうが、そこまではちょっと・・・)それで“夕陽評論家”(?)としては辺りのゴミに挫けることなく日が落ちるまで頑張らなくてはならない。夫婦で持参の水を飲んで喉の渇きを癒し、とりとめのない会話を交わしながら日の落ちるのを待つ・・・(小津安二郎的世界?)
ジッと待ちましたが、コナの夕陽ほどの茜色にはなりません。小津の世界に浸りきれない私は夕食のことを考えて程々のところで、再びフェリーに乗って高雄側へと引き返す。でもラッキーなことにフェリーのデッキから海に落ちようとするサンセットを見ることが出来たのでした!
虫尋 之屋
先を急いだのは、今夜の夕食はチョイと贅沢を!と、澎湖諸島から新鮮な海鮮を空輸して評判という
片言の日本語を話す女性がメニューを持って笑顔で登場。メニューは漢字と英語で日本語はない。ついでに料金表示も一切無い!(うちの店は値段を気にするような人はお呼びでナイのよ!)
「蟹やエビはどうでしょう?」 「そうね、やっぱカニだな。う〜ん、シンプルな蒸し蟹がいいかな」
「お魚は如何ですか?」 「そうねぇ・・・魚はいいや」
「野菜なんかは?」 「筍のサラダというのが珍しいな」 「今シーズンで美味しいですよ」
「その他は?」 「アッ、このハマグリの蒸し物がいいねえ」
「分かりました」 「それと、最後にカボチャのビーフンと海草とシラスのスープをね!」
段取りよく訊いてくれるので、高級店だし、コースとして組み立ててくれるのだと思ったが(ところがこれが大間違い!)
台湾ビールを注文すると、「こうなごの塩茹で」が付いてきた。台湾ビールは本当のビール好きには物足りないだろうが、酒に弱い私にはあっさりとして美味しい。特に蒸し暑い台湾の夏にはぴったりだ。「こうなごの塩茹で」もイケます。
最初に「ハマグリの蒸し物」が登場。山盛りの針生姜がトッピング。ハマグリは、殻は小さいが身が大きくて美味しい。
次に「筍のサラダ」・・・サラダといっても、湯掻いたタケノコの角切りをアッサリマヨネーズに付けて食べるという至ってシンプルなもの。ところがこのタケノコが“エグミ”ゼロでなんとも爽やか。
ここまでは申し分なし。ところが直ぐあとに、“締め”のハズのかぼちゃ(と小さな貝の身)のビーフンとスープが出てきてしまった。しかもウエイトレスはビーフンを小さな茶碗2つに無理やり詰め込んでまだ少し残った皿をサッサと下げていってしまった。これは“サービスのはき違え”である!
で、肝心の「蒸し蟹」が待てど暮らせど出てこない! ビーフンの一件もあって「カチッ!」ときた私はフロントのマネージャーを手招きして、(彼が英語は話せるというので)つたない英語で抗議申し立て。
「最初に頼んだカニが来ないが、どうなってるの?」
「すみません。カニは蒸すのに時間がかかるもので・・・」
「それなら、オーダーをとったときに、時間がかかると一言断るべきでしょう。ここは一流店なんだから」
「ごもっともです」
「ウエイトレスに注意しておかないとダメですよ」
「本当に申し訳ありません。お詫びに1品サービスします」
〜〜べつに一品欲しかったわけではないが、出てきたのは「軽くトーストしたからすみのネギ添え」
そして、注文から1時間ほどして「蒸し蟹」が現れる。これがホントの“真打登場”。さすが真打だけあって殻の中には身と子がギッシリと詰まって美味しいことは美味しい。しかしながら、蒸すだけなら女房の蒸し方のほうが上手との評価も出来る(それは蒸す前にカニの”ふんどし”に塩を刷り込んでないからだと分かる) そして女房によると、「他にも2,3組、最後にカニが出てきて、困った表情の人がいたわよ!」・・・というわけで、カニの注文にはご用心を!
という成り行きで、この店は良かったか?悪かったか!・・・とにかく、カニを注文しなければ、素材は文句なしだし、味付けも上品で評判を納得できる海鮮レストランといえましょう。ちなみに、料金は
六合夜市 と 足つぼマッサージ
この後は、まだ夜も早いし!と、タクシーで六合夜市へ向かう。通りの中ほどに「あしつぼマッサージ30分300元」という看板が出ている。女房が「足つぼ、やってみたい」と。二人のおじさんがニコニコいそいそと長椅子に案内してくれる。
腰痛持ちの私は昔、「あそこは効くよ!」と、知り合いに薦められて千住あたりの「足つぼ」へ行ったが、いや、痛いのなんのって、それでもって効き目は全く無く、足の痛みだけが残ったという文字通り“痛い経験!があり、足つぼ恐怖症で今日に至っているが、女房が言うなら、しょうあんめい!
ところがです。おじさんはなにやらクリームのようなものを足に塗りたくって、足裏・指先〜付け根・足首と強く丁寧に揉みあげてくれる。私はおじさんのやっとこさの日本語によると、内臓系に問題があるようで(注:後日の人間ドックでは概ね問題はありませんでした)揉み時間の半分ほどは顔をしかめていたが、女房は同じように強く揉まれているのに泰然自若で、「う〜ん、気持ちいい!〜〜きもちいいワ!」
〜というわけで、結果大満足のマッサージで、足取りも軽く、夜道を歩いて帰る。これで涼しかったら鼻歌の一つも歌いたくなるところだ。ショーウィンドゥを見るとウェッディングの衣装店が目立つ。
帰ってきて、最後の楽しみは、今朝 「左営」の露店で買ったマンゴー。一口入れると、「ウン?」
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