二日目(12/28)

 本日は今回の第一目的である故宮博物館をじっくりと見学する予定なので、ゆっくりめ(?)の7時起床。8階ロビー横のダイニングで朝食バフェ。サービスの朝食としては実に充実している。(本当は屋台や市場の地元朝飯を体験すべきであろうが、ここのが無料で美味しいので全食ホテルで済ませてしまった)薄甘の豆乳が爽やかでなんとも美味しい。グァバジュースもグー。料理は日替わりで4種。ご飯・お粥・パンに粥の添え物類や、海苔・納豆・味噌汁もある。ピータンと塩卵は濃厚な味。果物も日替わりで2種類。 スイカは甘味充分で(尚、何処で食べてもスイカは甘くて美味しかった)、特にみかん(=オレンジと温州を掛け合わせた感じ)がじつに美味しいのダ。・・・そして、このダイニングで、夜10時迄コーヒーと果物がフリーサービスというのが有難い!

故宮博物館

 腹ごしらえも充分、いざ出陣。ホテルから徒歩3分でMRT中山駅。MRTは台湾が誇る新都市交通で、利便性・快適度・CSは日本の地下鉄よりズッと優れている。“便利・安い・速い”だ!  

  

 淡水線・士林駅で下車し、ちょうど来たバス・304に飛び乗って故宮へ。(バスは釣りが出ないので、15元のところ20元投入・・・ホテルで小銭に両替しておくのだった!)  

  

 土曜日とあってか、もう台湾人のバスが何台か待機している。9時開門と同時に入場。(入場前にはSARS対策の体温チェックがある)今日は時間を気にせずじっくりと見物の方針。時折邦人観光客のガイドの解説を聞きかじりながら見て廻る。ではここで“中国5千年の美”の小展覧会を行いましょう。  (なお、書画と甲骨文字類は撮影禁止なので、ここに掲示出来ません!)

 

 

                                                                                                                                      

どれ一つとっても至宝といえる夥しい展示品にやっぱり圧倒されっ放しである。総論的にいえば、「芸術」というより「工芸」の“極み”といえよう。尚、故宮のシンボルである「白菜」と「肉石」が貸出し中で見れなかったのが実に残念!

午後1時半を過ぎたので、舘外へ出て右手のレストランへ。途中客待ちの運ちゃんから「台北まで100元!、ここ(の食堂)は高くてマズイから戻って食べたほうがいいヨ!」とシツコク勧誘される。 で、そのレストランはピーク時間を過ぎたとあってか客数は少ないが、カフェテリア方式の料理も残り少ない。その中から「アスパラと牛肉の炒め」(240元)とコーンスープ(60元)ライス(10元)を選択。炒め物はあっさり味乍ら、美味しくて満足。(尤も地元的には高額な値付けではあろう)  

  

食後本館で見残したものや、別館の特集展示物(=明代の古代風作品群)を堪能。そのあと家族連れで賑わう庭園(入場料10元)を散策して今回の見物を終了。あらためて、戦乱で落ち延びる混乱のさ中にあって膨大な宝物を大切に運び込んだ人達の執念と尽力に、只々驚嘆の一言しかありません。その当時、彼等の心の中にはどんな思いが去来していたのでしょうか?

再びバスで士林へ戻りMRTを利用。台北駅で乗換え、西門駅で下車。週末の夕刻近くとあって駅前繁華街は大雑踏。様々な音楽・喚声・物音がわんわんと耳に響いてくる。この一種猥雑なエネルギーは新宿というよりは池袋の雰囲気だ。ここのお目当ては大腸麺線の元祖・「阿宗麺線」

阿宗麺線

雑踏の片隅に出来た行列に、次々と大鍋から掬った発砲スチロールのどんぶりが渡される。狭い店内に椅子は無く、客は全員その辺りで立ち食いだ。大(50元)小(30元)、思わず「大!」と言ってしまい、“シマッタ!”と思ったが、鰹だしが利いた薄甘・ややピリ辛醤油味のトロリとしたソーメンのような細麺の味わいは絶妙。汗を流しながらアッという間に完食してしまった。“濃厚であっさり”という矛盾した表現がピタリ。私は臓物嫌いだが、沢山入った豚の大腸もプチッとした食感が心地よい。苦手な香菜も適度のアクセントとなっている。僅か50元の「食の小宇宙」、B級グルメの私としては一押しの一品である。  

  

口中をさっぱりとする為に街頭で売ってたスイカジュース(700ccで20元!)を飲み干し、次に「台北牛乳大王」を探すが、ガイドブック表示の辺りに見当たらないので、街頭芸人の爺さんの一人楽隊音楽を聞いてから、日本時代の雰囲気を残す「紅楼」へ。現在は”ミニ宝塚的な”劇場になっている。

それから龍山寺に向う。装飾満艦の寺は夕闇迫る中、大勢の老若男女で賑わっている。お参りを済ませると急ぎ足でホテルへと戻る。今晩の食事は「京鼎楼」の向かいにある「欣欣魚翅坊 シンシン・ユィチーファン」へ。予約をしてないから急がなくてはいけないのだ。

   (紅楼)         (龍山寺)

  

欣欣魚翅坊

 6;20頃店に入る。扉を開けると、「こんばんワ、いらっしゃいませ!」と表の看板そっくりの美人が迎えてくれる。超元気印のママさんなのだ。「おーっ、アナタ日本人ネ。ちょっと待ってネ」といって奥にいた日本語堪能な女性を呼ぶ。久本雅美の相棒の「柴田理恵」みたいなおばちゃんだ。(で、以下柴田と記す)

(柴田)「アナタ一人?・・・一人だとこの席しかないのヨ、いい?」

  ・・・入ってスグの、今までマネージャーが座ってパソコン叩いていた席だ・・・

(小生)「ああ、いいですヨ」、(柴田)「すいませんねぇ」

  ・・・でも早く来てよかった。この後フリーの客は40分待ちとなったのだ・・・

(小生)「ママ、元気一杯だね」

(柴田)「ママさん偉いのヨ。離婚したあと、子供育てながらいろいろ勉強してネ、一人でこの店作っ    て頑張ってるの!」

  ・・・経営者を尊敬して一生懸命働いてる。俺、好きだなあ、こういうタイプのおばちゃん。・・・

入り口横の席座ったのは結果的に正解で、ママや、この(柴田)おばちゃんとしゃべくりながら食事を楽しめたのである。(但し、こういう時にはズに乗って他の客に迷惑にならないように注意・注意だ)  

  

  (入り口の看板のママ)        (実物!のママと)

 さて、この店は開店後2年余と歴史は浅いが、フカヒレ・アワビ・イセエビの中華食材ビッグ3を格安料金で提供する店として人気急上昇中なのだ。私は今回は他のビッグ2は無視することにして、「フカヒレ」に一点集中し、「黄金魚翅」(1、280元)を注文。

サービスの小付け(大根浅漬け)でビールを飲んでいると、ほどなく大きな土鍋がでぇ〜ん!と目の前に置かれる。グツグツと煮えたとろみスープの中に大きな輪ッかのフカヒレが3個、「どうだっ!」と言わんばかりに鎮座している。2人で食べても余るような充分なボリューム。フーフーと息を吹き,汗を流しながらフカヒレ&スープと格闘する。

(柴田)「どう、美味しいですか?」

(小生)「うん、美味しいねえ。フカヒレはスープが肝心なんだけど、このスープはいいねえ。」

(柴田)「地鶏・干帆立・椎茸とか、いろんなものが入ってんのヨ」

(小生)「もやしもシャキッとしていいけど、日本だとエノキ茸だね」

(柴田)「台湾では、エノキ入れると高級感がないのヨ、他になんかご意見は?」

(小生)「せっかくこのスープなんだから、もうちょっとフカヒレに味を染み込ませたほうがいい    ヨ」

(柴田)「そう、後でママに言っとくわ」

  ・・・料理には鮭炒飯(お代り自由)、デザート(本日は蓮の実入り汁粉)、コーヒーがセット   される。・・・

デザートの前にナビのクーポン券をママに見せると「ヒレの傍の肉を煮込んであるの、美味しいんだから」と気持ちよく出してくれる。フカ肉と白菜の煮込みで,結構なボリューム。フカ肉は独特のアンモニア臭があって好きになれないが、よく煮込んだ白菜は美味しい。最後のエスプレッソ風コーヒーもまずまずだ。  

士林夜市

膨らんだお腹を抱えるようにして店を出ると、又MRTに乗って「士林夜市」へと向かう。最寄りの劍潭駅で降り、信号を渡ると、繊維・雑貨店が所狭しと軒を連ねる夜市の本通り。奥へ向かってどんどんと人が殺到する。元旦の川崎大師の参道を凌駕する、まさに芋の子を洗う大雑踏。けたたましい売り子の声が飛び交い、音楽が流れる阿鼻叫喚状態。まさに台湾パワーの炸裂ダァ!。  

  

(夜市へ向う人の群れ)   (慈誠宮)

人込みを掻き分けながら奥へ進み、脇へ入ると例によって派手派手のお宮「慈誠宮」があった。何故か、お参りする人とてなく、この一角だけが喧騒から切り離された別世界。本殿に向かって両手を合わせ、ついでに奥のトイレを借りる。(有難い!)

どん詰まり手前の横丁に食べ物屋街。臭豆腐の臭いが鼻をつく。福州胡椒餅の店には行列が出来ている。釜に貼り付けて焼きあがる迄に時間がかかるようだ。まだフカヒレで満腹状態なので、反対側の横丁で軽めの肉餅(10元)を食べ、木瓜牛乳(=パパイヤミルク700ccで25元と格安で、美味しい!)を飲んだらもうこれ以上は入らない! 

  

   (屋台群)    (その名もスゴイ!臭臭鍋)   (水餅)

ウインザー理美容院

ホームタウンの「中山」へ帰ったのが10:20。歩きつかれて足が棒状態なので、次はウインザー理美容院へ向かう。ここはユーザー評価が高いマッサージ店なのだ。(台湾は足ツボマッサージが有名であるが、店によっては痛いだけとの情報があり、私も日本で結構評判の店へいったときには、やっぱり痛いだけで、肩・腰の疲れに全く効果はなかったので今回敬遠する)

中へ入ると、やけに愛想のいいおばさん(=遣り手マネージャー)がサッと寄ってきて個室に案内してくれる。                                        

(遣り手)「あら、アナタ初めてじゃないでしょう? 前にも見たようよ。どんなコにしますぅ?     ご指名アリますか?」

・・・何だか間違った店に入ったような“妖し”の雰囲気である・・・

(小生)「エーッ、120分のマッサージコースね。・・・と、とにかくマッサージの上手いコね・・・うん、やっぱり若いほうがいいナ。ホントに初めてダヨ、日本人にはこんな顔が多いんだヨ」

(マネージャー=ニッコリと)「そう??・・・わかりました。2000元だけど、割引しますから。

    ハイ、マッサージ上手で、若いコ用意しますよ。」

この遣り手マネージャーが出ていくと、入れ替わっておじさんとおばさんがサッと入ってきて

(おじさん)「靴磨き200元。ピカピカになりますよ」

(おばさん)「爪きりはどう?お正月前にさっぱりしたほうがいいですよ」

(小生)「いらない、いらない。マッサージだけだヨ」と二人の猛攻を撃退。

そんな“小競り合い”の後にやってきたのは、遣り手マネージャーの言ったとおり、30代前半と思しきキリッとした感じの女マッサージ師。言われるままにパンツ一丁になり、店のパジャマを着ると、床屋のリクライニングを一回り大きくした椅子に仰向けになる。随所に蒸タオルが当てられて全身マッサージの開始。私好みの“やや強め”の揉み加減で、グイグイとツボを攻めてくれ誠に心地よい。

「表」を80分、裏返して更に50分。なんと130分も揉み続けってもらったことになる。いやぁ、本当に今年の疲れが全てとれて身体がすっかり軽くなった気がする。小姐、本当にご苦労さま、謝謝。

受付へ行くと、くだんの遣り手マネージャ−はいなかったが、料金は2割引で1600元とのこと。(初めからこういうシステムなのであろう)⇒で、評判どおり此処は優秀なマッサージ店であります。

足取りも軽くホテルへ戻る。もう午前1時近くであるが、それでも安全に歩けるのも台北のいいところである。長〜〜い一日でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次へ   戻る

inserted by FC2 system