8月13日(土)/7日目

 朝起きると先ずカーテンを開ける。よかった!珊瑚台風は大陸方面へ去ったようで、夜来の雨は上がっている。雲が多いが、ものは考えようで、このほうが外を歩くときに、凌ぎやすい。昨日同様、落ち着いた雰囲気のダイニングルームで美味しい朝食を済ませると、実質最後の一日は女房の観光ガイドを務めようと決める。天気がよければ陽明山とか、野柳へ出掛けてもいいのだが、この天気では市内のほうが無難。女房に、「今日は極力公共交通機関(=MRT又はバス)で周るよ!」と宣言。

国父紀念館

 で、ホテルの反対側から208バスに乗ってMRT園山駅へ行き、それからMRTで台北で乗り換え国父紀念館で下車。そう、2年前に訪れた、偉大なる孫文先生紀念館。

 女房は「でかいわねぇ!」と感心することしきり。 そこで孫文先生、蒋介石と宋三姉妹のお話 〜〜 一人は国を愛し、一人は権力を愛し、一人は金を愛した。・・・国を愛したのが長女の孫文夫人・宋 慶齢で、孫文亡きあと、共産中国においても国家副主席として遇され、生涯を大陸で全うした。権力を愛したのが、次女の美齢で、彼女は蒋介石総統夫人となり、第二次大戦当時はその流暢な英語を駆使し、中華民国のスポークスマンとして、ルーズベルトと渡り合い、反日工作を推進した。夫の死後はニューヨークに渡り、豪華ホテルの住まいで一生を終えた〜〜といった解説をする。珍しく素直に耳を傾けた女房は、孫文先生にシンパシーを感じたようで、その銅像に対し、下のような大胆な(?)行動を取ってしまった。でも孫文先生なら許してくださることであろう。

 

 館内に入ると丁度儀仗兵の交代式が始まった。私には見慣れた景色であるが、初めてだと、やっぱり感動するものであるようだ。女房は、「凛々しいわねぇ!」と感心することしきりであった。

 

   外へ出ると、向こうにはTAIPEI101の威容が見てとれる。

  (101と記念館の正面)

中正紀念堂

 この後は、公正を保つためにも、蒋介石記念堂に行かなければならない。再びMRTに乗って、中正紀念堂前でおりる。外へ出て、記念門をくぐると、「ひゃ〜、ほんとうにスゴイわねえ!」と仰天する。左右の中国王宮風の国立音楽堂と国立劇場を見やりながら、正面を進んで、御堂の高い階段を上がる。丁度12時になったので、ここでも儀仗兵の交代式を見ることが出来た。(実は計算して動いていたのです!)彼等はサービス満点で、交代式を終えたあとは、市民との記念撮影にも応じてくれる。

   

   

                                                 (儀仗兵との記念ショット)

   

小籠包バトル(?)

 上の写真の最下段の3枚の如く、交代式が終わったあと、御堂の周りをぐるりと回ったので、1時近くになってしまった。今日の昼食は永康街へ。そう、めざすは、鼎泰豊! 

 さすがに徒歩では無理なので、タクシーを拾い、店の前でおりると1時を過ぎているというのに、黒山の人だかり。掻き分けるようにして、入り口の女性店員にオーダーしようとすると「え〜、98番目です!」 「・・・ということはどれくらい待つのですか?」 「50分くらいですね!」 「ひええ〜!」

 (鼎泰豊前の人だかり)

群 香 品

 このまま立ちん棒で待つのも芸がないので、「そうだ、50分あるなら、群香品へ行こう!」と、女房を引率する。群香品は最近評判が上がっていると聞いていたが、なるほど店内は満員状態。(2年前はこの時間になると殆ど客はいなかったのに!)でも待ちの行列はないので、すぐ奥の席へ案内される。

 先ずはビールで喉を潤し、注文はこの後(鼎泰豊があるので、タンタンメンと小籠包1個ずつ。タンタンメン(70元)は汁なしだが、胡麻たっぷりの味噌で案外イケます。お目当ての小籠包は1籠=10個で120元と値段もリーゾナブルで、相変わらず美味しい。露もたっぷり!

   (店頭の風景と、タンタンメン)

   

 注文後直ぐに出てきた料理をアッという間に平らげたのでまだまだ時間がある。そこで通りをぶらぶら。永康刀削麺の店の前でガラス越しに覗いていると、中からおばちゃんが「どうぞ!」 せっかくだから店内に入って写真を撮ろうとするとお兄さんが麺を削るパフォーマンスを披露してくれた。ついでにツーショットも。伯母ちゃんは「あれは、息子よ。よくやってくれるの!」・・・息子を指差して誇らしげであった。いい母子です。

   

鼎 泰 豊

 おっと、いけない! 50分が過ぎたので、あわてて鼎泰豊へ戻る。ちょうどお姉さんが「98番!」と呼んでいるところ。大勢の客でごった返す店内へ入り狭い階段を上がって3階へ。注文票をみた店員は「小籠包・1籠」と書いてあるのを見て「??」と一瞬怪訝な表情を見せる。(そりゃそうだ、普通こんなに長いこと待って1籠はないでしょう!

 それほど待たずに出てきた、湯気の立つ蒸篭を開けて、念願の(!)小籠包をパクリッ!・・・評判どおり美味しいデス。肉の旨み、露の味わい、実にバランスのとれた美味しさで、群香品をサムライとすれば、こちらは貴族といった感じであります。(尤もお値段も10個・170元とちょっと高め)

   

総 統 府

 こうして一気に2箇所をこなした(?)あとは、総統府へ向かう。本日は公開日ではないので、正面広場からガッチリと警備で固められている。館内に総統がおられるわけではないのだが、小さい声で「陳水扁さん、対岸の脅し・圧力・嫌がらせに屈することなく、又焦らず急がず、じっくりと国家&国民繁栄の為に頑張ってください」と願う。

 

 

古早味豆花

 総統府から歩いて城中市場へ向かい、再び釈迦頭とマンゴーを購入し、二二八和平公園を抜けて台大醫院前からMRTに乗る。雙連駅に差し掛かったところで、「豆花の有名店があるけど寄ってみる?」「いいわね!」というわけで途中下車。

 ガイドブックによると徒歩5分とあったが、探し探しで歩くと10分強かかってしまった。午後遅くというのに店はいっぱい。いろんな(豆、芋系が多い)トッピングがあって、前の青年が3種類をトッピングしていたので、私もそれにならって3種類をリクエスト。(60元)でも、トッピングが多すぎて肝心の豆花の優しい食感がどこへやら・・・選択の失敗でありました。やはり豆花はそれそのものを主役にしなければなりません。

   (こんなにトッピングしてはいけません!)

   

(名物、信号待ちのバイクの群れ)(民生西路の様子) (MRTの車内・・・※)

※ 台湾は”長幼序あり”の「礼の国」ですが、MRTの車内で、前の座席の女性から席を2度も譲られてしまいました。私の表情を見た女房が「クスッ、ショックでしょう?!、自分で思っているほど若くは無いんだから、あまり無理をしないようにね!」と。

三葉體療足健中心

 ホテルへ戻ってひと休みすると、女房が「結構歩いて足が疲れたので、もう一度マッサージに行きたい」と。それで事前調査で評判の高かった三葉に行くことにする。フロントで電話してもらうと「30分後で、OK!」とのことなので、早速バスで向かう。長春路手前の路地を入るとその店はあった。受付に元気なおばさんがいて、日本語ペラペラで、アシストしてくれる。足裏30分+アロマオイル付き全身マッサージ60分のコースを選択(1350元)

 先ず桶の温湯で足を温めてからベッドへ。最初に足裏専門の男性が施術。例によって丁寧だが、結構きつい。次に全身マッサージは女性に代わる。温シップ〜アロマオイルと進む。オイルはなにやら背中に塗られていることは分かるが、別に香りは無く、それほどヌルヌルもしていない。

 私の担当は、今まで各所で受けたマッサージの中で最高によかった! いわゆる“痛・気持ちいい”というやつで、時に刺激的&ときにうっとりという至福の60分でありました。一方女房のほうはというと、かなり年配のおばさんであったようで、時折“悲鳴”が聞こえておりましたが、果たせるかな帰国後もしばらく背中の赤い痣が消えずに痛い痛いと嘆いておりました。「日本語を話すおばちゃんがいたんだから、“もう少し、弱くして”とかなんとか言えばよかったじゃないか!」「だって私、気が弱いから、一生懸命やっているおばさんを前に、そんなこと言えなかったワ」「・・・・・・」

 要は、マッサジージ店の評価は、その店そのものというよりは、どんなマッサージ師に当たるかということと、受ける側との“相性”によるところが大きいということなのでありましょう。

龍都酒楼

 “最後の晩餐”は、広東料理の名店としてその名も高い、「龍都酒楼」 。三葉から森林北路をブラブラと下って南京東路一段の大通りを横切り、二本目の路地を右折すると、その店はある。結構派手派手の店構えです。館内は2階中央が吹きぬけになっていて、ちょっといい感じであります。

   

 予約してあったので、2階の席に着くと、テーブルの上には既に「小前菜」(100元)が置いてあります。「ピータン」と「さやインゲンのガーリックソースかけ」・・・後者はほのかなニンニクの香りとインゲンのシャキシャキ感がマッチして、イケます。(帰国後、女房が再現して、我が家のおつまみメニューが増えました)

   

(前菜です)      (ダック→既に数切れ食べた後の状態です!)

 次は「北京ダック」です。ここは広東料理ですから、正確には「広東ダック」と言うべきかもしれません。台北で「北京ダック」で一番有名な店は一昨年に行った「天厨菜館」ですが、二人で一羽はとても食べきれない。ここ龍都は予約しておけば半身のオーダーが可能で。それがここを選らんだ理由です。頃合いで、カットして盛りつけた状態で出てきます。日本でなら4人前くらいでしょうか。丁寧に半分が「皮」だけ、残り半分には「身」も付いてます。(このあたりが老舗の仕事なのでしょう)パリッとして香ばしく、甘味噌の味も上等です。評判だけのことはあると納得しました。

 お値段的にもこれで700元ですから、随分とお得です。日本の高級店だと1個(1枚?)で1,000円もしますが、あれはボリ過ぎで、北京ダックの高級イメージに付け込んだ一種の悪徳商法と言えましょう。

   

(クラゲの和え物)   (空心菜)       (フカヒレの煮込み)

 続いて“箸休め”に「クラゲの和え物」(260元)・・・しっかりとした下味ながら、広東風にあっさり系で、美味しい。「空心菜」(230元)も同様に美味しいです。

 次に、「フカヒレの煮込み」・・・大きな輪ッカが1個入ってます。スープの味はよく染みてますが、その肝心のスープが、ちょっと醤油が濃いような感じで、私的には「欣欣魚翅坊」の煮込みスープのほうがコクとまろやかさが勝っているように思いました。「龍都」はフカヒレ1個で1,000元、「欣欣」は3個で1,300元。ことフカヒレに関しては、天下の名店「龍都」より「欣欣」が上をいっていると言えるでしょう。( ちなみに、これにビールとサービス料を加えて合計2,695元です)

士林夜市

 食事が終わりました。最後のプログラムは、士林夜市ぶらぶら歩きです。もちろんMRTに乗っていきます。土曜の夜とあって大賑わいです。

   

(食堂街の賑わい)               (大通りに佇む女性?)

 食堂街の手前では、耳にろうそくの炎を当ててる女性達がいます。どういう効果があるのでしょうか?

 〜〜こうして最後の夜が更けていきました・・・。

8月14日(日)/8日目

 いよいよ帰国の朝です。今日は好天気。食事を済ませると、ホテル屋上からの園山大飯店の眺めがいいと聞いていたので、上がってみる。噂に聞いていた、「旅客機が園山大飯店をかすめて中正空港へと下りていくシーン」が、突然現出してビックリ!見とれていてシャッターチャンスを逃してしまいました。残念!

 

(園山大飯店)     (森林北路の眺め)

 

(ホテルの中央吹き抜け回廊・・・開放感があって、いい感じです!)

 ホテルからタクシーで行天宮へ行き、そこから飛狗巴士に乗って空港へ。このバスはすぐ高速に入るので、40分足らずで空港へ到着。あらためて新装なった第二ターミナルを歩いてみると、“広い、キレイ、スッキリ!”でビックリ。最後にもう一度“台湾パワー”を実感して機上の人となりました。

                                       (完)  

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