1月3日  総統府〜タイペイ101へ

 8時半頃に食堂で朝食(宿泊料金に込み)。和・洋・中の3種類で、当然「中」を選択。お粥のほかにおかず4品(=魚、卵、野菜2種)が日替わりで出てきます。素朴なものですが、我々にはこれで充分。ちなみに小皿にちょこっと添えられていた豆腐乳はそのまま食べるとチョイ(から)ですが、お粥と一緒に食べると抜群の相性です。今回の「B級うまいもの大発見」はこれです。

  総統府が平日午前中は館内見学(無料)できるというので、行ってみました。建物の裏側に廻ると受付があって、カービン銃を構えた兵士が見張っています。当然とはいえ、ものものしい雰囲気です。10時の日本人ツアーに間に合ったようです。既に十数人が待っていました。

パスポートを提示し、手荷物はカメラも含め全て預けると(従って館内の写真は撮れません)、胸にワッペンをつけ、案内の爺さんに連れられて館内へ。さて、この案内人(蕭=しゅう?=さん)、「皆さん、私何歳でしょうか?」 見学者一同70〜75歳と推測するが、なんと「83歳デス」  いや、なんとも若々しい!

彼が案内そっちのけに語ったところによると〜〜若かりし頃日本軍に義勇兵として従軍し、タイ、ビルマの戦地を転々として終戦を迎えたら、日本軍・政府はさっさと撤退し、変わって国民党軍がやってきて圧政を始めた。台湾人が抵抗を示すと虐殺が行われた。その頂点が二二八事件で、その際に実弟は殺害され、自身も九死に一生を得た・・・その後新聞記者で生計を立ててきたが、ずっと国家犯罪人の烙印を押されたままだった。数年前に陳水扁総統の手によって漸く反逆者の汚名を晴らすことが出来たんですよ(と、陳相当との写真を見せる)〜〜国家のエゴと時代の変転に翻弄されつつも雄雄しく信念を持って生き抜いてきた“歴史の生き証人”の語る言葉に(ガイドとしての妥当性には問題ありにも拘らず)一同襟を正して耳を傾けたのでありました。

総統府(総督府)の歴史を示したパネルの前に来ると、「この方がこの建物が出来たときの第7代総督、明石 元二郎さんです。本当に立派な方で、台湾を愛されました。自分が死んだら亡骸は台湾に埋めてほしいと望まれ、そのとおり台北にお墓が作られました。 それに引きかえ (と、蒋介石と蒋経国親子の写真を指差して) こいつらは本当に酷いやつじゃった。彼等のことは説明したくありませんから、次に行きましょう・・・」

そして、昭和天皇が戦前に行幸されたパネルの前にくると「教育勅語は軍国的なことは何も書いてありません。人のみちを説いたとても立派な内容です。日本人は教育勅語を大切にすべきです。私は今でも暗誦できますよ」と言って、背筋を伸ばして全文を朗詠したのでありました。

更に「天皇が見えたときのyパネルでは、総督府の玄関に庇(ひさし)があるでしょう。今はありませんね。どうしてでしょうか?米軍の戦闘機の爆撃で破壊されたのです。日本軍の真珠湾攻撃のずっと前なんですよ。太平洋戦争は、日本の奇襲で始まったと言われていますが、じつはアメリカが始めたのです。日本はアメリカの策謀で、戦争に追い込まれていったのです。私も戦争は絶対反対です。しかし日本はこの歴史事実をもっと主張すべきです」

そして、「私は日本が好きですが、日本の政治家は嫌いです。日本の為に戦った台湾人、当時は日本人ですよ、その私たちに“大変ご苦労をかけた。申し訳なかった。有難う”と、どうしてひとこと言えないのですか!私たち世代はもう残り少ない人生です。何が欲しいというんじゃありません。一言でいいから国を代表した心からの謝意がもらいたいのです・・・」

(私)「民進党政権になってほんとうに良かったですね。でも今度の選挙では国民党が優位ですよね。本省人が圧倒的に多いというのにどうしてなんでしょうか? お国の人たちは何故、父祖が大変な犠牲をはらって漸く勝ち取った自分たちの政府を手放すのでしょうか?」

蕭)「私は心配で心配で、もう夜も眠れませんよ。何故かというと、それは教育のせいでしょうね。なにしろ戦後50年以上も国民党による教育が続いたわけですから。本当に教育はコワイです・・・」

 馬 英九国民党主席が総統になれば、蕭さんは今の役割から追放されることは必至でしょう。  でも蕭さん その時は

二二記念館のほうで、歴史の語り部として頑張ってくださいね!

   

                         (蕭さん、いつまでもお元気で!

 総統府を出ると、“ノー天気な観光客”に本家帰り(?)して、午後はタイペイ101ビルへ。おっとその前に昼食 は、最近「台

ナビ」の掲示板で人気の高い明月湯包へ行ってみることにします。MRT木柵線 の六張犁駅 降りて、基隆路二段を北に

7,8分歩くと赤い看板を発見。10人も入ればいっぱいの小さな店構えですが、正 午前とあって席は空いていました。

 注文はもちろん小籠包! 先ずは「切り昆布と固豆腐の煮付け」と「シナチク」(どちらもあっさり味で美味し い)を肴にビール

をグビッ!。やがて登場した蒸籠の中には、やや大振り(京鼎楼と比べて)なのが8個並んで ます。味はというと、他の名店と

比べて格段に差があるということでもありませんが、美味しいことは間違いあり ません。そこでもう1蒸籠を追加。(私たちはひ

とり1蒸篭分食べないと満足できないのです)。値段は110元。 以前は90元だったと記憶しており、人気上昇に合わせ値段も

上昇したようだが、それでも他店と比べてこの 点は断然お得です。

そのあと「海老炒飯」と「酸辣湯」も美味しく頂戴し、〆て550元。評判に違わない、満足の昼食でした。

   

 店を出て歩き出すと、妻がきのうの三葉のマッサージの“もみ返し”でふくらはぎが痛むというので、タクシーで タイペイ10

へ。ここからだとものの5分足らず、85元(306円)で巨大のっぽビルの正面へ到着。入り口は 大勢の客で賑わっています。修

学旅行なのか、韓国高校生(?)の集団が賑やかです。 ショッピングモールをぶらついて、5階の展望台入場口へ。入場料は

370元(1,332円)と結構な値段です。 持ち物は全て預けなければなりません。ガムを噛んでたら、ガードマンに「ノーです。捨

ててください!」と。 エレベーターは世界最速スピードということで、なるほどアッという間に89階に到着です。日本語解説の入っ

たトランシーバーを貸してくれます。その音声ガイドに従って台北市街をぐるっと見下ろしてまわります。

       

     

           (5階エントランス)  (展望台のロビー)  (ビルの中心・免振装置?) (シンボルマーク)

     

(窓ガラスの外側が結構汚れているので、写真が鮮明に撮れません)

 5階に戻ると、次はB1にフードコートがあるというので行ってみます。降りてみて、その規模のデカさにびっ くり。アラモアナの

マカイフードコートの何倍あるでしょうか? 中・洋・和、ありとあらゆる食べもの屋がズラ〜ッと並んでいます。築地・中島水産

の「さかな屋の寿司」に、柿安の「口福堂」(和菓子)なんてのもありました。

いや、まあ、すごいですね。“食は台北101にあり!”といった感じです。 一周したらくたびれたので、豆花 の店を見つけて一

休みです。

 101を出ると、次は市政府庁舎へ。外観は左右対称デザインの堂々たる近代建築です。中に入ると巨大 なアトリウムにな

っています。ロビーの床はピカピカの黒御影石。世界の何処へ出してもひけをとらない格調の高さですが、一般市民のものと

いうことで、私たちでも検問なしですいすいと奥のほうまで入っていけます。(自分でずうずうしくも闖入しておいて、“セキュリテ

ィ上からこれでいいのかな?”とちょっと心配になりました)

     

 次は、市議会前広場へ。ここがタイペイ101の全貌を撮影できるベストポイントだということだそうです。

101の真ん中に何やら赤いマークが付いてます。よく見るとトヨタのマークです。トヨタは大陸一辺倒だと思っていたのですが、意外としゃれたことをやってるんですねぇ!

       

 MRTの駅に行く前に国父紀念館があります。折角なので寄ってみることに。正面広場は相変わらず綺麗な春の花で彩られています。池から見る101もちょっとした風情です。

     

5時前だったので、本日最後の衛兵交代があるかもしれないと思って館内に入ってみます。しばらくすると、“カッカッ”と靴音を響かせて衛兵が登場しました。相変わらず凛々しく所定の儀式を行い、5人揃って奥のほうへと去っていきました。 今日も一日ご苦労さまでした。敬礼!

   

 MRTに乗ると、台大医院前で下車。朝降りた駅に帰ってきたことになります。なぜjかというと、今夜の食事は台北一の東坡肉(トンポーロー)との評判の、極品軒にしようと考えたからです。二二八公園の中央を横切って衡陽路を少し行くと、お目当ての店がありました。

名前からして中華式派手派手装飾の店構えかと思っていましたが、中に入ると意外や、モダンでシックなインテリアでした。ハイバックの椅子には白いクロスカバーが掛かっており、高級感たっぷりです。ウエイトレスも大勢待ち構えていて、事前情報を持ってなければ、一見して“こりゃ高そう”と、しり込みしそうになる雰囲気です。 

そんな様子はおくびにも出さず、先ずテーブルの上にある小菜3品を下げてくれるようにジェスチャーで示します。(この小菜はしっかりとチャージされるのです!)それから徐(おもむろ)にメニューを見て「アスパラと百合根の炒め物」と「東坡肉」を注文します。

最初に出てきた「アスパラ百合根」は銀杏もたっぷり入っており、チキンスープで旨味を出したアッサリ風味で 夫婦の好みの味になっています。

しばらくしてメイン登場。大きな塊で、これをお姉さんが、ハサミでサッサと6等分します。蒸しパンが6個セットになっており、このパンに肉とネギを挟んでカブリつきます。肉塊は箸でつかむと千切れてしまうくらい柔らかいので、舌の上でとろけてしまいそうな感じです。評判のほどを納得します。但し、私的に言えば、ソースは水あめを煮詰めて焦がしたような風味があり、パンに挟むといい塩梅なのですが、肉そのものを食べるとちょっと甘さが過ぎているといえましょう。

何しろ甘辛コッテリなので、2個食べると充分な感じ。3個目に向かう前の“箸休め”として野菜スープを注文し、喉を洗いながら、ようやく完食。ビールを含め満腹になって972元(3,500円・・・味よし、雰囲気ヨシ、サービスよしで、意外とリーゾナブルな店といえましょう。

   

店を出ると、少し先へと歩いて、台湾土産の殿堂(?)伍行中を覗いてみる。相変わらず元気なおばちゃんは「からすみはどう?」と寄ってくるが、それはお断りして(=悲しきかな!、魚卵類はドクターストップです)棚をみやると、「豆腐乳」のビンを発見。ホテルで出たのと同じようなので試しに買ってみる〜〜帰国後お粥と一緒に食べてみると、想定どおりグーでした。ひと瓶45元(162円)と、こんなに安くて美味しいお土産はちょっとありません。 今日もけっこう歩きました・・・18,370歩でした。

 

1月4日  陽明山〜新北投へ

 本日は陽明山へハイキング。大通りの向いにある妻“お気に入り”のベーカリーとコンビニで軽食を買うと国賓飯店まえの停留所でバスを待つ。目の前で立て続けに260番が2本行ってしまったので、こりゃしばらく待ちぼうけかなと思っていたら、5分としないうちに又々やってきました。30分ほどで終点に到着。平日とあって年配の方々数組のみが一緒です。朝起きたときは青空が広がっていたのですが、次第に雲が広がり、肌寒い感じです。少し歩くと、河津桜のような濃いピンクの桜が咲いていました。硫黄分で岩が白くなった滝もあります。

     

大きな木の根元に誰かが餌付けをしているのか、パン切れが置いてあり、そこへリスや濃い緑色の羽を持った鳥たちがやってきてました。(鳥は素早いので撮影できません!)

 しばらく歩くと陽明山公園に着きました。此処しばらくは気温が低いですが、それまでは暖かかったのでしょうか、既に梅の花は終わってしまったようです。代わって早くもつつじの花が咲いていました。

   

 更に緑濃い山道を奥に進むと、結構大きな滝がありました。水量が豊富で見ごたえがあります。滝を見ながら持参の軽食(稲荷、おにぎりとピザ風のパン)でお昼にします。

       

山道をてくてくと歩いて公園下へ戻ると、花時計がありました。 山、花、滝・・・変化に富んだ景色を楽しめて、緑濃い木々の中で森林浴が出来て・・・と陽明山はいいところです。

     

 帰りのバスを剣潭駅前で降りて、次はMRT新北投温泉へと向かいます。中央川沿いの緑地帯を歩いて奥へ進むと地獄谷にたどり着きます。緑色の熱泉から湯気がもくもく(?)と立ち上って迫力満点です。

     

 帰り道、親水露天温泉浴池(=公共露天風呂)の様子を外から覗こうとしましたが、塀が高く簡単に盗み撮りなど出来ないようになってました。(みんな水着着用ですから、プールと同じなんですけどね)

     

 (公共露天風呂をチラリ)   (超老舗の瀧本館も健在)    (MRT駅の門は威風堂々)

これにて本日の予定は終了。雙連駅に戻ってきました。お昼が軽食だったので、大通りの角の“一坪店舗”で妻お気に入りの胡椒餅(1個40元)を購入し、ホテルで “アチッアチッ!”と叫びながらほうばります。ピリピリと胡椒の辛さが刺激的でクセになりそうな味です。

 一休みすると、夕食です。今夜はフカヒレにしましょう。過去は欣欣魚翅坊を訪れてましたが、たまには場所を変えてみようということで、今回は豊旌魚翅(フェンジーユイチー)にします。民生東路二段99号にあってホテルから徒歩10分少々です。店構えは結構きれいでいい感じですが、6時半ごろで先客は2組のみと、ガラ空き状態です。“この店大丈夫かいな?”といささか不安気に席に座ります。

ところが結果を先に言うとこれが大正解でした。(これまで“ご贔屓”だった欣欣から宗旨替えです)

ご参考までに、本日のメニューを詳しく申し述べれば・・・メインは当然、フカヒレ煮混み。我々は通常セットメニューとして出てくるアワビもロブスターも不要で、ただフカヒレのみ。「小」を2個注文します。

フツフツと煮えた土鍋の中にわっか(=黄金フカヒレ)がやや小振りですが4個、それに出汁とり兼用の干し貝柱が数個入ってます。スープを口に含むと上品な旨味が口の中に広がって絶妙であります。このあっさり旨味は欣欣より上等です。フカヒレそのものは、もう何も言うことはありません。

そしてこのほかにいろんなものがセットされます。=小皿2品(堅豆腐の煮物、切り昆布とクラゲの和え物)、ピーナッツ(これはビールのつまみ)、からすみ(スライスしたりんごに載せて食べるといけます)、フカ肉と白菜の煮込み=どれもみな美味しい。

最後にデザートとして、かめゼリーと台湾オレンジ(?)、そして薫り高いコーヒー。いやあ、大満足です。お勘定は?というと10%のサービス料がつきますが、2周年記念で「10%サービスしておきます」ということで、二人分〆て2,010元(=7,230円)也。

     

     

 帰路途中で「豚肉スライスのあぶり焼き」専門店があったので、味見すると、これが又抜群の美味しさだったので、少しゲットして帰りました。妻が「三葉のマッサージは合わなかったので、もう一度違うところへ行きたい」というので、ホテルへ戻ったあと、長春路にあるウインザー理美容院へ向かいます。

「ねえ、ここちょっと変な雰囲気だわ。大丈夫?」妻の指摘はごもっとも。入り口のロビーには派手な感じの女性がたむろし、ソファーではおじさんと女性が何やら親しげに話し込んでいたりします。ふた昔前の場末のキャバレー(ゴホン、私は行ったことありませんので、あくまでイメ−ジ上の表現です・・・)のような怪しげな雰囲気なのです。

「大丈夫、ちゃんとしたマッサージ店だから・・・」 設備が大きいので、待つことなく部屋に案内されます。大きなフルリクライニングチェアが4台ある個室です。「お二人専用にしますから、リラックスしてね」ということで、パンツ一丁になって“甚平”に着替えます。ここはマッサージ師は全て女性。ちょうどいいあんばいの強さで丁寧に揉み解してくれます。 

 受付のやり手おばさんは「2時間だと温シップ付きだけど、1時間半だと無いよ」と言ってましたが、90分でも蒸しタオルを何枚も重ねた温シップにオイルマッサージもあって、なんとも心地いい至福の90分です。終わってみると、全身、特に肩が軽くなって、それから滞在中はおろか、帰国後もしばらく肩の「こり」を感じませんでした。(料金は全身90分で1,500元) 妻は「なんで最初からここに来なかったのよ、次回はここに決めたわ!」と申しておりました。 本日23,800歩でした。

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