五日目・2月7日(日)

 天気予報を見ると「曇り、午後から晴れ」とのこと。外へ出てみると、相当に冷え込んでます。体感的には5〜7℃といったところで、南国フロリダが、これでは東京と変わりありません。それで、かなり着込んで本日は3つ目のテーマパーク、エプコットへ出かけます。

ゲートインすると、先ずこのパークのシンボル、球体のスペースシップ・アース館が目に飛び込んできます。

 

  が、真っ先に向かうのは「ソアリン」 なんでもロスの元祖ディズニーランド創立50周年を記念してお目見えしたアトラクションだとか。ピシッとブルーの制服で身を固めた係員(機長?)のえらくもったいぶった説明のあと、座席に座ると高さ12mまでせり上がり、大きなスクリーンの前に出ます。目の前にはヨセミテやサンフランシスコ湾などカリフォルニアの大自然の空撮風景が映し出され、まるで空を飛んでこの絶景を眺めているような爽快な気分になるところがミソです。

 次は「シー・ウイズ・ニモ&フレンズ館」 先ずニモとその仲間たちが映し出されるトンネルを乗り物でめぐります。これは完全なお子様向け。その先に巨大な水槽があり、大小さまざまの魚や海亀たちが悠然と泳いでおり、これは魚好きの大人なら充分楽しめます。水槽のガラスを隔てて、「イルカは形状を判別できる」というデモンストレーションもやっていました。

                    

  次は「テストトラック」 GM提供による、新車の走行テストをイメージしたアトラクション。このパークでいちばん人気のようで随分待たされました。(ここはファストパスが有効なようです)6人乗りの車に乗り込むとテストコースを突っ走り、傾斜50度のところを猛スピードで駆け抜けるところはスリルがありました。

               

  外へ出ると、いつの間にか雲は無くなり、青空が広がっています。しかし一向に気温は上がらず、モーレツに寒いです。(妻は完全装備ですが、私は半装備で、妻を見習うんだったと後悔)

 エプコットは中央の大きな池で「前部=アトラクション群」と「後部=万博のような各国館」に分かれています。お昼になったので、ボートに乗って池を渡り、桟橋に着くと、目指すはフランス館

                    

   さすがフランス!というか、メインの建物は立派な構えのレストラン。既にかなりの席が埋まって、皆さん、昼間っから優雅にワインなんぞ飲んでいらっしゃいます。我々は路地の奥のパティスリーへ。ここも店内は大賑わい。行列に並んで、フランスパンとクロワッサンのハムサンド、それに野菜のキッシュ(と、ファンタ)を注文。クロワッサン・サンドとキッシュは暖めてくれます。

トレーに載せて屋外のテーブルへ。どうにも寒いです! 暖めた2品は美味しかったですが、フランスパン・サンドはイマイチ。中身のハムがショッパイだけで旨味がないのです。これならローマのパニーニが上。何故かというと、ローマは中身が生ハムだからです。フランス館といっても、此処はアメリカですから、ハムは地元のものなんでしょうねぇ。

                

   軽食の後は、奥のシアターのパノラマビジョンの大画面でフランスの美しい景色を楽しみます。次はカナダ館。ここはロッキー山岳地帯の急流を模した建物内に入ると、360度のサークルビジョンが売り物で、やはりカナダの大自然が楽しめました。

 ボートで再びアトラクション・エリアに戻って、「ユニバース・オブ・エナジー館」 巨大な建物です。先ず5つのスクリーンを繋いだ大画面でエネルギー関係を説明した、つまらない映像に付き合います。飽いたころにスクリーンの下の扉が開き数百人用の座席に座ります。するとなんと、この3列の座席が縦隊になって動いていくではありませんか!これにはビックリしました。

ベンチごと動いて暗闇の中へ入っていくと、中世代の恐竜の世界。しかし、「ジュラシックパーク」や「キングコング」で、ティラノサウルスやラプトルが生き生きと躍動する画面を見た者にとっては所詮子供だましの張りぼてに過ぎません。“大袈裟な装置のわりに、しょうもないもん作りやがって・・・!”という感じです。

次は「ミッション・スペース」 宇宙船に乗り込んで火星探索訓練を受けるという設定。案内の画面には機長兼教官役として見たことのある顔が現れたと思ったら、なんとハリウッドスターのゲイリー・シニーズ。(もっとも随分若い感じで、このアトラクションがかなり前に出来たんだと知れます)

 乗車前に「日本人は事前に説明書をお読み下さい」と表示があり、妻が傍に行って読むと「体調が悪い方や妊娠中の方は御遠慮下さい」とのこと。なんと大袈裟なと、ちょっと小馬鹿にしましたが、実際スタートすると、加重がかかって少し気分が悪くなり、終了後もしばらく、その感じが残ってました。警告をバカにしてはいけません!と反省。

もう一度、ボートで万国館コーナーへ戻ると、敬意を表して、日本館へ。大池の中には安芸の宮島の大鳥居が立っています。振り向くと、五重の塔に大本堂。本格的です。お堂の前では日本人女性が“飴細工”を実演しており、アメリカ人たちは興味津々で見つめています。本堂の中は日本製品のショップで、なんと三越でした。

ショップを出るとお城の天守閣があり、石垣も本格的な堂々の建築です。食堂の暖簾を潜ると、ヤキトリ、うどん、テンプラ、寿司などがあって、アメリカ人が器用に箸を使って、太巻きなんぞを頬張っておりました。

                   

                       

   最後にもう一度フランス館のパティスリーに戻って、ケーキ類を購入して(これが戻った理由?!)エプコットの終了。いや、それにしても寒い一日でした。

到着時にガイドが「エプコットはつまらないですよ」と言ってましたが、確かにその通り。此処のキーワードは「未来」や「宇宙」といったものでしょうが、出来た当初に比べると、現実がその未来予想を超えてしまったというのが、“つまらない”と感じる原因でしょうか!  

因みに後日調べてみると〜〜、EPCOTとは、Experimental Prototype Community of Tomorrow の略で、「実験的未来都市のプロトタイプ」を意味し、ウォルト・ディズニーがWDWの開発に着手したときの基本理念だったそうです。未来の住環境の提供といったものをイメージしていたんでしょうが、その構想を実現することなく他界したため、あとを継いだスタッフが、その名前をこのテーマパークとして蘇らせたということです。ウォルトがこのパークを見たら、果たしてなんというでしょうか?

 

六日目・2月8日(月)

 今日は快晴で、気温も上昇するようで、やっとフロリダらしくなってきました。で、テーマパークの最後として、マジックキングダムへ向かいます。

此処は東京ディズニーランドとほぼ同じ内容ということですが、好天気のせいもあってか、朝から大勢の子ども連れで賑わっています。園内に入ると、やはり目に入いるのはシンデレラ城。 その前にはミッキーを連れたウオルト・ディズニーの像もあります。

                          

    記念撮影を終えると、先ず向かったのはトゥモローランドの「バズ・ストライヤーのスペースレンジャー・スピン」 宇宙トロッコ(?)に乗って、天井や壁面に映るモンスターをレーザーでシューティングして点数を競うという乗り物。童心に返って結構楽しみました。途中でどこかの銚子がおかしくなったのか、数分間立ち止まってしまいました。(こんなこともあるんですねぇ、ジェットコースターでなくてよかった!・・・)

中でのワンシーンが下・右の写真。買うと$10くらいするので、ディスプレイに登場したところを妻がすかさずパチリ!ファインプレーです。

               

 次は「ステッチのグレイト・エスケイプ」 ステッチが閉じ込められた円筒の周りに座ると、やがてステッチが逃げ出して、観客にイタズラをして楽しむという趣向。耳の横でステッチの声が聞こえたり、髪の毛を撫でられたりと、(なんで態々俺の髪をイタズラするんだ!)まるで直ぐ傍にステッチがいるような感じにさせられました。

              

それから「トゥモローランド・トランジット・オーソリティ」 という、未来型都市交通システムに乗って、トゥモローランドを一周。

                     

 次は「スピードウエイ」 車体下中央にレールがあり、老いも若きも幼きも、そして免許証の無い人も(!)楽しめるゴーカートです。(写真上・右)

  トゥモーランドを終えて(メダマの「スペースマウンティン」は妻の拒否権でカット)、ファンタジーランドへ。「白雪姫の冒険」 ・・・お子様向けとしてはよく出来ています。「ピーターパン空の旅」は何故か長蛇の列なので省略して、3Dの「ミッキーのフィルファーマジック」・・・ ミッキーというよりもドナルドダック主演のCGアニメで(優等生のミッキーより、イタズラ小僧のドナルドが面白くていいですネ!)、ディズニー映画主演キャラが総動員。短時間で巧みに構成されており、画面は美しくダイナミックでスピーディ。ドナルド達の立体映像も素晴らしい。  

  話は少しそれますが、旅行から帰って、話題の3D映画「アバター」を見ました。”飛び出し”なら、断然WDWの3Dが上です。しかし「アバター」の3Dの特徴=素晴らしさは、「奥行き」にあるんですね。15分程度の間なら「飛び出し」の連続でビックリしながら楽しめますが、2時間前後(アバターの場合は160分!)の長時間だと、「飛び出し」連発では目が疲れて不快感を覚えるでしょう。キャメロン監督はそういったことも考慮に入れたのでしょうね。

 〜〜ともかくWDWの3Dの「飛び出し」は素晴らしかったです。

 ここでお昼となりました。本日のランチは近くにある、コロンビアハーバーハウスへ。クラムチャウダー、サンドイッチ、コールスローをオーダー。ここは所謂“カウンターレストラン”(=チップ不要)ですが、広い店内にはテーブル席が沢山あって助かります。チャウダーはクラムもたっぷりで、ワイキキの「チャウダーハウス」の名物チャウダーよりも美味しかったです。(なお、老舗だったチャウダーハウスは閉店してしまったそうです。残念)

                     

   午後のはじめは「ホーンテッド・マンション」 これはTDLと同じで、大袈裟なワリにつまらない代物ですが、アメリカ人はお化けが好きと見えて、結構長い行列が出来てました。

次に、「ホール・オブ・プレジデンツ」 先ず映像でアメリカ建国の歴史と歴代大統領が手短に紹介された(やはり、ワシントンとリンカーンとケネディが別格なのだなぁと実感!)あと、緞帳が開くと、広いステージに歴代大統領のソックリさん(もちろん、メークによる)が総登場。一人一人紹介され、ワシントンが挨拶、続いてオバマが挨拶し、ガッチリ握手します。愛国心をいやが上にも高めようというアトラクションでありました。

 次は「カントリーベア・ジャンボリー」 他愛ないといえば他愛ないですが、カントリーソングが嫌いでない人には(歌い手がいいので)、結構楽しめます。

                   

 そして、30分毎に出航する蒸気船「リバティースクエア・リバーボート」に乗って、池を一周。池の真ん中にはトム・ソーヤ島があって探検風アスレチックが楽しめるようになってます。

                   

船を下りると、ちょうど午後(3時?)のパレードが始まっていました。池沿いに一緒に歩いて楽しみます。

 

                 

 蒸気船の上から、「ビッグサンダー・マウンティン」の雄姿(!)を眺めたせいか、“絶叫コースター”ものを拒否していた妻が「乗りたいわ!」と突然の方針変更。急ぎ足で向かうと、パレード直後とあって、それほど待たずに乗れました。妻は絶叫どころか、しっかり写真も撮ってました。

                    

   次は「カリブの海賊」 ・・・映画、ジョニー・デップ=ジャック・スパロウの「パイレーツ・オブ・カリビアン」であらためて人気沸騰のアトラクションですが、これも意外と待たずに乗れました。パーク内の“動く人形”で、やはり此処の海賊たちが一番リアルで良く出来ています。

TDLで乗った記憶は殆ど薄れてましたが、今回乗ってみて、映画の名場面がこのアトラクションどおりになっていることに(=例えば、牢に閉じ込められた悪党たちが、鉄格子の外の犬の首の鍵を取ろうと悪戦苦闘するシーンなど)気づきました。又、デップのスパロウは、顔つきも衣装も、ここの人形と全く同じです。

アトラクションの最後は「ジャングル・クルーズ」。ここは大混雑で、30分以上並んでやっと乗船することが出来ました。TDLと同じで、猛獣たちはイマイチ迫真感(?)がありません。しかし船を操縦するお兄さんが、ラッパーになったらいいというくらい、早口でよく喋るのには感心しました。乗客に質問しては「Me,too」が口癖。 下船際、妻に「Where are you from?」 妻が「from Japan!」 と答えると、「Me,too!」 で、船内は大爆笑。

                  

   いやぁ、今日は天気ガ良くて、多くのアトラクションを楽しみました。TDLならとてもこんなに多くを楽しむことは出来ないのではないでしょうか?

 ドールのアイスクリームショップがあったので、パイナップルソフトを舐めながら、一休みします。それからシンデレラ城の辺りに戻ると、城の前にステージが出来てショーをやってました。《しまった、ソフトなんか舐めずに直行するんだった!・・・》

 ところが、ショーが終わって程なくすると、女学生の集団が広場に座り込み始めました。「ん? 又なんかあるのかな!」と、近くで待っていると、程なくしてパレードが始まりました。

                   

                   

   ぐるりと一周すると、最後はミッキーやミニーたちが山車から降りて、観客と一緒に肩に手を置いて一列になってで踊りながら行進で、大盛り上がりでした。

 騒ぎが収まったあと、城の構内へ入ります。城内の部屋はコスチューム写真館になっていました。壁は色とりどりのタイルによってシンデレラの物語が描かれており、印象的でした。

                   

  城のテラスから、暮れなずむ園内を眺めていると、広場には又、人々が集まり始めました。夜のパレードがあるらしい!。で、帰ろうとしていたのに、結局30分以上待機することになってしまいました。待っている間、後を見ると、城がライトアップされ、しかも刻々と色が変わって大変綺麗でした。

        

いよいよエレクトリック・パレードの開始です。 

                   

                  

                  

 待った甲斐があるというものですが、見終わった妻は「TDLのほうがもっと豪華だわよ!」

ともかく、夜遅くまでスッカリ楽しんだ一日でした。

 

七日目・2月9日(火)

 いよいよ、実質最後の一日となりました。きょうの天気予報は、あいにくと、「曇り、午後から雨」。全く日替わりもいいところで、昨日の青空がウソのようです。それで午前中、アニマルキングダムハリウッド・スタジオをホッピングして、見残したアトラクションを見ることにします。

 先ずは、アニマルキングダム。わたしの希望で、「エクスペディション・エベレスト」・・・乗るまでのエントランスが「イエティ=雪男=の博物館」になっており、よくまぁ、ひとつのアトラクションの為にこんな資料を集めたもんだ!と感心させられます。(と、同時にこのアトラクションへの力の入れ具合が分かります)。で、乗り込むと、なるほどの猛スピード、大迫力。特に暗闇で逆走する時は、本当にコワかったです。(さすがに、ここでは乗車中に写真は撮れません!)

                 

 次は妻の希望で、「カリリバー・ラピッド」 今日は私もカッパを持ってきました。円形のボートに乗ってキリキリと斜面を登ると、急流に繰り出します。と、いきなり大波がドバーッと来て、全身びしょぬれです。前のアメリカ人ファミリーのお父さんはTシャツのまんまですが、水を浴びてもニッコリと余裕の表情。妻も「ワーッ、よかったわ!」と。

              

   〜〜で、アニマルキングダムを後にして、ハリウッド・スタジオへ移動。

                  

   ここの狙いは一番目立つ建物の「トワイライトゾーン・タワー・オブ・テラー」 ・・・かってこのホテルのエレベーターに乗って行方不明になった人達に誘われて、エレベーターに乗ると〜〜13階から一気に下落、再上昇して、サスペンド・・・下落するときの恐怖感といったらありません。

           

   天気予報どおり、ポツポツと雨が降り出しました。次は「グレート・ムービーライド」 アカデミー賞授賞式やスターの手形があることでも有名なロスのチャイニーズシアターをそのままに再現した立派な建物の中に入ると、立ち見の大画面で過去の名画のハイライトを上映しています。

このままズーッと立ち見なのかと思っていると、横の扉が開いて移動すると、華やかなイルミネーションに囲まれて、乗りものがあります。これに乗って、過去の名画のシーンを見て回るという趣向。相当に大掛かりな仕掛けですが、肝心のアニマトロニクス(=動く人形)はいまいち。(「カリブの海賊」のほうが良く出来ています) 私なら、過去の名画のハイライトを映像と豊かな音響で見せてくれるほうがよかったです。

                          

  あいにくと、雨が本降りになってきたので、これでテーマパクめぐりを終了し、ホテルへ戻ります。フードコートで、ピッツアとスパゲッティの昼食をとり、夜に備えて部屋で一休み。

 4時過ぎにボートに乗って、ダウンタウン・ディズニーへ。幾つかの店によってから、5時半頃にシルク・ド・ソレイユへ。

 ホール内に入ると、ステージは床も周りも黒一色。客席の赤と好対照で、かつ全体としてシックな印象を与えています。専用劇場なので、舞台と客席の距離感はありません。後ろのC席でも(中央席なら)充分パフォーマーの演技を楽しむことが出来そうです。又、列に充分な段差があるため、若し、私の前の席にジャイアント馬場さんが座っても邪魔にならないくらいです。

              

                                  (2階ロビーからホールへ)  (場内は撮影禁止ですが、開園前なのでちょっと・・・)

   開園(6時)前に、客席中央通路に「道化」のコンビが現れ、軽妙なやり取りで、湧かせてくれます。そしてサーカスの音楽とともに、ザ・タイタン(=坊主頭で、周囲を睨みつけながら大袈裟な仕草でノッシノッシと歩く、此処の人気キャラクターらしい)や、ジャグラーたちが中央通路を練り歩くと、ショーの始まり。

最初は「ジャーマン・ホイール」・・・巨大車輪のような乗り物を、サイケデリックな衣装を着た双子の男性が自由自在に乗りこなして、その優雅でダイナミックなアクションによって一気に“ラヌーバ”の世界へ引き込まれます。

そして「ハイ・ワイヤー」・・・見上げるような高さで演じられる綱渡りの神業的な妙技、次に「ディアボロ」・・・背丈の揃った中国の少女4人(=見た目には10歳前後?)が可愛い掛け声とともに中国コマとロープを使って、コマ回しをなんとも愛くるしく演じます。上海雑技団をもってきたような感じです。(児童福祉法上はどうなんだ?というのは余計な心配?) 、それからは

「サイクル」・・・BMXに乗った二人の自転車のアクロバット。スリル満点です。

「エアリアル・クレイドル」・・・空中に浮かんだドアを使った、一風変わった妙技。チョコチョコとぜんまい仕掛けの人形のように動いていた“ザ・ウオーカー”が、一転して驚きのパフォーマンス。

「ジャグリング」・・・オープニングで失敗してましたが、本番はさすがの腕前を披露。ソレイユ(=世界最高のサーカス)の演技者としては、それほどビックリでもありません。

「エアリアル・バレエ・イン・シルク」・・・天空から垂れ下がった赤いシルクの帯を掴んだり、腕に巻いたりして、男性と4人の女性が優雅に宙を舞いそしてスイングします。ロマンチックなBGMと相俟って、夢をみているような美しい演技です。上半身裸の男性の鍛え抜かれた筋肉とハンサムな横顔は、ギリシャ神話から抜け出たような感じがしました。(夫婦して、このパフォーマンスが最高と感じました)

「フライイング・トラピス」・・・空中ブランコですが、これも「ジャグリング」と同じく、想定の範囲内でした。

「パワー・トラック・トランンポリン」・・・公演のラストは、まさに地球の重力を無視したような、集団によるダイナミックなトランポリンの連続演技で、想像を絶する斬新なパフォーマンス。これまで狂言回し的役割を演じてきた「レ・コン」=白塗りで、白いパジャマ(?)を着た4人組、そして奇怪な動きをしていた「ザ・タイタン」も素晴らしい妙技を披露し、観客をアッと驚かせてくれます。これぞ、シルク・ド・ソレイユ!という感じでした。

 〜〜こうしてノン・ストップの1時間40分、興奮と感動の連続でありました。

  外に出ると、ライトアップされた劇場がきれいでした。漸く雨も止んで、ダンス&ミュージックの路上パフォーマンスを楽しんだりして、再び、ボートに乗ります。陸上を見やると、少し靄(もや)った中にダウンタウンの建物群が浮かんで、ロマンチックです。これで見納めかと思うと、チョッピリ感傷的になりました。

                 

   さて、最後の夕食は、帰り道「アール・オブ・サンドイッチ」という人気店でテイクアウトした「ベイクト・サンドイッチ」。ボリュームたっぷりですが、ウワサほどには美味しくなかったです。一緒に冷蔵庫の残り物も整理します。

 一休みすると、さぁ、詰め込み作業開始。毎度のコトながら、最後の夜は慌しい。デルタ航空は重量制限が厳しいので、何度も詰め合わせを変えて,計りなおしです。前回(イタリア行き)購入した携帯ハカリが役に立ちました。  

 

八日目・2月10日(水)   →    九日目・2月11日(木)

 帰国の朝は早い。なにしろ5時30分にロビー迎えです。滞在中、ホテルのロビーは終日混みあってましたが、朝5時過ぎだと、流石に誰もいません。こんな時間に旅立つのは日本人くらいのものでしょう。今朝は気温もほどほどで、抜けるような青空が広がってます。昨日と逆だったらよかったのに!・・・ちょっと皮肉なもんです。

 空港に向かう車中で、HISの人に疑問に思っていたことを質問。

「ホテルの川や、ダウンタウンの湖の水はどうして茶色いのですか?」

「フロリダはもともと沼沢地で、ご覧の通り山は無く、真っ平らです。開発を進めていった際に、水を逃がすため、必ず池や沼に水路を繋げますが、日本の川と違って、平らなので、水が流れません。だから土壌の成分が水路に溶け込んで、茶色っぽくなると、流れないからそのままなんですね化学物質などの汚染とは違います。水路はどこかの沼や池と繋がってますから、時折住宅地の傍にワニが現れて騒ぎになることもありますよ!」

 出国手続きを済ませて(=ハワイと違って、フロリダでの出国手続きは拍子抜けするほど簡単でした)、空港のロビーにいると、朝日が昇ってきました。フロリダで見る“初日の出”(?)です!

           

 空港のカフェテリアで、ホットドッグのモーニングセット(フライドポテトが山盛りです)を食べると、飛行機に 乗り込みます。朝早いですが、意外にも95%くらいの込み具合です。

 ほぼ定刻で、デトロイト到着。ここ数日、部屋でTVニュースを見ていると、「アメリカ北東部は記憶的な大雪でいたるところマヒ状態」という報道があり、ちょっと心配してましたが、デトロイトの冬場はいつも深い雪なので、よほどの猛吹雪でもならない限り、フライトは大丈夫だそうです。

           

        (デトロイト空港)    (コンコースをモノレールが走ってます)   (デトロイト上空)

国内便→国際便は預け荷物がスルーだし、至ってスムーズ。“案ずるより生むがやすし”で、イージーに帰国便に搭乗することが出来ました。座席はかなり余裕があります。成田でバンコック行きの便に接続するらしく、タイ人が大勢乗っています。事前に後部の2人がけの席をリクエストしておきましたので、気が楽です。

離陸後、外を見ると、到着したときと同じく白一色の世界が広がっています。妻は「大地も山も、本当にみんな真っ白なのよ!」と喜んでおりました。

           

成田までは13時間。ワインを飲み、食事を済ませると、一気に疲れが出てきて、いやぁ、よく寝ました。夢の中には、ポートオリンズホテル(リバーサイド)の緑豊かな木立と水路の景色が浮かんでいます・・・。

                                                                (完)

 

《文章=夫、写真=妻》

《あとがき》

WDW (=ウォルト・ディズニー・ワールド)は、ロスのディズニーランドで成功を収めたウォルトが、その経験を基に、更なる夢の実現を目指して、開発が始まったばかりのフロリダの広大な沼沢地に「水」を生かしたテーマパークの建設を構想。

ところが建設途中の1966年12月にウォルトは65歳で逝去。兄のロイが弟の夢を実現すべく跡を継ぎ、1971年10月にマジックキングダムをオープンさせました。

ロイは巨額の資金調達を借り入れではなく、転換社債発行によって行ったため、ディズニー・一族の持ち株比率は大幅に下がり、後に乗っ取り騒動を引き起こすこととなりました。ロイは財務の専門家でしたから、こうした危険性は当然予測できた筈ですが、弟、いや兄弟の夢を実現するため、計画を推し進めたということでしょう。当初、ディズニー・ワールドという名称だったものを、ロイがウォルト・ディズニー・ワールドと変更しました。そしてロイは、誇らしくオープニングのテープを切った開園の、その僅か2ヵ月後に脳梗塞で78歳の生涯を閉じたのです。

 今回のローシーズンでも、世界中から沢山の人が訪れており、これがレギュラーシーズンやハイシーズンならどれほどの混雑になるのであろうか? しかし幼子から高齢者まで全ての観客を安全に誘導し、楽しませ、満足させて帰すという、ファミリーエンタテインメントの精神(=ウォルトの信念)と、その裏での綿密な危機管理マネージメントの徹底は見事であります。  今もって創業者兄弟の精神が生きている!と実感しました。

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