バス

(2006・4/29〜5/6)

 

はじめに

 今年は01年以来5年ぶりのGW9連休。あと3年弱で“365連休”の身分なので、もうそんなに浮かれることもないのだが、やっぱし9連休となると血が騒ぐ。女房も「そうねぇ・・・、毎日家でゴロゴロされても困るから、どっかへ行きましょう! 行くなら・・・やっぱり、ヨーロッパがいいかな?」と。

 そこでリサーチにかかるが、当然のことながら、トップシーズンとあってどの方面の料金もかなりの代物。それでも探せばあるもので、ある朝の新聞広告でタビックスジャパン・「東欧8日間の旅/4月29日出発・21万円台」と、他社比4割強安いツアーを発見。「おっ、これいいじゃないか!」、「東欧ね〜ぇ・・・、やっぱ、パリとかイタリアへ行きたいな」、「まぁ、それは次のお楽しみということで・・・」、「そうね、東欧も一度行ってみてもいいかもね」・・・ということで予約手配。

 ところで、“安い旅にはそれなりの理由(わけ)がある”というのがことの道理で、後日送付された日程表を見ると、フライトは、な、なんと《中華航空で、成田⇒台北/台北⇒アブダビ/アブダビ⇒ウイーン・往復》となっているではないか!

通常のパックツアーは、「日本から欧州主要都市へ直行し、そこで留まるなり乗り換えるなりして、ホテル1泊後の翌日からバスツアー開始」というパターンであるが、わがツアーは「大迂回コースを辿って翌早朝ウイーンに到着するや、直ちにバスツアー開始!」という強行軍。「な〜るほどなぁ・・・まあものは思いようで、台北で土産も買えるし、アブダビ空港立ち寄りなんて貴重な体験で有り難いじゃないか!」、「ふぅ、ハードスケジュールだから、今から体を鍛えておかなくちゃあネ・・・」

今回は駆け足パックツアーなので、格別の準備の必要もない。それで「地球の歩き方」を買って事前調査をすることもなく日が経過していったが、4月初めの新聞に突然、「東欧大洪水チェコ〜ハンガリーでドナウ川氾濫」という記事が載ったではないか!“エェッ!”と詳しく読むと、「チェコは数年前にプラハ中心部の大半が水没する大厄災に見舞われたが、今回は大雨と雪解け水が重なって、それに匹敵する恐れがある・・・」と。

ありゃあ、これはエライこっちゃ!まだ先のこととはいえ、大水害の後では観光気分でもないしなあ・・・しかし詳しい情報を得ようにも東欧のリアルタイム情報はあまりにも少ない。在日チェコ大使館の英文サイトがあり、そこのニュース欄を見ると洪水情報が出ていたが、4/3、4/5と掲載されたものの、その後更新されない。「最新情報を出してください」とメールを送ったら、翌日からこのコーナーそのものが無くなってしまった! (=リクエストの逆効果か?!)

 その後、日本人が運営するハンガリーのサイトを見つけると、「〜〜○▲◇地方では引き続き警戒水域にある・・・」てな、ちょっと心配な記事があるものの、新聞やテレビにはそれっきり登場しないので、“気を揉んでも仕方がない!まぁ大丈夫だろう”と腹をくくる。

1日目(4/29・土)(成田〜台北〜アブダビ〜ウイーン)

 〜〜そんなこんなで、さて当日。 成田空港所定場所にはスーツケースに「タビックス」のタグを付けた人が大勢集まっている。タビックスだけで東欧、ドイツ、オーストリア方面に3本のツアーが組まれていて、皆んな台北〜アブダビルートで欧州へ向かうようだ。我がコースはなんと40人の大集団というからこれは前途多難の予感!

・・・果たして、我がコースの手続きが最後になってしまったので、台北〜ウイーン間の座席は、「すいませんが、離れ離れデス」だとのこと。新婚さんではないので致し方なしだが、のっけからのアンラッキー。“やっぱり台北〜ウイーン間はなんとかしてほしいなぁ“と添乗員の篠田さんにお願いしてみる。歳は若いが芯は強そうな篠田嬢は「ここでは無理ですが、台北に着いたら検討してみます」と。

 ちなみに大迂回コースの時刻表はこんな具合。

@16:25成田発→18:55台北着(時差−1時間=実飛行時間3:30)

《待機時間2:35》

A21:30台北発→02:25アブダビ着(時差−4時間=実飛行時間8:55)

《待機時間1:10》・・・機体はそのまま

B03:35アブダビ発→7:30ウイーン着(時差−2時間=実飛行時間5:55)

つまり、表面は15時間であるが、時差を考慮すると、実所要時間は「飛行時間18時間20分+待機時間3時間45分の合計22時間強となるのだ!・・・ふぅ〜、くたびれまんなぁ!

 で、中華航空は過去の台湾旅行で夫婦ともおなじみ。そして、この長丁場で食事がドンドン出てくることになるわけですが、先ず1回目(成田〜東京)はこんな具合。

 シーフードパスタ(なぜか、シュウマイが1個付いてるのが笑えます)・またはカツ丼(卵がふわふわスクランブルで美味しい)、ミル貝と生野菜のサラダ、パン、葛饅頭、杏仁豆腐

(最前列席で短い足を伸ばせたのはいいが、スッチーが目を光らせているので、写真はありません!)

 結構美味しい機内食を食べ、台湾ビールやワインにコーヒー&烏龍茶を飲んでいるうちに懐かしの(!)台北到着。ここで2時間半あまりの待機となります。篠田嬢は早速座席調整の掛け合いにに赴くが、しばらくして帰ってくると「すいません。アブダビ行きも満席でうまくいきませんが、若干の調整をします」

 で、数名の調整の結果、我々はなんと窓側2席が割り当てられて、思わずニッコリ。(交代になった方に感謝します)

 

(阿布達=アブダビ行きの乗り換え口と、搭乗待合室)

 で、機内に入ると、座席は横に2−4−2とやや小ぶりの機体ながら、座席には最新の個別ビデオが配置されており、中華航空の欧州ラインにかける意気込みが感じられる。そしてビデオをいじるとIT技術の進化・発展に改めて感心させられる。先ず画面はタッチパネル方式で、映画はザッと20本がライン・アップ。しかも台北〜ウイーンなのに日本語版が数本用意されている!

映像でこうだから、音楽になると音源の豊かさは半端じゃない。クラシックからチャイナ音楽、ジャズ、ポップス、イージー・リッスニングに環境音楽となんでもござれ。しかも例えば「ジャズ」を開くと15プログラムくらいあり、その最初がなんと、ケイコ・リーのアルバム。おぉ、彼女もワールドワイドになったなァ!と感心しながらクリックし、魅惑のハスキーボイスにうっとり。(余談ながら、10年あまり前に、神田のライブハウス・TokyoTUCで、名古屋からやってきた新人ボーカル・李ケイコのステージで、田中支配人が“今にこの子はきっとビッグになるよ”と言ってたのが思い出されます・・・)

映画のほうは、「ナルニア国物語」と「ハリー・ポッター/炎のゴブレット」そしてアカデミー賞女優シャーリーズ・セロンの痛快SFアクション「イーオン・フラックス」を楽しみました。

 物珍しげにビデオを操作していると、最初(=通産2回目)の食事が出てきます。先ずはお気に入りの台湾ビールをグビ! 食事はというと・・・刻み香草入りライスの横にエビ・豚・椎茸・青梗菜(?)のとろみ炒めがタップリ添えられています。(→ライス少し柔らかめですが、“餡かけチャーハン”風にして食べると美味しい)リンゴ・胡桃・セロリのマヨ和えサラダも繊維質タップリで結構。

 〜〜ビデオを楽しんでいるうちに、機内照明が点き、「軽食」(通産3回目)が配られます。=中華風ホットドッグ→“見た目”はいまいち(写真:右下)ですが、意外とイケます。

   

 約9時間の飛行でアブダビ到着。パイロットの技術は確かと見えて、離陸も着陸も極めてスムーズです。別に給油をするわけでも無いようですが、ともかく全員機外へと出されます。手荷物を整理して持参しなければならないのは煩わしいですが、必然的に歩くことになるので、エコノミー症候群を回避出来ていいのかもしれません。又その間に機内の掃除と空気の入れ替えがあり、帰ってみると、澱んだ空気がリフレッシュされているのが有難い。

 で、初めてのアブダビ空港内はというと・・・こじんまりとしてますが、なかなかモダンなデザインです。

     

( 現地の人とのツーショットが趣味(?)の妻はカメラを嫌がるアラブ男性を口説いてパチリ!)

目的地へ直行の場合(たとえばハワイ行きの場合)は、座席に座ったとたん、目的地現地時間に時計を合わせて自己暗示をかけるというのが、私の時差ボケ回避方法なのですが、今回の場合、アブダビに来ると、今はホントは何時なのか?・・・ン――?待てよ、「ホントの時間」とは日本時間か、台湾時間か、それともアブダビ時間か、はたまたウイーン時間か・・・いったいどれに合わせればいいのか訳が分からなくなって一瞬呆然としてきます。(で、自己暗示が宙を舞ったままで、話は飛びますが、プラハの1泊目は睡眠不足のハズなのに、珍しくも時差影響で頭が冴えて、あまり眠れない!ということになってしまいました。)

機内に戻って1時間あまりでアブダビを離陸。安定飛行に入ると、これが晩飯だか朝飯だかわかりませんが、ともかく通産4回目の食事登場。白身魚のあんかけライス、又はチキンとカシューナッツのスパゲティ(=スパゲッティもどことなく中華風味です!〜〜そういえばUAのパスタはなんとなくアメリカン風味だったなあ・・・と妙なトコロで、納得)サイドのサラダはハムにセロリ&ピーマンと相変わらず繊維質タップリなので助かる(おかげで欧州に入ったら毎日快便で助かりました!)

 

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