8月9日(火)/3日目

寿山公園

 今日は午後に台南へ移動。半日で軽く行けるところは何処か? 池と海へ行ったので次は「山」にしよう。 ガイドブックには「寿山へ行くと高雄港が一望できる・・・」とある。

例によってたっぷりと朝食をとると、デイバッグにミネ水とタオルを放り込んで、1階フロントのチーフに念のため行き方を尋ねる。

(チーフ)「寿山へ歩いて登るんですか? 往復4時間くらいかかりますよ!」

ガイドブックによるとそんなハズはないのでが、横合いで女房が「また無謀なことを考えてる」と言いたそうな心配顔を見せるので、「じゃあ、タクシーで頂上まで行こう。ところで料金はいくらくらいかな?」 

チーフがタクシーの運ちゃんい聞いて「180元でOKと言ってます」 「じゃあ、それでお願いします」〜〜ということでスタート。

ところがホテルから20分ほど走ると山頂広場についてしまった。(女房)「アラまぁ、これだと130元くらいね!」で、車を降りて広場の階段を上がると英霊を祭った忠烈祠がある。

その周りの公園広場は地元老人の憩いの場。早朝には三々五々集まっては大極拳なんかをやっているのだろう。今(10時過ぎ)は近くからカラオケの音が聞こえてくる。

 忠烈祠の門をくぐって、写真を撮ろうとしていると、掃除をしていた係りのおじさんが近づいてきてゼスチャーで「撮ってあげるよ!」。おじさんは何箇所かベストアングルを選らんで撮ってくれた。謝謝。台湾のいいところは、随所でこうしたちょっとした親切に出会えることで、韓国ではこんな経験は皆無だ。

   

(忠烈祠)      (階段の上からの眺め) (足つぼ健康の道・・・丸い小石を敷き詰めた道路です!)

   

(親切なおじさんによる忠烈祠のベスト3ポイントです!)

 下の展望台に行くと、高雄港が一望できる。快晴ならなかなかの眺望だが、スモッグ(?)で霞んでいるのが惜しい!

    (高雄港の眺望)

 この後は、周辺を散策。登りのタクシーの走行距離を考えると、“これなら楽勝で歩いて下山できる!”と判断してテクテクと下り始める。途中寄り道をしたりしながら、それでも25分くらいで、麓(?)に到着。小道から大通りに出てタクシーを捕まえ、ホテルに帰還。フロント・チーフがサッと寄ってきて「どうでした?」 「寿山よかったですよ。でもね、歩いて往復4時間というのは間違いですよ。下りが25分くらいだから往復1時間半がいいとこでしょう。タクシーも130元くらいですね。今後日本人に尋ねられたら、ちゃんとアドバイスしてあげてね」 人柄の良さそうなチーフは恐縮することしきりの様子であった。

渝陽川味小吃

 昼食は、ホテルの裏手にあって、四川料理が美味しいというこの店。高級店ではなく、しっかりした町の中華料理店といった感じ。昼前に入ったので、空いていたが、その後地元の人たちが次々と入ってきて繁盛している様子。

「エビチリソース」・・・といっても日本のエビチリとはちょっと違う。ケチャップソースはかかってなく、薄っすらと中華味噌風のものを絡め、エビの間に赤唐辛子がゴロゴロ。

あまりいっぱい入っているので「ひょっとして食べられる?」と尋ねたら、店のおばさんは目を丸くして「NO!」 《そりゃそうだわな!》でも四川にしてはあっさりとしておいしかった。 

「チンジャオロースー}・・・上海料理風の淡白な味付け。

「空心菜」・・・これもニンニクの香りが控えめでアッサリ味

「海鮮スープ」・・・店の“おすすめ”だけのことはある。カニ足、エビ、貝柱、ハマグリ、イカ、タコ、卵の白身、野菜・・・いったい何種類の素材が入っているのだろう!特に固ゆでの卵黄が“賽の目切り”で崩れずに入っているのに感心。そしてこれらの素材が渾然一体となってかもし出す上品な旨みは感動ものです。 お値段は全部で590元。

 

(変りエビチリとチンジャオロース) (感動の海鮮スープ)

高雄〜台南へ

 時間に余裕があるので、ホテルのロビーで一休み。私がショッピングエリアの散歩から戻ると、女房が  「椅子に座っていたら、チーフが“どなたかと待ち合わせですか?”と聞くので、“いえ、これから高雄駅へ行くのです”と答えたら、“じゃあ、送ってあげます”だって。さっきの件で恐縮したみたいだわ。」」と。

 チーフのご厚意に甘えることにして、ワゴンで送ってもらう。(こういう=善意いっぱいの=人は多分本省人と推測して)車中、李登輝さんや陳水扁さんのことを話し合う。

    (高尾駅の改札口とコンコース)

   (月台プラットホームと自強号の車内)

自強号だと高雄→台南間は31分。“のぼり”は出口に面した1番ホームなので、階段を登り降りすることなく、スーツケースを転がして改札を出られるので助かる。

台南大飯店

台南大飯店は駅から徒歩5分。構えからしてひと時代前の建物で、文字通りの“駅前旅館”。フロントは日本語は通じない。(尤も夜外から帰ってくると、ロビーに日本語堪能なおじさんがいて、いろいろと親切に教えてくれた。どういう立場の人か不詳である)

部屋は3階で、プールビュー。ドアを開けると室内もややくたびれた感じ。高雄の福華から来るとよけいにそう感じる。(空気清浄機が作動していたのは、前日喫煙者が泊まった為か?)古い割りに水周り、空調等とくに問題はなく、メンテはしっかりしてる感じ。ただ、室内に時計が一切無いので、ここに泊まるならトラベルウオッチが必需品である。

   

(台南駅)       (駅前とホテル)   (ホテルの室内)

赤 嵌 楼 〜 大天后宮〜 祀典武廟

 台南は、いうならば台湾の京都。あまり歴史遺産のないこの国で、唯一それらしきものが名残をとどめている都市で、そしてそれ等が徒歩圏内に在るので、部屋で一休みし、日が少し傾いたところで、早速見物に出掛ける。街なかを歩くと高雄よりは落ち着いた感じで、市全体の規模が小さいせいもあり、親しみやすい感じがする。汗を流しながら15分ほど歩くと、お目当ての「赤楼」に到着。

ここは1653年に、当時台湾南部を支配したオランダ人が建て、プロビデンシャ城と呼ばれた。8年後に鄭成功がオランダ勢を駆逐し、台南を承天府と改名し、統治の中心とした。

当時の建築物は赤レンガの城門と基礎部分しか残ってないそうであるが、それでも大勢の市民が訪れており、珍しや!(=高雄ではついぞ見かけなかった)日本からのパックツアーの若者達も一緒だった。 (ここは有料で、50元)

   

   

            (ここがオランダ時代の遺跡)

   (オランダ人の降伏を受ける鄭成功の像)

道路を渡ると「大天后宮」・・・台南最古の寺廟で、明の王族の邸宅を「女馬 祖 廟」に改造したもの。

その隣が「祀典武廟」・・・此処は、台湾に“五万”とある「関帝廟」の、恐れ多くも総本山である。

   

(周辺の町並み)   (大天后宮)     (祀典武廟)

 二つの寺廟の間の路地裏の、しもた屋の店先にどでかい冬瓜を見つけた。薄暗い室内を覗いてみると、大釜で何かを煮詰めている。外から写真を撮ろうとすると、大きなヘラでかき混ぜていた爺さんがニッコリ笑って手招きし、“代われ”とのゼスチャー。せっかくのご好意なので、“謝々”と言いつつ大ヘラを持って記念にパチリ。

 どうやら冬瓜ジュースを煮詰めて「冬瓜糖」を造っているようだ。塊をビニール袋に詰めたものを買おうとしたが話が通じず往生していたら、いつの間にか通りかかったお兄さんがや入ってきて通訳してくれた。1個40元で売買成立。ほんとに皆さん親切です!(※帰国後 溶かして飲んだらかなり甘かったです。少し臭いがあって、美味しいか?と問われると、ちょっと・・・)

 冬瓜糖を作る職人?)

滬 豐

 これで、市内の名所旧跡見物を終了。夕食は、寺廟を出たところでタクシーを拾って、新光三越へ。

三越は東京日本橋の本家を凌ぐような巨大な店舗。正面入り口にライオンならぬ唐獅子像が鎮座しているので思わず笑ってしまうが、一歩中に入るとアイボリーホワイトを基調にしたモダンでスマートな内装で、ルイヴィトン、エルメス、シャネル・・・と有名ブランドがずらりと勢ぞろい(これは完全に日本橋・本家を凌いでいる!)。それにしてもこれだけの店舗が成り立つとすれば、恐るべし!台南の購買力である。

 で、なんで三越に来たかというと、台南駐在の某氏がHP「台南・ダイアリー」で絶賛していた小籠包の名店、滬豐(フーファン)がここの地下2階にあるという次第。B2は巨大な食品街で、その奥のほうに食べ物屋がずらり。{スタンドしゃぶしゃぶ}なんてのもある。ズラっと見回してもお目当ての店はなく、マックの向こうの奥の奥のどんずまりに「滬豐」はあった。彼の紹介文に説明してあったから辿り着けたが、そうでなければ一見さんはまず到達不可能。

 げんに、意外と広い店内には2,3組の客しかいない! なんでこんな分かりにくい所に店を構えたのか不可解である。 ちょっと見には、小奇麗な、ありきたりのファミレスみたいな感じ(メニューもカラフルでファミレス風!)だが、よく見ると本格的な店であることが分かる。広い厨房では5,6人のコックが甲斐甲斐しく働いており、蒸篭の湯気が立ち上っている。

  まずはお目当ての小籠包=「上海湯包」(12個180元)と「蟹粉小籠」(12個250元と、ちょっと高め)。「湯包」は、スープもたっぷり、上品な味わいで文句なしに美味しい。某氏の絶賛を納得。「蟹粉」はカニの子がぎっしりで濃厚な味。私はこちらが特に気に入ったが、女房は「濃厚すぎる、私は湯包がいいわ。」と

   

(店内の風景)     (蟹粉=左と、湯包=右)(カニの子がギッシリ!)

  次は「ハマグリと冬瓜のスープ」(小180元)・・・ハマグリの旨みと冬瓜の淡い甘みがマッチして上品な味わいです。

 最後に、某氏がHPで同じく褒め上げていた「東披肉」(380元・・・メニューの中で一番高い)。鉢の中にデッカイ肉の塊が鎮座。(食べやすいように身の2/3ほど包丁を入れてある)次に大きな二段重ねの蒸篭が運ばれてくる。蓋を開けるよ、湯気の中から蒸しパンが5個。このパンに東披肉を挟んで食べる。

 肉は、こんなデカイ塊をどうやったらこんなに柔らかく煮込むことが出来るんだろうか?と悩んでしまうほど、トロリとしており、味付けも上海ふうでシツコクありません。5人で1個ずつ食べても十分なボリュームで、最初に小籠包を一人12個も食べてしまった夫婦は、さすがに完食は無理でした。

   

  満腹になっての帰り、三越の食品街をブラリ。女房が「甘いものが食べたい!」と和菓子コーナーで「栗大福」を見つけた。「あなたも食べる?」 「いや、さすがに遠慮するよ。それにしてもよく入るなあ!」 「スイーツはベツバラよ!」   〜で店員さんは、たた1個を大事そうに包装して、三越の袋に入れて渡してくれました。「有難うございました」と丁寧におじきをされると、照れてしまいます。

 ついでにマンゴーがあればと、果物コーナーへ。桃やらリンゴやら葡萄やらいっぱいありましたが、なぜかマンゴーだけがありません! 三越が吟味すれば、少々高くてもきっと美味しいマンゴーが用意できるハズなのに・・・(因みに都内でいちばん美味しい”沖取り”の甘塩鮭が手に入るのは、日本橋三越です。アッこれは関係ないか?)と、残念に思ったことでありました。

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