11月19日(木) 4日目

 今日は新岡山港から小豆島へ向かいます。最初の計画では、今朝は余裕の日程で、宿に寄ってから後は1,2か所バスで回ってみようと考えていたのですが、天気予報によると明日(20日)は雨が降りそうだというので、出発前に急遽予定変更で、20日の島巡りバスツアーを今日に繰り上げました。

 その結果、新岡山港発830のフェリーに乗船しなくてはいけません。それで、 530起床&支度⇒630食事⇒705ホテル出発⇒723港行きバス出発⇒805港到着⇒830出航⇒940小豆島・土庄港到着⇒945観光バス出発 という慌ただしい日程になってしまいました。小豆島観光のメダマ「寒霞渓」は、やはり好天気の条件で行きたい!ということで、妻を納得させました。

 駅前のバス停に行くと、長蛇の列が出来ていました。皆さん、港目当てではなく、“通勤バス”のようです。予定だと42分で到着の予定ですが、途中沢山の駅に止まり、しかも渋滞が続きます。それで到着予定の805を過ぎてもまだ街中を走っており、港に近づいた気配はありません。“これはヤバイぞ!、フェリーに間に合わないかもしれない・・・」と気が気でなくなりました。〜〜で、出航5分前の825にようやく港に到着。大急ぎでチケット売り場へ。おばさんが「間に合ってよかったわね、30分くらい遅れることもあるんですよ!」

 フェリー「オリンピアドリーム号」の船内はなかなか快適です。

    

  最上階デッキに出てみます。今週は温かい日が続いていますが、今日は特に朝から気温が上がっているようで、海上は霞がかかっています。

    

  沖に出て、誰かがデッキで餌を撒くと、カモメが沢山やってきました。

    

  穏やかな海上を時折様々な船が行き交います。

    

   小豆島が見えてきました。70分の“ミニ・クルーズ”です。

  土庄(とのしょう)港へ着岸するや、イの一番で下船。岸壁でバス会社の人が待っていて、二人をバスで出発場所へと案内してくれます。大変有難いサービスです。料金は4,200円ですが、これは基本のバス料金で、コースの2か所の入場料が1,050円追加です。

  

ガイドのおばさんは明るくて元気。「皆様おはようございます。本日のお客様は13名です。去年は大賑わいで、バス1台が外人さんで満員ということもありましたよ」・・・いやはやコロナ前のインバウドは全国的に本当にすごかったんだなぁ!

 バスは小豆島大観音(1995年公開)を通り過ぎて、山中へと入って行きます。

    

(小豆島大観音像)

  最初に訪れたのは銚子渓・おさるの国。坂道を歩いて、広場に出ると猿がいました。全体で500頭いるそうですが、今姿を見せるのはそんなに多くありません。(ペナン/バトゥー・フェリンギのコンド近くの方がはるかに多かったですね!)

    

  此処の猿は日光や箕面と違って大人しいそうですが、それでも「餌やり」は人間の方が檻に入って、金網越しに行います。真ん中の大きいサルは此処のナンバー2だそうです。

  時間になると、おさるのショーが始まります。使い手が、母親を亡くした子ザルを育てて調教したそうです。手作りの“ほっこり”するようなショーでした。

    

  バスに乗って坂道を上り、次は寒霞渓を目指します。途中の山道の周りはすっかり紅葉して綺麗です。

    

  標高730mほどの寒霞渓に到着です。

  今回の小豆島は私にとって謂わば“センチメンタル・ジャーニー”です。昔々、小学5年生の修学旅行で小豆島を訪れました。64年前のことですから、もう記憶は朧げですが、寒霞渓の景色が素晴らしかったことは記憶に残っています。それで岡山からフェリーで行けることが分かったからには是非とももう一度小豆島、就中、寒霞渓を訪れたかった・・・という次第です。目の前には綾錦の絶景が広がります。やはり此処はこの季節がいいですね!

  

  

  第一展望台へ行きます。標高があるので、先週あたりが見ごろだったようですが、残っている紅葉も鮮やかです。

    

   高松や淡路島が見渡せるということですが、気温が高いせいで、遠くは霞んでいます。

    

  バスで麓まで行けるのですが、帰りは当然ロープウエイに乗ります。(4分で1,050円といい値段です。因みに尾道・千光寺ノロープウエイは3分で500円)平日ですが、紅葉のシーズンとあって山頂は混みあっていますが、観光バスの客は優先してロープウエイに乗ることが出来ます。此処もコロナ対策で乗車人員を減らしていますが、それでも要領よく窓側に陣取らないと絶景を眺めることが出来ません。

    

 (ロープウエイが近づいてきます)

    乗り込んで、さぁ紅葉ショーの始まりです!

    

    

    

    

    

  到着した下のロープウエイ上り口の辺りが、ちょうど見ごろでした。

    

    

 バスはため池〜池をせき止めたダム〜醤の里=金両醤油や丸金=マルキン醤油(・・・因みに私が子供の頃、小豆島の醤油と言えばマルキンが有名でしたが、この老舗も今はモリタ・・・ソニー創業者盛田氏の実家・・・の傘下に入っています)〜波静かな天然の良港がある内海近くを通っていきます。

    

                    (ため池)                      (ため池のダム)                      (金両醤油)

  

                                  (マルキン醤油)                    (内海)

  着いたところは、映画村。映画「二十四の瞳」のロケのオープンセットがあるところです。大林監督の向島の遥か昔に、小豆島を全国的に有名にしたこの映画は、壷井栄原作の小説(昭和27年)を、木下恵介監督が昭和29年に高峰秀子(=大石先生)主演で映画化し、不朽の名作となりました。そして昭和62年に浅間義隆監督が田中裕子主演でリメイクし、この時のオープンセットをそのまま観光施設・映画村として営業しています。大勢の人、特に修学旅行生で賑わっています。

    

                   (入口)                   (横の壁には松竹映画のスチール写真がずらり・・・「愛染かつら」=上原謙と田中絹代)

  

(高峰秀子と田中裕子のポスター)

(映画村の全体図)

  川(掘割?)は海水を引いており、大きな鯛やチヌ、ボラなどが沢山泳いでいます。

  

  広場には大石先生と生徒たちの像。なんとコスモスが満開です。(一年中花を絶やさぬよう、時期をずらして植えているそうです) 銅像の大石先生はどちらかというと、高峰秀子のイメージですね。

    

  苗場小学校・分教場の建物(上の田中裕子版のポスターの背景!)があります。教室に入ると、修学旅行生が“授業ごっこ”をしていました。

    

 当時の家並みのセット。昭和30年代にタイムスリップした感じになります。(私たちの世代が、実体験の記憶があり、いちばんノスタルジーを感じるのかもしれません)建物の中は土産物店になっています。フィギュアで有名な海洋堂のショップもありました。

    

    

             (民家の中・・・懐かしい“!)               (海洋堂のショップ)               (塩を炊いた釜のセットでしょうか?)

  映画村を出て少し走ると、道沿いに実際の分教場が残っていました。

  

  映画村をあとにすると、“醤(ひしお)の里”の老舗店(一徳庵)に立ち寄って、次はオリーブ公園。中央の円形の建物=オリーブ記念館の中に入ると巨大なアテナ像がありました。奥は土産物ショップ。大賑わいです。妻がのどが渇いたと、オリーブサイダーを飲んでみたら、“美味しいわっ!と。ほのかにオリーブの風味があるような・・・。

  

  

(此処の一番の人気スポットは、ギリシャ・ミロス島から贈られた風車)

 記念館前の展望広場で暫し休憩します。見晴らしがいいですね。

    

 下の公園は桜の紅葉が綺麗です。その横はオリーブ畑で、実がたわわに実っています。オリーブの実は完熟しても“えぐみ”が強くて、猿でも食べないそうです。重曹や食塩水に漬けてあく抜きをしないといけません。

    

  

〜〜これで結構せわしないツアーが終了です。帰りのバスの中、ガイドさんが「オリーブの歌」を歌ってくれました。

 夢も楽しいそよ風に みどり明るいオリーブの 枝がさやさや揺れている あ〜あぁ 恋を知り恋に泣く 島の乙女の胸のように 

            (昭和32年 作詞:河西新太郎、作曲:服部良一、歌:二葉あき子)

 驚いたことにというか、私は1番の歌詞の(1小節めは、飛んでいましたが)2小節め(=みどり明るい〜〜)からの歌詞とメロディをしっかりと覚えていました。修学旅行のときに、やはりガイドさんが歌ったのが印象が強くて覚えていたんでしょうね。(最近のことは忘れるのに、昔のことはよく記憶に留めているのです!) ・・・ 尤も、歌っているのが二葉あき子とは意外でした。”清純”な歌の雰囲気から(初代)コロンビア・ローズかと、ずっと思っていました。

 この観光バスは発着ともフェリーに接続しています。我が家以外の11名は高松行きのフェリー(1545発)に乗るようで、バスはその前に土庄港に到着しなければいけませんから、ちょっとせわしない行程になるのです。港で彼らを下した後、私たち二人を宿まで送ってくれました。迎えといい、有難いサービスです。

 さて、小豆島の宿はシーサイドホテル・松風。確かにシーサイドではあります。前のビーチ(=鹿島ビーチ)は島で二番目のビーチだそうで、水も綺麗だし、夏は大賑わいでしょう。

    

 2階の海が見える部屋に案内されました。純・和風・・・ホテルというより、ふた昔前の“国民宿舎”といった感じですね。(ところが、何故かこの「ホテル」が大人気で、フロントで見ていると、次から次へと客が入ってきます。翌日歩いてみると、土庄地区で他のホテルはあまり客がいなさそうでしたが・・・)

 まだ4時過ぎなので、自転車を借りてちょっとサイクリング。海沿いを走ってみます。エンジェルロードにきました。夕方の干潮にはまだ1時間以上あるので、向こうの島=弁天島との間は「海」です。

  

 手前の丘の石段の横に「約束の丘展望台」とあったので、上ってみます。先端には「恋人たちの聖地」ということで、幸せの鐘があったので、鳴らしてみました。澄んだ鐘の音が海へ広がっていきました。

    

    

 (展望台からの眺め)

  帰る途中、海の近くの岩壁まで出てみると、サンセットを見ることが出来ました。

    

  ホテル前に戻ってきて、海の向こうを見ると、山の稜線が「仰向けの寝仏」に見えます。

   

   部屋に戻ると。まずはひと風呂。(温泉のようで、体が温まって、風呂から上がると、しばらく汗が止まりませんでした) 二人入るといっぱいの小さな半露天風呂があります。先客がいましたが「失礼します」と湯舟へ。島根から来られたようで、「島根なら、いい温泉がいっぱいありますよね!」、「ゴーツートラベルを利用しましてね、コロナが少ない所を選んで、高知へ行って、それから小豆島に来たんですよ。あなたはどちらから?」、「東京からです」、「・・・まぁ、東京は当分の間、行けませんな」、「はぁ・・・」

   

(ホテルの資料より)

 昼間は観光優先で(というか、せわしない時間割で、食事の余裕等など無く)、昼食を抜いたのでおなかが鳴っています。夕食は、コロナ対策で、大広間に間隔をあけてセットしたテーブルでいただきます。仲居さんは、体育会系のようで、元気で明るい、いい娘です。

  

                                                            (明るくて愛想のいい仲居さん)

  この宿は(建物はともかく)食事が豪勢だとの評判(バスガイドも言ってました)ですが・・・目の前にで〜んと、大きなお膳があります。

  

  この他に後から、メバル煮付(小さい!)、讃岐牛ステーキ、てんぷら、そうめん汁が出てきました。

      

  

 確かに、品数は豊富ですが、何の工夫もない、言うならば、ふた昔前の旅館の料理といった感じです。残念ながら評判とはちょっと違いました。

 (今日はバスに乗っていたので、10,300歩でした)

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