(2005年11/3〜6)

はじめに

 某月某日、ネットでCASツアーのHPを見ていると「台北往復27,800円」というのがあったので早速メールを入れてみました。このネット・ツーリストは値段の安さではトップクラスですが、3ヶ月前くらいでないと価格が出ないし、しかもこれまでメールを送ると「売り切れました。代わりにこれはどうでしょうか?」という返事しか来ない。

 今回もダメだろうと思って申し込むと意外にも「取れそうです」との回答。 但し、日曜日帰国だと5千円アップになる。それでも最近ご贔屓の「イーツアー」よりも安い。女房に「夏は暑かったから、もう一度気候のいい時期に行ってみようか?但し、今回は本家帰りして徹底エコノミー路線でいくけど!?」と尋ねると二つ返事で「いいわよ!」とのこと。で、早速準備開始と相成った次第。

 フライトが決まると次はホテル。夏の欧華酒店の設備やサービスはよかったけれど、いささか交通不便。女房も「もう少し繁華街や地下鉄(=MRT)に近いところがいいわ」という。そこで交通至便なB級ホテルとして台北ナビのユーザーコメントを参考にして選んだのが「サンルート」と「金星大飯店」。サンルートは徹底した日本式ビジネスホテル路線(そして全室ウオシュレット完備)で安心であるが、3日通しでのツインルームが確保出来ないとの返事。そこで金星に決める。台北ナビ価格だと、ツインルーム(=二人で朝食付き)6300円とホントに格安。

1日目

 今回は初めてのUA便。成田発18時20分だから朝の準備はラクチン。それでも「2時間前には必ず集合してください」とあるので午後2時前には家を出て成田へ向かう。久し振りの第1ターミナルでちょっと勝手が違う。UAの表示がある場所ではなんと長蛇の列!行列は遅々として進まない。「こりゃチョイと大変だぞ!」と思い始めたときに、案内嬢が「ここはNWの列です。UAの方はあちらへどうぞ」と。「なんだ、そうだったのか!」と列を離れてFカウンターへ行くとチケットを手渡され、向かいのUAのチェックインカウンターで手続きを済ます。

 少し時間があるので、第1ターミナルの在り処も確認しておかなくちゃあ!と、VISAのメンバールームを捜しあてて少し休憩。それから出国コーナーへ向かうとなんと久方振りの大ラッシュ状態。「定刻30分前には搭乗口へ来てください」とのメモがあったが、出国手続きを終えると離陸35分前。「動く歩道」を走るようにして進んでいると、「UA台北便の最終搭乗案内です。ご搭乗の方はお急ぎください」との放送が流れる。ところで、UAの搭乗口はターミナルの一番端の端っこなのである・・・行けども行けどもなかなか辿り着かない。やっぱり格安チケットは大変だ(?)

 で、はじめラクチンのつもりが息を切らせながら座席へと辿り着く。機内は横に2−5−2という配列。窓側を確保できたカップルはラッキーであるが、5人席の真ん中になった独り者はおおいにツイテナイということになる。(※⇒最後のページを読むときにこのコメントを参照ください!)我々は事前座席指定が出来ないので、5人席の通路側2席。でも21列と前方なのでまあ良しとしよう。

 横に9人ということもあってか、JALよりは前後左右少し広い感じ。前には個別の液晶画面もありなかなか結構。(見損ねた映画「アイランド」を楽しみました) 機内食はパスタ。いかにもアメリカンなイタリアン(?)といった感じで、まあこんなもんでしょう〜〜といったところ。あっ、でもアッカリフォルニアワインは結構美味しいです。

・・・と初UAの印象はまずまずですが、唯一いただけないのは、モーレツに冷えるということです。いやぁ、寒いの寒くないのって、それはもう堪りません! まるで全身冷蔵庫の中に入ったみたいです。長袖にウインドブレーカーを着用してましたが、アテンダントに毛布をもう一枚もらって被ってもシンシンと冷え込む感じ。歳のせいかと思いましたが、隣の逞しい青年もやはり寒そうな感じ。堪らず立ち上がって天井の送風スロットルを全部閉めたら少しおさまりました。で、なんとかチルド寸前でセーフといったところ。(はじめから遠慮しないで閉めとくんだったなぁ・・・皆さん、UAの機内に入ったら先ず天井のスロットルを閉めましょう!)

 21時10分、定刻少し前に無事到着。ところがバッゲージクレームでスーツケースがなかなか出て来ず、漸くピックアップして両替を済ませ、大有バス(西線)で空港を出たのが10時10分。中山北路を南下し、国賓大飯店前(の向かい側)で下車。「金星大飯店」と書いたメモを運転手に見せると、親切なことに(このあたりが台湾の良いところ!)彼もバスから降りてきて路地の奥を示してくれる。

フロントには大地康雄をもう少し田舎っぽくしたようなおじさんが待ち構えている。{台北ナビ}の予約表を見せてチェックイン完了。古くて小さなエレベーターを降りて部屋に入る。女房「ン?・・・なんか30年前のホテルに来たみたいだわね!」、私「まあ、値段からしてこんなもんじゃないかい!冷蔵庫もハンドシャワーもあるし・・・」

(写真だと意外にもきれいに見えます!)

 (※尚、金星大飯店は、オフィスビルに建て替えるとかで、12月一杯で営業終了になったようです。・・・ということは、次回はまた他の安宿を探し出さなくちゃあいけないゾ)

  荷解きを終えると既に11時20分過ぎ。お腹も空いたので、超遅めの晩飯に出掛ける。このホテルの利点は長春路に徒歩7〜8分と近いこと。そこにはお気に入りの「京鼎楼」がある。時間的に心配だが!ままよっ!“と駆けつけると表通りでタバコを吸っていた店員が「どうぞ」。ホッとして店内に入り、お目当ての「小籠包」と「海老入りワンタン麺」&「酸辛湯=サンラータン」を注文。夫婦してやっぱり”オイヒ〜イ“ 〜〜かくて初日の夜は満ち足りてZ Z Z・・・

   

2日目

 目覚めると有難いことに秋晴の好天気。それで本日は烏 来を訪れることにする。1階ロビー奥で朝食。お粥・ご飯・トーストのチョイスの他に小魚のから揚げと野菜炒めのメニュー。至ってシンプルだが宿泊代に込みだから、まぁこんなもんでしょう。身支度を整えて表通りの「ブラウンコーヒー」で一服。「台北ナビ」情報に従い、MRTで終点の「新店」まで行き、そこからバスに乗り換え。タクシーの呼びかけを無視しながら10分ほど待つと台北始発のバスがやってきた。平日とあって椅子に座れて有難い。

    新店駅とバス停)

 ぐんぐんと山中へ上って40分ぐらいで烏来到着。車窓から眺める渓流は台湾では珍しい“清流”である。橋を渡るとにぎやかでエネルギッシュな商店街が続く。

     

 さらに奥の橋を渡って右に折れて下ると露天温泉。我々はそのまま坂を登って階段を上がるトロッコ列車。一人50元。ガタゴトと揺られて10分弱、烏来の奥地へ到着。

   

 ッコを降りると坂道を奥へ進む。幸いというか本日は抜けるような青空の好天気。日本の真夏を思わせるほど気温が上昇して、流れる汗を拭いながらたどり着いた奥の院にあるのが烏来観光のメダマ=大滝!ゴウゴウと音を立てて目の前の岩場から流れ落ちる滝は迫力満点。

   

 これで烏来へやってきた“もとは取った”感じではあるが、せっかくだからと滝に架かるロープウエイ(220元とちょっと高い!)で向こう側へ。体験者の大方の意見によると、「ひなびた遊園地があるだけでなんか損した感じ」ということであるが、我々夫婦にとってはトンデモありません!先ずロープウエイを降りた近くの展望台から見晴るかす眺望がワンダホー   

     

 次に石段を登り、うわさの遊園地を過ぎると、道は先へ先へと果てしなく続いていきます。樹木は青々と茂り、空気は清浄。極上の森林浴といった風情であります。

     

 日ごろ多摩川や近くの海浜公園の散歩で鍛えた脚力を生かして烏来奥地の森林浴を堪能し、再びロープウエイ〜トロッコと乗り継いで麓へと戻ってきました。いやあ〜、烏来って想定外に素晴しい所です。

 歩き回ったのでお腹が鳴ってきました。タイヤル族の料理店として地元一番の「泰雅婆婆美食店」へ。

   

 (左)地元名物「竹筒おこわ」(70元=美味しい)と、女房希望の「野菜ビーフン」(60元)

 (右)店主オススメの「地鶏とパパイヤのスープ」(百元=味は微妙!)と「カボチャのちまき」

   

 小柄な店主はタイヤル族の高 玉雲(通称=富士子)さん。元気で陽気なお婆ちゃんです!

 もっぱら炭水化物系を攻めてお腹が一杯になった後は、もう一度橋を戻って、これぞ烏来名物・河原の露天風呂へ。大勢の“老老中年”の男女がお湯に浸かりながら楽しげに喋くってる。「禁止遊泳」の立看板の横から河原に入って流れに身を任せる元気なおじさんもそこかしこに。やっぱり台湾パワーはスゴイ!(私も温泉に入りたかったなあ・・・残念!)

   

〜〜さあ、これで烏来観光は終了です。バス〜MRTと乗り継いでホテルへ帰還。

 

歩き疲れた後は・・・そう、マッサージです。夏に「知足」と「三葉」を体験済みなので、今回はホテルから近場(長春路)で評判の良い「巧和養生館」へ。5時過ぎに飛び込みで入ると、なんと客は我々のみ!人間勝手なもので、混んで待たされるのはイヤですが、ガラガラだと“おいおい、大丈夫かいな?”と心配になります。

 例によって、洗い場のフットバスの薬草湯で足を温めてからベッドへ。台湾のマッサージの良し悪しは先ずマッサージ師の技術(&誠意)ですが、もう一つ本人とマッサージ師の相性も大きく影響します。

女房は体験3箇所でここが一番だとの評価。「三葉」の文字通り痛い(強い揉みで、赤あざが残った)経験から、マッサージは“少し弱めに”と頼んだようですが、結果“体が軽くなり、寝るときに足許がホカホカしてシアワセ”だったそうな。

私も足裏はここが一番。全身マッサージはごっついおばちゃん(愛想もなければ、途中で携帯電話したりと態度も悪い!)に手ではなく、肘と足で攻められて、施術中はあまり気持ちよくなかったけれど、終わった後は意外なことにしこりもなく首から肩がずいぶん軽くなった感じがしました。(因みに料金ですが、足裏が500元、全身が台北ナビのクーポンで1割引の900元でした。)

 

さて、夕食ですが、女房は「お昼が遅かったので軽めでいい」と。

「じゃあ、あそこの五七九の牛肉麺なんかどう?」、「う〜ん、牛肉麺は好きくないわ!」

〜〜というわけで、結局又々すぐ近くの京鼎楼へ!

 ビール&小籠包と海老ワンタンメン(なんのことはない、昨夜とおんなじメニュー!)。帰りにコンビニを数軒廻って、夏に“お気に入り”になった「豆花+あずき餡」を見つけ出して食後のデザート。ああ、よく歩いた一日でした。

 

3日目

7時起床。有難いことに本日も快晴⇒(女房)“ネッ、私は晴れ女なんだから!・・・”

 今日は「九 イ分」へ行こう。食事を済ませ9時にホテルを出てMRTで台北駅へ。9:50発の自強号の指定席は売り切れ。次の火車はかなり後になるので、待つのを諦めて月台(プラットホーム)へ急ぐと、ほどなく列車が到着。大勢の人が我先にと入り口に殺到(並ぶということはしない!)。一番端っこの列車を狙うがやっぱり満席。40分程度だから立ちん棒でもしゃああんめいか。

 

 瑞芳へ到着すると大勢の人がドドッと降りる。我々も遅れをとってはならじ!と向かいのバス停へ急ぐが、やっぱり黒山の人だかり。運よく直ぐに金爪石行きのバスが来る。整列しないのを利用(悪用?)して要領よく乗車口の前に立って素早く乗り込み座席をゲット。(なにしろ、荒っぽい運転で定評がある基隆バスの満員の車内で立ちん棒はちょっとキツイのだ!)

 高台に来たところで、半分近くの人が降りたが、前回の場所と印象が違うのでそのまま乗っていたらバスは坂道を下り始めた。「ヤバイ、あそこが目的地だったんだ!」と慌てて次の停留所で降車。同じように慌てて降りた地元民グループとともに坂道を引き返す。「もう、前に来たんだから間違えないでよ!」「台湾の人だって間違えてんじゃないか・・・」言い訳をすれば前回は月曜日の9時前に来たものだから観光客はゼロ、店も開いてないという状態で本日とはまったく様子が違うのです。メイン通りは大勢の人々でごった返し、まさに“イモ洗い”状態。日本人のみならず台湾の人も「九 イ分」が大好きなのだということがよく分かりました。

         

右端の写真・・・(映画「非情城市」のロケに使われたレストラン・・・皆ここで記念写真を撮ります)

 石段を登り詰めて小学校下の階段で一休み。遅めの到着だっだので、奥の院踏破はあきらめ聖明宮へお参りして石段を降りる。それからはバスで基隆へ向かう。

 基 隆・・・女房にとっては〜〜昔々、クラスメートと沖縄からの船で上陸して以来の懐かしの港町。バスを降りて港沿いを散策するが、すっかり変貌して昔を偲ぶ縁(よすが)はないらしい。

      

 それで港あたりを少しブラ付いた後は私の好きな「野 柳」へ女房を案内することに決める。そうと決めたら先ず腹ごしらえだ。あまり時間が無いので、歩道橋を降りたところにある食堂に飛び込み、汁ビーフン(一個30元と格安!)を食べ、それから基隆バスで野柳へ向かう。途中珍しく渋滞に引っかかりかなりの時間をかけて到着。朝からの過密スケジュールで流石の女房もいささかグロッキー。日陰で休憩し、例の“女王の頭”などの見所だけをザーッと見て廻る。

      女王の頭ときのこ岩)

 バス停へ戻り、程なくやってきたバスに乗って終点の基隆で下車。ここで台北行きのバスへ乗り換えるのが常道のようだが“もしや?”と思って鉄道の駅の時刻表を覗くと、3分後に台北行きの急行列車が出発する! 〜〜大慌てで切符を買い、運のいいことに1番ホームなので、改札口から列車に滑り込みセーフ!(女房)「ホントにもう、あなたと旅するといつもこんなにあわただしいんだから!・・・」  こうして1時間ほどで無事台北に帰還。

 MRT雙連駅で降りてホテル向かう途中に「福州胡椒餅」の店がある。大きな竈(かまど)ひとつを爺さんが切り盛りしてるほんの半坪のミニショップ。昨日烏来からの帰りに、好奇心旺盛な女房が、ものは試しと1個買い求めてパクついたら、これが意外と美味しい!と。すっかり気に入った女房がぜひとも土産にしたいというので10個ばかり袋に入れてもらう。

ホテルで一息つくと、さあ、今夜の食事は??、もちろん近場の長春路にある欣欣魚翅房。店に着いたのが7時をかなり廻っていたので、数組の人たちが順番待ち。あきらめて返る人もいる。(私はあきらめない!)30分あまり待って8時過ぎにやっとテーブルに案内される。ここは「台北ナビ」の掲示板では「肯定4割、否定6割」と日本人にはあまり評判はよくないが、客席のは6割くらいは中華系のようだから、地元チャイニーズにはそれなりの評価をされているということであろう。オーダーは例によって「黄金フカヒレの大土鍋煮込み」。二人で1個オーダーしてもニコニコと引き受けてくれて、二人分のサイドエニューに「フカ肉と白菜の煮込み」までサービスするCS志向がなんとも心憎いではありませんか!

 例によってデザートの「豆花」を購入してホテルへ帰ると、荷造りに汗を流す。片付け終えて一息入れると、オッとぅ〜、もう一つ大事な仕事が待っている。デイバックを肩にホテルを出て、MRT龍山寺駅を降りると、目指すは「宏 益」。そう、粽(ちまき)の名店です。味にうるさい三男坊も“ここの肉ちまきが、一番の台湾土産だよ”とお気に入りで、リクエストを受けていたもの。(尤も、リクエストが無くたって、買出しに赴きますが゙・・・)

既に10時を廻っており、シャッターが降りてないか心配でしたが、しっかりと開いてました。(ホッ!)なにせ1個で500g近くはあろうかという代物を20個バッグに入れるとズシリと肩にこたえる。(ちなみに値段は1個40元。こんなに安くてボリュームがあって、美味しいものは、他にありません!)

汗をかきかきホテルへ戻ると、重労働の結果としてお腹が空いてきました。「う〜ん、じゃあ最後にもう一度京鼎楼へ行ってくるわ!」・・・これには女房も呆れ顔。〜〜かくて3日3晩(滞在中毎晩!)小籠包を食べたことになります。まさに“たかが小籠包、されど小籠包”といったところで、結局今回も“B級食い倒れ”の旅となってしまいました。

4日目

 アッという間に帰国の朝です。3泊4日といっても、よ〜く考えると(考えなくても)実質2日間の旅で、アッという間も当然至極なわけです。

2時間前に空港に着いたのですが、カウンターで手続きすると、「座席は5人がけの真ん中です!」との宣告。(※⇒1ページの表現をふり返ってください)

「エッ、そんな殺生な。通路側の席はなんとかなりませんか?」、「お客様は最後の手続きなので仕方ありません・・・アッちょっと待ってください。5人がけですが、真ん中の1席は空いてますよ!」〜ということで、5席“ぎゅうぎゅう詰め”という最悪の事態は免れた。

 時間は十分あるので、2階に上がってスターバックスで小休止。イケメンのおにいちゃんが女房にニッコリ笑って「台湾は如何でしたか?」、「ええ、天気も良くて楽しかったわ」、「それはよかったですね、またお越し下さい」・・・イケメン兄ちゃんの愛想のよさに女房はすっかりご機嫌。“終わり良ければ全てよし”というわけで、「ちょこっとTHE ENDです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

戻る 旅行記目次へ  ホームページへ戻る

 

 

 

   

 

 

 

 

inserted by FC2 system