8月1日(一日目)

ANAのハワイ航路

というようなプロセスを経て無事機上の人となった訳であるが、NH1052便は満席、機内は子供連れのファミリーで賑やかだ。予想どおりというかNWなんかとは段違いのサービスの良さである。食事の内容もエコノミーとしては三星物だ。飲み物もスチュアーデス(キャビンアテンダントか!)がこまめに廻って愛想よくカクテル、ビール、ワインとなんでもござれでジャンジャン出してくれる。(NWだとこんなにこまめに廻って来ないのだ)

例によって只管(ひたすら)食べて、飲んで、後は到着後のハードスケデュールに備えて少しでも休息をと仮眠に努める(でもヤッパリあまり眠れないのだ)

マウイへ

順調にホノルル到着。やや雲が多い。アロハ便への乗換えは到着便の遅れとかで30分近く余計に待たされる搭乗手続きが開始されるや要領よく並んで、進行方向左の窓際の席を確保する。残念ながら雲のせいでダイヤモンドヘッドやハナウマ湾を充分に見ることは出来なかったが、海上に出ると雲は切れ、モロカイ、ラナイ等の島の景色を楽しみながら(これが左側に座る所以、右に座れば見えるは海ばかり)快晴のカフルイ空港へ舞い下りる。さぁ着いたぞ、五年ぶり・三度目のマウイだ!

若い女性ペアとの計二組五人で、チョッピリ太めの陽気なおじさんが運転する出迎えのバンに乗りこむ。窓越しに見るカフルイの町並みは、新しいショッピングセンターが出来たりして随分と奇麗になった感じがする。プルメリアとかハイビスカス、モンキーポットの花が満開で奇麗だ。手前に砂糖黍畑、遠景にハレアカラ山を見ながら暫く走ると、沖合いにモロキニ島を望む海沿いへと出る。

遠くは群青、近くはエメラルドグリーン…これだ、これ!これがマウイの海なんだ…。鮮やかなカラーに時差ボケの眠気もすっ飛ぶ。(女房と息子はよくお休みだ)ラハイナキャナリーモールを過ぎてゴルフ場の高ェ目に入ってくるとカアナパリに到着だ。運チャンは「メンゼイテンネ!」と言ってホエラーズビレッジの前で我々を下ろす。中央の広場へ行くと結構な人だかりである。

「おや、今日は随分賑やかだねぇ?」、

「金曜からマウイオニオンフェスティバルをやってんダ。今日、最終日だから、チェックインし  て早目に来るとイイヨ!」

憧れの?ウエスティン・マウイ

時刻は二時過ぎであったが、チェックイン出来るというので、ホテルへ急ぐ。ロビーを進むと、正面に女房が言ってたあの(!)人工の大きな滝が目に飛び込んでくる。待ち受けていた現地ツーリストのおばさんから片言の日本語で一通りの説明を受けると、六階・山側の部屋のドアを開ける―。

ムム!チョット狭いなぁ、思っていたほど豪華な感じがしないなぁ…というのが第一印象。二人で丁度の部屋で、エクストラベッドをいれるともうゆとりは無い。(これならKBHの方が広いなぁ!)

格安パックだからマウンティン・ヴューなのはまぁ致し方無し。尤も椰子の葉がそよぐゴルフ場から、なだらかな砂糖黍畑とパイナップル畑のすそ野を広げた山へと続く景色はなかなかのもので、ラナイへ出て見晴らすと、あぁー南の島へ来たんだなぁ!とリゾート気分、開放感は充分だ。   

取敢えず荷を解くと、眠いけど腹も減ったなぁ…ということで、遅い昼飯をとりにホエラーズヴィレッジ(W・V)へ向かう。三時半頃だというのにオニオンフェスティバルはもう終りの雰囲気だ。それほど興味を引くような店もイベントも無い。日本なら名産・マウイオニオンを工夫した食べ物の屋台が並んでおいしそうな玉ねぎとチーズの香りでも漂ってくるところであろうが、現実はネットにいれた玉ねぎをゴロ〜ンと置いてあるだけである。

広場中央の階段を降りるとフードコートがある。何故か下関は川棚名物の「たかせ」の瓦そばの店もある。地元(下関)の人もあまり食べない「名物」(私も一度食べたが、ヤッパリまずかった!)なのに、やっていけるのかなぁと人事乍ら心配になる。余計なお世話か!。二軒隣りのピザ屋で三種類のピザとスプライトを求めると外のテーブルでシェアして食べる。周りの景色のせいか案外とイケル味だ。

ビーチサイドのプロムナードをそぞろ歩きして部屋へ戻った後、疲れたという息子の尻を叩くようにしてそそくさと水着に着替えてプールへ行く。なにしろこのホテルはハワイ諸島を象(かたど)った五つのガーデンプールがウリなのだから!(ウオータースライダーもあるのだ)。息子は泳ぎはそんなに好きじゃないというが、結構上手でいざ水に入ると最早スピードでは彼にかなわない(スタミナなら負けないぞ!)

息子をプールに残してビーチへ出る。波も小さく穏やかだが、四、五歩も進むともう背が立たない超急深の海だ。朝から強烈な太陽のエネルギーを吸った海は冷たさを感じさせず心地よい。

私はどんなに疲れていても海(orプール)に入るとシャキッ!とするタイプでしばらく泳いだり、仰向けで波間に漂ったりして楽しむ。傾いた太陽光線を受けて沖合いの島と島の間の海がキラキラと輝き、その中に大型ヨットがシルエットとなって浮かんでいる。まさに絵になるシーンである。

部屋に戻ってバスを使う。浴槽は建築当初のものか、古くて…それに浅い。シャワーの受け皿に毛の生えた程度のもので、タップリと湯を張ってユッタリ寛ぐという訳にはいかない。(ことのついでに言うならば、クロゼットの壁に埋め込んだセイフティーボックスのあまりの小ささとか、他にも一流と言われたにしてはどうかと思わせるような設備が随所にある。

ロビーに並べたコケオドシ風の夥しい美術工芸品…これがこのホテルの自慢のようであるが…を見るにつけ、真のホテルサービスとは何か?、金はもっと他のところに使え!と言いたくなる…なんだかボヤキ漫才みたいだなあ)

バスを出ると日本語デスクから電話があって、「シーフードビュッフェレストランは今晩、スペシャルでロブスターが出ますからオススメです、是非どうぞ。ツアーガイドがよく説明してなかったようなのでお知らせしておきます」と。(今回のパックツアーにはサービスでディナークーポン・一回が付いているのだ)

「夕食、どうする?」

「お昼が遅かったし、時差ボケで食欲ないわ、軽いのでいい」

というので、折角のロブスターは諦め、W・Vのフードコートでテイクアウトしてくることにする。先ずW・Vの外れにあるABCストアで缶ビールとソフトドリンクを買い、次にフードコートへ行き、コリアン・バーベキューでカルビセットをテイク。

ホテルへ戻るとラナイのテーブルをセットして豪華ディナー(?)と決め込む。すっかり日も落ちたので、網戸越しに部屋のスタンドを照らしながらご機嫌でビールを飲んでいたら、忽ちブーンと蚊が寄ってきた。(防虫スプレーを持ってくるんだった!)

食事の後、一人で外へ出てビーチサイドプロムナードを散策。湿気が少ないからサラッとしている。日が落ちると急速に気温が下がり、海からの風が爽やかで心地よく、感じとしてはまるで軽井沢でいるようである。途中ベンチに座って夜の海を眺めていたら、さすがに疲れがドッと出てきて猛烈な睡魔におそわれる。フラフラと部屋に戻るとバッタンキュー、長かった一日目の終りである。

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