(2018・7・14〜9・20)

はじめに

 今年は最初の1週間がヒルトン・カリアタワー、それからいつものフェウエイビラに移って60日、合計67泊のロングステイです。「滞在日記」は妻がせっせとブログを書いていましたので、そちらに譲ります。⇒「お散歩えこちゃん」http://ekotyan.blog65.fc2.com/

 64歳で完全リタイアしてから、念願であったハワイ・ロングステイが始まったので、早いもので今年で10年目となりました。ワイキキでの快適な暮らしを中心に、時折バスに乗って少し離れた場所へ出かけ美しい自然を楽しむことに喜びを実感する日々です。

 私にとっては、夏のこの時期、あちこちで頻繁に開催されるライブ・イベントに行くのが何よりの楽しみで、今年も多くのミュージシャンのライブを楽しみました。 

(お断り:写真を記録した携帯用外付けハードデスクが滞在中に壊れてしまい、妻のブログをはじめ、写真をアチコチから集めざるをえなくなりました)

 

スチールギター・フェスティバル(7/14)

 2年前からロイヤルハワイアンセンターのステージに移ったこの催し、今年はなんと7/9〜7/14の6日間に亘って開催。最終日の14日の夜は7時から(そもそもこのフェスタの創始者である)アラン・アカカのトリオが登場するという。お馴染みの(!)アカカさんとあっては、これは聴きにいかなくちゃぁ!。

到着初日の慌ただしい中、“ようやるわ!”とあきれ顔の妻をしり目に、(あらかたの整備は完了したと判断し、)いそいそと会場に駆け付ける・・・ところがステージで演奏しているのはアカカ・トリオではなく、超ベテランと思しきミュージシャン(のトリオ)。肝心のスチールギターは極めてオーソドックスな演奏で・・・ということは些かインパクトに欠けます。

 続いて登場したのはマウイ島からやってきたジェロニモ・”ゲリ“・ヴァルデリス。歌もやります。スチールギターで“弾き語り”というのは珍しい。ちょいと“しわがれ声”で、よく言えば、“味のある”ボーカルです。

トリはグレッグ・サルディーナ&ポオケラ。この人も上手だが、個性に欠けて面白味がない。で、失礼ながら演奏途中で退散。(まだ晩飯食べてないしなぁ・・・)

“昔のほうがよかった!”と言うのは歳をとった証拠ですが、フェスタ創始者のアカカさんを中心にボビー・インガノなど個性的な奏者が出演した3年前までの(ビーチウォークの広場で開催された)一日限りのフェスティバルのほうがよかったなぁ!・・・特に最後の参加者全員でのジャムセッションは(阿波踊りの“総踊り”に似て)壮観でした。

 

第48回ウクレレフェスティバル(7/15)

 主宰者ロイ・サクマの“ウクレレを愛する全ての人へ!”という運営方針によって、年々盛んになるこのフェスタ。アマチュアの参加が増加しているので、今年はオープニングからの視聴はやめて、プロ中心となる午後から見参。(昨日の疲れもあるかな?!)

 総合司会は例年通り“アロハ大使”のダニー・カレイキニ。今年は孫のニコラスのサックスと共演してご機嫌で、衰えを知らない素晴らしい歌声を響かせていました。

 今年の注目はライアテア・ヘルム=私の一押しの歌姫。天まで届くような伸びやかで清明感のあるファルセットは圧巻です。

  

 次は、ビートルズ・トリビュートのビート・レレ。昨年の動物園コンサートが初体験でしたが、ウクレレ3人とパーカッションのカルテットは単なるカバーを超えて、ビートルズミュージックに新しい命を吹き込んでいるような感じがします。

 そして、お待ちかねのジェイク・シマブクロ。誰かとコラボすることが多いですが、最近の共演者はチェロ奏者のジョシュ・ナカザワ。ウクレレとクラシックのチェロとの組み合わせは意表をついて面白いのですが、気立てのいいジェイクはジョイントすると、どうしても相手を立ててしまいます。やはり、ジェイクはソロがいいなぁ!

    

 

 トリは「フラレパッド」・・・京都から来た前田クンと清水クンのデュオ。3年連続のトリを務めます。かれこれ7,8年前から彼らのステージを見ていますが、演奏は本当に成長したなぁ!と実感します。しかし国内、特に関東では殆ど無名で、誰かいいプロデューサーが付いてくれないかなぁ!と思います。キャスターの中で一番ミュージック界に詳しい小倉さん、「トクだね」に登場させてくれませんか!

  

動物園コンサート(7/18〜)

 ロイ・サクマがプロデュースするもう一つのイベントが、ホノルル動物園コンサート。例年6〜8月にかけて動物園の野外ステージで開催されますが、私にとっての今季お初は7/18のマノアDNA。

 おや?ステージ・フロントで演奏するのは2人!・・・実は長男のニックはファミリーの事業に専念するということで、今年初めに引退したそうです。これだと「マノアD&A」ですが、次男坊アレックスの成長もあり、依然と変わらぬ楽しいステージでした。観客側でふと横を見ると、ニックがお母さんや嫁さんと一緒にステージを見つめていました。

 7/25はマカハサンズ。1976年にスキッピーをリーダーとして結成され、その後弟のイズが参加し、スキッピーが亡くなった後はイズがリーダーを務めましたが、その後イズも脱退・・・こうして紆余曲折を経てきた歴史的なグループです。現在のメンバーは6弦ギターのルイス・ムーン・カウアカヒをリーダーに、12弦ギターのジェローム・ココ、そして○○のトリオ。プレーヤーは一新ですが、歴史あるグループの伝統を受け継ぐ美しいメロディの連続でした。

  

 8/1はジョニー・ヘルムと仲間たち。“ロック&ブルース”といった感じで、私の好きなジャンルではありませんが、ジョニーの歌とギター、そしてリードギター(エレキ)のレベルが高いので、楽しめました。

 8/8は他に予定があって(後述)パスして、今シーズン最後の8/15はジョン・ヤマサトとアイアン・マンゴ。ギタリストのジョン・ヤマサトは、以前オオタ・ジュニアやジェイク・シマブコロと組んで活動していました。ウクレレ・フェスティバルでもジェイクとの共演を聴いたことがあります。

 

(オオタ・ジュニアと)(ジェイク、ロバカ・コロンと)

 で、その彼が今日はアイアン・マンゴ(=鉄のマンゴ)という奇妙な名前のトリオと組んで登場。私にとって初めての「アイアン・マンゴ」ですが、このトリオがスゴイ!・・・ベースギターでボーカル担当のハスキーで且つ豊かな歌声もなかなかのものだし、歯切れのいいウクレレ演奏も素晴らしい。そして圧巻はボンゴを肩から吊るし、股に挟むようにして舞台狭しと動き回るパーカッショニストの迫力!熱帯雨林の鳥のさえずりそのままの擬音モノマネも最高で、全体のリーダーである筈のヤマサトの存在がすっかり霞んでしまった程でした。

  

 

プリンス・ロト・フラ・フェスティバル(7/22)

 従来“この木なんの木”のモアナルアガーデンで開催されてきたこのフェスティバルは昨年からイオラニ宮殿に引っ越したようです。一旦は禁止されたフラを復活するなどハワイ人のハワイを取り戻そうと尽力しながら志半ばで逝ったプリンス・ロト=カメハメハ5世を称える大会なら、イオラニ宮殿広場で開催するのが相応しいかもしれません。

  

(大勢の人で賑わっています)

 この大会の真骨頂はクラシック・フラ中心ということです。数多く登場のグループの中において、明日を担う少年たちの迫力ある踊りにはひときわ拍手が多かったのが印象的でした。(彼らを撮った写真は復活できません・・・残念!)

  

インターナショナル・マーケットプレイス2周年(7/21、28)

 昨年の1周年には、盛大なコンサートが開催されましたが、2年目は拍子抜けするほどひっそりと・・・といった感じ。7/21はマイク・イゾン、7/28はケイラナという、いずれも無名に近い(私が知らないだけ?!)若手の登場。無名でも若手でもいいんです!・・・将来楽しみと思わせるキラリと光る個性や才能があればいいんですが、残念ながらこの二人にはそう感じさせるものは無く、20分ほど聞いて退散しました。(私のメガネ違いであることを祈ります)

 インタマ自体には客はそこそこ集まるものの、店舗に入って買う客は少なく、ショップやレストランの撤退が相次いでいます。せっかく広場があるんだから、実力派のミュージシャンを起用した企画が欲しいところですね!

 

(マイク・イソン)      (ケイラナ)

ナ・フラ・フェスティバル(8/5)

 ホノルル市主催の市民フラ大会。フラ教室が5つほど参加。今日が私の晴れ舞台!と、おちびちゃんからシニアまでが楽しそうに踊っています。最大の規模を誇るプアナニ・アラマ教室が今年もいちばん華やかで、主宰者のアラマさん(90ウン歳)は今年も元気な姿を見せていました。

    

ロイヤルハワイアンセンター/ロイヤルコート

 此処では火〜金の毎日6時〜7時に地元ミュージシャンとモダン・フラのショーがありますが、あまり名の知れたアーティストは登場しません。ところが、月初の火〜木にかけては人気ミュージシャンが登場という情報があったので、8/8に行ってみると、スラッキー・ギターの俊英ダニー・カヴァーリョがトリオで登場。やはり、うまいなぁ!と思わせるギター・テクニックです。今日のダニーは何曲か歌も披露しましたが、ギターに専念したほうがいいように感じました。フラを踊るのはナニ・エドガー。去年のスラッキーギター・フェストでもデュオで登場していましたから、結婚したのかな?!

 

ビーチウォーク・ライブ&フラ

 毎週火曜日の4:30〜6:00迄通称ビーチウォーク(正確にはルワーズ通り)の広場でライブ&フラを開催しています。90分の長丁場に亘って豊潤といっていい歌声と巧みなギターの演奏で観衆を魅了するのは、有名なクムフラで此処ビーチウォークの文化アドバイザーでもあるブレイン・カマラニ・キア。(千葉にも彼の教室があるそうです)横のベースギターの叔父さんの歌唱力もなかなかのもので、聴きごたえがあります。

 そしてスラリとした肢体で優雅なフラを披露する美人はキア夫人。又、素朴な感じの娘っ子56人のフラはよくシンクロしていて、動きがとても滑らか。(中心にいるのはキア氏の次女だとか)ワイキキで数多く見る機会のあるフラダンスの中で、私は此処のフラが一番好きです。キア氏のクムフラとしての指導が優れているのでしょう。いやぁ、毎週これだけの素晴らしい音楽とフラが気楽に楽しめるというのはワイキキならでは!であります。

 

ロイヤルグローブホテル・ライブ  (毎週月曜日)

 この中華系の老舗(?)ホテルの中庭ロビーで、毎週月曜日の7〜9時にローカルなライブが開催されています。プロアマ混成のミュージシャンの歌と演奏に合わせ、観衆がフラを踊って楽しむというワイキキでは稀有なアットホームな雰囲気で楽しいライブです。長年通ってミュージシャン達とは顔なじみで、時にバンマスから私に「ハイ、ボンダンス!」と声がかかります。(ひっそりと、ワイキキで阿波踊りの普及に努めています?・・・)

      

(クムフラとイタリア系女性)(常連のピーターさん)(キャロラインさんの指導で一緒に)(変なおじさん)

 

第36回スラッキーギター・フェスティバル  (8/11)

 今年のスラッキー・フェスタは8/11にワイキキ水族館の広場で開催されました。此の場所は初めてです。入場料はこれまで通り無料ですが、水族館への「ドネーション=寄付」として$5が必要です。12時開演の少し前ですが、次々と観客が入っていきます。

ステージ前の芝生広場は広々として気持いいですが、生憎と(?)今日は快晴。暑さをものともせず、ステージの正面にイスを並べる人たちがいますが、私は長丁場になるので、後ろのフェンスに近い木陰に陣取ります。やっぱり、カピオラニ公園で開催してほしいなぁ!・・・。

 最初は初登場の若手ジョナー・ドミンゴ。個性がちょっと弱いような感じですが、今後成長していけるでしょうか?

 2番目は早くも常連のスティーヴン・イングリス。大学教授のような雰囲気ですが、表現力は豊かで、最近は歌も唄います。

 3番目はドナルド・カウリア。顔に似合わず(?)優しいメロディでした

 次はジョージ・クオ。大ベテランで、彼だけが使いこなす(?)ダブルネックギターが特徴です。 演奏が終わった後は、私の席の後ろに来て、アロハの胸をはだけ、くつろいだ雰囲気で弁当をパクついてました。

 そして、カムエラ・カホアノ

 次は、私の“ご贔屓”のホ・オケナ。去年あたりから、グレン・スミス一人ではなく、トリオで出演です。 やはり、彼らの豊かで美しいボイスはいいですね。今日はリーダーのマヌ・ボイドの奥さん(=美人フラダンサー)も登場し、ボイドと二人でフラダンスもサービスしていました。

次はエリック・リー。見た目はゴッツイ感じですが・・・。

 そして常連のポール・トギオカ。毎年、態々カウアイ島から参上ですが、主宰者ミルトン・ラウのプロダクションに属しているからかな? 今日も“ジャパネスク”なメロディーで魅了してくれました。

 次は本日唯一の女性、エイジャ・ギャンブル。26歳になり、成長の跡が窺えて、うれしいですね。

 ベテランのドワイト・カナエ。歌も堂に入ったもので、しかも年々進化しているように感じられるからスゴイ!

 イアン・オサリヴァン・・・独学でギターを学んだ後、名門エール大学へ進み、ギターで修士号を取得したというインテリ。スラッキーとクラシックギターを融合した格調高い演奏が印象的です。以前は何か物足りないと!という印象でしたが、今日の演奏は素晴らしかったです。彼の実力に私の理解力が少し追いついてきたということかもしれません。

 ムーンカヘレ・・・彼もちょっとイカツい風貌ですが、奏でる演奏はロマンチックです。

 ネイサン・アウェアウ・・・ナ・ホク・ハノハノ(=ハワイのグラミー賞)で、男性最優秀ボーカリストを3度も受賞した、今いちばん脂ののっているミュージシャン。「ハパ」の一員としても活躍し、スラッキー・ギターの他にピアノ、ウクレレ、ギター、サクソフォン、ベースもこなすマルチ・プレーヤー。今日も素敵な歌声を響かせました。

 本日のトリはブラザー・ノーランド。司会のハリー・B・ソリア・ジュニアが「今日は全く新しいブラザーです!」と紹介しましたが、ステージに現れた姿を見るとその通りで、まず演奏スタイルが違います。昨年まではステージ中央にでん!と座るや、左右にイングリス、クリス・ラウやドワイト・カナエ等を従えて、独特のダミ声で、スローな弾き語りでしたが、今年はなんと中央にスタンディング。そして左にベースギター、右にはソプラノサックスというトリオで登場。

 そして軽快なジャジーなメロディを披露。ニュー・ブラザーの音楽は素晴らしかったですが、特筆すべきは、右のソプラノサックス・プレーヤー。一見アマチュアのような雰囲気の(日系の)おじさんですが、メリハリの利いた演奏が素晴らしい。ソプラノ・トロンボーンでもいうべき高音を強調した演奏もじつに個性的でした。いやぁ、突然変異的に進化した(!)ブラザー・ノーランドに脱帽です。

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