1日目

                            オペラハウス

 近畿ツ−リストのツア−一行6組12名、我々を除くと、あとは皆新婚さんだ。マイクロバスに乗込むと先ず目指すはオペラハウス――此処とシンガポ−ルの「マ−ライオン」にもう一つを加えて、「世界の名所・三大ガッカリ」というそうだが、兎も角シドニ−に着いたら、オペラハウスへ行かないことには旅が始まらないのだ(!?)。

 車中から眺める景色はまさに(10年余り前に見た)イギリス−ロンドンの街並みである。煉瓦調のクラシックな建物が多く、落着いた感じがする。大きな木が多く、芝生の緑が奇麗だ。しかしながら、よく見るとあちこちでしっとりとした調和を壊すような工事が進んでいる・・・・シドニ−オリンピックの準備が進行しているのだ。

 バスはシドニ−湾の先端の公園(ミセスマッコリ−ズポイント)で止まる。湾を挟んで、オペラハウスとハ−バ−ブリッヂを遠望する。カシャ、カシャ、カシャ・・・何はともあれ先ずは、全員思い思いにベストアングルを決めて写真撮影だ。オペラハウスをフレ−ムに収めて数枚撮るとようやく落着いて、辺りの景色を楽しむ余裕がでる。快晴の週末とあって湾の中を沢山の遊覧船が行き交っている。

            

             (シドニー湾)   (ミセスマッコリーズポイント)   (オペラハウス)

 公園でしばらく散策を楽しんだ後、オペラハウスへ向かう。階段を上がり、建物の側まで寄ってみると、全体が象牙色の艶のあるタイルで覆われているのがわかる。このタイルの輝きが、時間によって、白色からピンクまで微妙に建物全体の色調を変えていく源である。

                        シドニー湾からロックスへ

オペラハウスを後にすると、途中大きな教会の前で停まる。セント・ジェ−ムス教会、20世紀初頭に一度再建されており、格別の名所ではないとのことながら、入ってみるとなかなかどうして風格のある立派な教会だ。窓々のステンドグラスが美しく、見ていると宗教心の無い私でも次第に敬虔な気持になってくる。前方、祭壇の前では丁度結婚式が始まった。

厳かなオルガンの音に合わせて、新郎・新婦がヴァ−ジンロ−ドを進む。続いて祭壇の周りでは、人々の祝福のコ−ラスが高いド−ムの中に清らかな音色を響かせて広がっていく――。思いがけず素晴らしい結婚式を目の当たりにすることが出来た。

           

 教会を出ると替所兼免税店に寄ってから繁華街ロックス地区へ向かう。両坂を下りて波止場へ行き、港の雰囲気を楽しんだ後(それにしてもどこから眺めても景色の中心にオペラハウスがある)

   

オパ−ルの店やDFSを流して見ていく。DFSはハワイのそれに比べると規模が小さく、品数も少ない。そのせいか、女房もあまり熱を上げないのでホッとする。(いや、亭主の懐具合を考えて我慢していただけか?)

街角の大道芸人やピエロを楽しんだりしているとアッという間に時間が過ぎて充分な昼食の時間が無くなった。ガイドが朝鮮料理店のビビンバがお勧めというので、街角の小公園の中に行ってみると、韓国料理のファ−ストフ−ドスタンドだった。ビビンバとジャンボ春巻きにトライする。(ビ−ルが無いのが残念)ソウルの全州飯店のそれには比ぶべくもないが、まぁ結構いけるじゃないのと言いながら、二人でパクつく。今や朝鮮料理は大衆レベルで、日本料理を超えてワ−ルドワイドになりつつある。

「あのホテルにトム・クル−ズがよく泊ります」云々とか、ガイドの解説の中にしばしばトム・クル−ズの話が出てくる。不思議に思ってよく聞いてみると細君のニコ−ル・キッドマンが豪州生まれで、二人でよく里帰りするらしい。この二人はホモとレズの偽装結婚であるとの噂が根強いが、トムは案外ニコ−ルにゾッコンなのかもしれないなぁと感じる。

タウン・ウオッチング

食事の後はハ−バ−ブリッジを渡って対岸へ―。真面目で親切なガイドで手抜きをすることなく市内の見所を丁寧に回ってくれ、(初めての時はこれがいい)宿(ニッコ−ダ−リングハ−バ−・・・新しくてなかなか内容の良いホテルだ)へ着いたのは午後遅くになっていたが、チェックインを済ませると早々にタウン・ウォッチングに出掛ける。

ダ−リングハ−バ−近辺を一周する(遊園地のそれをちょっと規模を大きくしたような)モノレ−ルがあるので乗ってみる。高いところから街が見渡せる。一周して、目星を付け一番賑やかな処で降りてみる。

東京でいえば銀座の外れといった雰囲気か。通りを進んで行くと中央に大きな公園(その名もハイドパ−ク!)がある。規模は勿論本家のハイドパ−クとは比べ物にならないが、亜熱帯を思わせるような大木が鬱蒼と茂っており、小鳥が多い。(これは本家を超える)
 サギを小さくしたような白い鳥の群れが芝の緑の中に引き立つ。芝生が濃くて緑の絨毯のようにしなやかな感じだ。その上にごろりと横になるとじつに気持がいい。見上げるとビルの上にシドニ−タワ−がそびえたつ。

暫く公園の中をブラブラしてから商店街通りを散策する。週末、朝からパブで飲んだくれている人が多いと聞いていたので、そこかしこに酒屋があるかと思って、ウオッチしてみたが、繁華街なのにアルコ−ルを売っている店が全く無い。女房をホテルへ返した後、ホテルと港を隔てた反対側へ橋を渡ると、再開発され、大きなアトリウムになった洒落た外観のマ−ケットプレイスがあるので、見物がてら軽く一杯という気持で行ってみたが、数多くの飲食店が並ぶ中でビ−ルを(それ以外のアルコ−ルも勿論)置いてある店は一軒もなかった。

週末の夕刻なので、集まって談笑しているグル−プが沢山あったが、皆んな、大の大人がアルコ−ル抜きで、コ−ラとかのソフトドリンクを飲みながら賑やかにやっている・・・一寸摩訶不思議な光景で、オドロキであった。何処でも手軽に酒が飲める日本のほうが異常なのであろうか?

夜はホテルのレストランでシ−フ−ドブッフェ。生牡蠣がおいしく、女房に心配されるほどに殻を山のように重ねる。(そもそもメニュ−の目玉の生牡蠣を心置きなく沢山食べたいから、このブッフェレストランを選んだのだ!)茹でた海老もほんのりとした甘みがあって美味しい。オ−ストラリアワインもなかなかいける。静かで落ち着いた雰囲気、窓越しにダーリングハーバーの夜景が綺麗だ。  

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