4日目 3月13日(月)  快晴

 今日は自由の女神へ参ります。ネット情報では「混むので、早く出かけたほうがいい」ということなので、例によって“簡単朝かゆ”朝食を済ますと、ソソクサとメトロCDEで南へ下り、ボウリンググリーン駅へ。

     

  駅を出ると、バッテリーパークを歩いて、クリントン砦へ向かいます。砦の中がチケット売場になっています。9時前なので、まだ客は少ないです。この砦は独立戦争の折に英国軍の上陸に備えて築かれたが、実際には戦闘用に使われたことはなかったらしい。

(砦の前にはこんなブロンズ像もあります)

 チケットを入手すると、次は検門所。ここで飛行機登乗時なみの厳重な検査(=靴も脱ぎます!)が行われます。早起きしたお陰で9:30発の船に乗ることが出来ました。寒いのを我慢して3階のデッキで景色を眺めます。自由の女神も見えてきました。

       

 桟橋に到着しました。

 

 先ずは桟橋の反対側に廻ってマンハッタンを展望。

  

 女神像はアメリカ独立100年を祝って独立運動を支援した(実際はイギリスを邪魔してやろうとした?)フランスから贈られ、1886年に完成しました。

さぁ、自由の女神の廻りをぐるりと廻ります。どこから見てもトレビアン!です。

   

女神像をじっくりと眺めて船に乗り、次はエリス島へ。此処は19世紀後半から60年余りの間、合衆国移民局が設置されていて、ヨーロッパからの移民は一旦この島に上陸して入国審査をうけてから本土へと渡りました。

    

3階に上がると、当時の資料やパネルが数多く展示されています。大西洋航路の大型汽船に乗って、ヨーロッパ各地から大勢の移民がウンカの如く押し寄せていた様が良く分かります。アメリカ合衆国はこれらの移民によって成り立っているわけです。

    

    

バッテリーパークに帰ってきました。お昼過ぎになると、クリントン砦の前にはチケットを求める長い行列が出来ていました。オフシーズンの月曜日だというのにスゴイですね!

  

 

次は、ウオール街を目指します。その前にちょっと空腹を感じたので、「BENTO&SUSHI」と書かれた店で、小腹を満たします。(カリフォルニアロールと生春巻きです)

先ずはチャージングブル・・・高さ3.4 mで、長さは4.9 m、重さは3,200キログラム・・・と堂々の巨体です。ブルは金融用語でブル・マーケット(=アグレッシブで楽観的な繁盛市況・上昇相場)の象徴で、この像の後ろに回って股間の○○に触ると金運がつくといわれており、みんな代わりばんこで、○○に触る&掴むで、大賑わいです。

    

ウオール街に入ると、NY証券取引所とフェデラルホールが目を惹きます。

(ウオール街)

フェデラルホールはもともとニューヨークの市庁舎として建設されたが、1789年にニューヨークが合衆国の首都になった際に合衆国の議事堂となり、フェデラルホールと改称された。第1回の議会でワシントンが初代大統領に選出されバルコニーで就任演説を行ったという。当時の建物は残念ながら1812年に取り壊され、現在目にしている建物は1842年に税関として建設されたもの。

    

NY証券取引所) (フェデラルホール) (ワシントン像)

ホールの中に入ると、天井のドームが印象的です。

    

 ウオール街からブロードウエイに出ると、トリニティ教会があります。1698年に建設されたニューヨーク最古の教会ですが、1776年のニューヨーク市大火災で焼け落ち、2代目は1790年に完工したものの1839年の大雪で甚大な損傷を受け、現在の建物は3代目で1846年に完成したものだとか。ゴシック様式の尖塔が特徴的です。

 1890年までニューヨークでいちばん高い建物だったそうで、NYで最も歴史を感じることが出来る建物と言えましょう。

      

教会わきを抜けてGreenwichストリートを北上すると、.11メモリアルパークです。ワン・ワールドトレードセンタービルがそびえ立っています。2014年に完成し、高さは1776フィート(約541m)。現在アメリカで一番高いビルです。その右横が2006年に完成した「7・ワールドトレードセンタービル」52階で高さ226m。

あの大惨事から早15年半、現場は着実に復興していました。多くの超モダンなビルが立ち並んでいます。2つの超高層ビルに続いて、このあと4つの超高層ビルが建つということです。このエリア一帯が完全に落ち着くのはしばらく先のことになりそうです。

崩壊したツインタワーが建っていた場所には、四角い池(リフレクティングプール)が設置され、その周りには全犠牲者の名前が彫られています。花束が手向けられていました

    

プールの近くに、20145月、9・11メモリアルミュージアムがオープンしました。シティパスに此処のチケットが含まれているので、入ってみることにします。半分地下に埋もれたようなガラス張りの建物です。反対側に廻ると、入場者の長い号列が出来ていました。

       

 エスカレーターの脇には倒壊したツインビルの鉄骨の残骸があり、当時の凄まじさを思い起こさせます。 地上のビルは小さいですが。地下には巨大な空間が広がり、ローマの遺跡のようになった当時の残骸があって、厳粛な気持ちで多くの犠牲者の冥福を祈る気分が強くなるような設定になっています。

     

 当時のパネルもありますが、訪れる遺族に配慮してか、衝撃的な写真はありません。

   

 実際は↓こんなんだったんですね!(出発前に、オリバー・ストーン/監督、ニコラス・ケイジ/主演の「ワールドトレードセンター」・・・当時ビルの地下に生き埋めになり数日後に救出された港湾警察員の様相を描いた、実話に基づいたドキュメンタリータッチの映画を見たので、より印象が深かったです)

       

 沈痛な気分で地上に戻ると、奇妙な建物が目にとまりました。通称「オキュラス=OCULUS=ラテン語で眼」・・・地下でこの地区のメトロや鉄道を繋ぐトランスポーテーション・ハブとして昨年3月に完成したばかりの建物で話題を呼んでいるそうです。スペインの建築家サンティアゴ・カラトラバ氏の設計で、ダリやピカソも驚く(であろう)ほどの斬新なデザインです。

   

 中に入ると、これがまたスゴイ!両側はショッピングモールになっていて、その地下にニュージャ−ジへ行くトレインやメトロの駅があるそうです。このエリアの未来へのシンボルと言えましょう。

  

 ちなみにカラトラバ氏の作品には↓アテネオリンピックのメインスタジアムやミルウォーキー美術館・新館、バルセロナオリンピックスタディアムの聖火台(=モンジュイックの丘へ行く途中に、バスの窓から見えたものですね)などがあります。なるほど曲線を巧みにデザインした独創的なフォルムですね。

    

(画像は、ウイキペディアより)

 ミレニアムヒルトンを過ぎてフルトン駅からC線に乗って、次はチェルシー地区へ向かいます。このエリアはアートギャラリーが多く集まり、NYで一番ファッショナブルなスポットということですが、ちょっと歩いた感じではどちらかというと“下町っぽい”感じです。

私たちが目指すのはチェルシーマーケット。此処はナビスコのオレオ工場だったものをリノベーションして1997年にマーケットとしてオープンし、近年は年間600万人もの人が訪れる人気マーケットだという。

 

910Av,1516thとワンブロックを占めており、工場跡を強調してか壁は赤こげ茶のレンガブロックで覆われ重々しい感じです。食品関係を中心に様々な店舗が入っています。レストラン&スナックにはアジア系の店が多く、各店がかなり刺激臭を出しているので、それがミックスされていやな臭いが漂っている箇所が多いですが、地元の人はあまり気にしないのでしょうか? 

又ゆとりの空間がなく、ちょっと一休みできるようなベンチなどもありません。例えば川崎ラゾーナなど最近の日本のショッピングモールのほうが、はるかに「モール造り」が上手だなと感じました。

一番人気のレストラン(?)が「ロブスタープレイス」で、蒸したロブスターがクラッシュアイスの上に並べられており、それを1匹まるごと量り売り。ミディアム(約2ポンド)で$58.95と結構なお値段です。皆さんスタンドで“立ち食い”でロブスターと格闘しています。

    

 慎ましやかな我が家は、もう一つの人気商品=ロブスター・サンド&ロブスター・ビスクを頂くことにします。

 サンド($20)を注文すると、暫くして大きなランチボックスが渡されました。「エェッ、こんなにデカイの?」と蓋を開けると、レモネードボトル・ポテトチップ・クッキーがメインで、肝心のサンドは隅っこに控えています。ちょっとアコギな”抱き合わせ商法”かなと思いましたが、サンドそのものはフレッシュなロブスターの身がギッシリと詰まっており大変美味しい。又ビスク($5)も濃厚なロブスターの旨味で絶品でした。(今回の旅行で食べた品々の中でこのセットが1番美味しかった!)

    

 近くの一角はフレッシュ・シーフード・コーナーで、生魚、ランゴスティン(大型のアカザエビ)、生牡蠣を並べた店や寿司屋、オイスターバーが並んでいました。品質がいい分、値段はけっこう高めのようです。

    

ニューヨーク最古のチョコレート屋「ライラック・チョコレート」でオレンジピールチョコをお買い上げ。

  

 妻が「スーパーにも行ってみたい!」と言うので、先ずはトレーダーズジョーへ行ってみます。

 

 中に入ると人でいっぱい。とにかく安い(例えばちょっと小さめのオレンジが一袋15個くらいで$2.60位)

 夕方5時過ぎ、どんどン人が増えてきて、商品棚の間はカートの長い行列で、チョロチョロ棚の品定めをしていると、「早く進め!」と後ろからドヤされる有様。落ち着いて買い物が出来ませんが、妻は「あまり買いたいモノが無いわね!」と。まァ、日本でいえばドンキホーテのレベルを下げたような感じです。でも物価高のNYでは庶民に人気があるのでしょうね。

ほうほうの体で店を出ると、次は通りを3つ北に上がったホールフーズハワイのカハラではちょいと洒落た食品スーパーとして人気ですが、NYでは普通の食品スーパーといった感じ。

  

トレーダージョーズよりは値段高めです。此処も大混雑で先ずカートをゲットするために長蛇の列。いくつかの品を購入すると、今度はレジめがけて長〜い長〜い行列が出来ています。NYの勤め人は残業などしないので、5時を過ぎると即退社で、帰りがけに買い物ということで、夕方はこんなに大混雑するのでしょうか?

 近くのメトロ@ABの23thで乗車し、42thでS線に乗り換え、更に次のグランドセントラルでCDEに乗り換えて無事帰還。(地下鉄もだいぶ乗りこなせるようになりました)

 

 今夜の夕食はホテルから徒歩5分足らずのル・ルレ・デュ・ベニス・ラントルコート舌を噛みそうな名前ですが、ベルギー生まれのちょっと変わった?ステーキレストランということです。店内は落ち着いた感じです。壁のそこかしこにヴェネチア風景の絵が架けてあるのが店の名前の由来でしょうか?

  

 可愛いウエイトレスが来て「当店は初めてですか?」・・・ネット情報で勝手は分かっていますが、「イエス」と答えると、「では、メニューの説明をします。先ずグリーンサラダが出ます。メインはステーキとフライドポテトです。焼き方は、レア・ミディアム・ウエルダンの3種です」「あの〜ミディアムレアは?」「ありません」 ・・・といった説明がありました。「飲み物は?」・・・ビールを注文すると、クローネンブルグ=フランスのビールが出てきました。〜〜かくてNYで、ベルギー生まれの、ヴェネチアの雰囲気のレストランで、フランスのビールを飲むという多国籍な感じと相成りました。

 すぐに、パンと、クルミを散らしたマスタードドレッシングのグリーンサラダが出てきました。ビールのツマミになりますね。やがてお待ちかねのステーキ登場。なんと薄くスライスしてあります。秘伝というトロッとしたソースが架けてあり、柔らかくて結構美味しいお肉です。日本人には向いているといえますが、ニューヨークッ子にはちょっと迫力不足かもしれません。(私が心配することはないのですが)。横にはフライドポテトが山盛り(ちなみによく“フレンチフライ”と言いますが、実はベルギー発祥なんですね)

 

 ステーキを食べ終わると、ほどなく“お代り”のステーキと、フライドポテトが又々こんもりと・・・自動的に“お代り”が提供されるので、知らないとビックリしますが、良く考えるとこの2回で一人前なのかもしれません。

 メインのメニューはこのステーキだけですから、超合理的な経営方法です。これだと厨房にはステーキを焼くチーフとアシスタント2人くらいでいいかもしれません。(因みに料理とビール2本で$93.76=税サ込=でした)

NYのレストランでのディナーとしては格安と言えましょう。

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