8月11日(木)/5日目

 今日も好天気。時間もあるので、カメラ紛失未遂事件(?)の昨日朝と違って、気分豊かにじっくりと朝飯を摂る。台南大飯店のバフェは味のレベルはともかく品数は豊富。奥のほうに「海鮮粥」があり、頼むとその場で小鍋で作ってくれる。蛤と海老の出汁が出て美味しい。女房は粽がいけると。(昨夕の再発号で、粽ファンになったかナ?)果物ではパパイヤがあった。ハワイの3倍ほどもある大型であるが、結構甘かったのでタップリと頂戴する。

 ホテルから駅まで徒歩5分なのはなんといっても楽チンだ。高雄からの自強号は10分遅れ。ここから台北へ4時間余りの旅が始まる。(定刻だと10:04発→14:10着)冷房も思ったより強くは無く、先ずは快適な道中だ。高雄近くでは新幹線開通も間もなくか!と思わせたが、台南近辺では、未だ橋桁を建設中のところも多く、これじゃあ開通はかなり先のことかな!という感じ。(=果たせるかな、9月9日の日経新聞に“開通1年遅れの見通し”と出ていた)高速道路と違って、鉄道は都市に近いところを走るので、車窓からの景色が楽しめていい。

 台中で、駅弁が積み込まれると、乗客の大半が買い求めてパクパク。大きな肉のソテーや鳥のモモなどが乗っかったボリューム満点の弁当。我々は持参の粽(どこで手に入れたのでしょうか ?)と、突然お気に入りになった「コンビニの豆花」で軽く済ませる。台中あたりから満席となった列車は10分遅れのまま台北到着。タクシーで台北の宿、欧華酒店へ。


欧華酒店


 ドアマンやフロントの応対は評判どおりで、日本語の分かる女性が丁寧にやってくれる。部屋は5階の角部屋。広さはまずまず、ヨーロッパ調で小奇麗。但し、滞在してみると、設備的には基本的な欠陥が散見される。先ず応接セットというか、椅子とテーブルが無いのは何かと不便。(置くスペースは充分あるのに!)バスタブは大きいが、蛇口が小さいので浴槽に湯が溜まるのに時間がかかりすぎる。冷蔵庫がサイドテーブル内に嵌め込みで、放熱余地が無く、従って冷えが弱い。ベッドの真上にエアコンの吹出しがある。〜〜等々、要は見てくれはいいのだが、ハード面でのチグハグさがあるということか!

   

 しかし、ソフト面はたいしたもんだ! 部屋に荷物を置くや、フロントに引き返して本日以降のレストランやマッサージの予約を頼むと、実にテキパキとやってくれる。 本日は、先ず周先生のマッサージ〜阿美飯店での食事〜士林夜市・・・というスケジュールを考えたが、周先生はマスコミの取材で夜遅くになるという。でも、やっぱり周先生にやってもらおうと、9時半の予約を取って、その前に食事というふうに、即・予定変更。

 そうすると、夕食の6時半までの時間が空く。「どうするの?」 「あっ、そうだ!今日は天気いいし、明日はどうなるか分からないから、今日のうちに淡水の夕日を見に行こう!」
 園山駅までテクテク歩く。(タクシーを呼ぼうとすると、フロントのおじさんが「歩いて7〜8分だよ」というので歩いたが、やっぱり15分弱かかってしまった。以降駅への歩きは止める)

淡 水


 淡水駅を降りると平日だというのに大勢の老若男女で賑わっている。夕暮れからは若者たちにとって格好のデートスポットなのであろう。名物「魚丸湯」を食べることもないので、商店街通りへは向かわず、広場から川っ縁を辿る。川面を渡る風が爽やか!・・・と言いたいところだが、今の時間は干潮で、ヘドロ状の川底が姿を見せており、いささかドブクサい臭いがして、ロマンチックとは言い難い。


 奥のほうへ行かずとも、否、この時期は手前のほうがむしろ夕陽の眺めが良さそうなので、丁度空いていたベンチに腰を据える。此処でのお約束事==
阿馬(=正しくは女馬)酸梅湯を飲みながら、ゆっくりと日が落ちるのを眺める。(再び“夕陽評論家”になる。)雲一つない天気なのだが、かえってそれが災いしてか、思っていたほど空は赤く染まらない。

   

 まあ、それでも海に落ちる寸前までじっくりと眺められたので満足。(翌日から東、南部を襲った「珊瑚台風」の影響で、台北も雨〜曇りの天気となったので、結果的 には今日やって来て大正解であった!)

阿美飯店

   (店先の隣には実物見本を陳列してある!)

 日が落ちてもまだまだ人の波が続く淡水を後にしてホテルへ戻り、汗びっしょりとなったシャツの着替えを済ませると夕食へ。林森北路は夕方のラッシュアワーの大渋滞で、やっとこさ阿美飯店へ到着。
 お宮を思わせるようなキンキラキンの店構え。店内は地元客でいっぱいで、ワイワイガヤガヤと賑やかそのもの。店員も忙しく立ち働いており、台湾パワーを体感する食堂だ。
オーダーしたものは、「卵豆腐の揚げ出し」「フカヒレの煮込」「仏跳スープ」「蟹おこわ」の4品。

 「卵豆腐の揚げ出し」(120元)はここの人気メニューであるが、トロッと舌に溶けるような感じで、最初の一品として申し分なし。ところが次からは言わばロートルの4番バッターばかりを並べたような(某球団のような?!)感じで、要はメニューの選択を間違えたということです。それぞれを他の店で食べた場合の半分以下の値段ですが、味も半分以下であります。(従ってあまり文句をいうのは理不尽かもしれません)

の写真は「フカヒレ煮込み」・・・たしかに大振りのフカヒレがドテッと入ってますが、肉でいうなら「切り落とし」というやつで、しかも表皮が残ったまま。それでアンモニア臭があり、スープも何やらエグイ味で、女房は一口含んで、「まぁ、いやな臭いで食べられたもんじゃないわ」と。

  続いて「仏跳スープ」・・・白い円筒形の壷で登場。3人分くらいのボリュームがある。高級中華食材“をコトコトと煮込んで、坊さんもブッ跳ぶほどの美味しさというのが名前の由来であるが、出てきたのは言わば「中華煮込闇鍋風」。確かにいろんな食材が入っており、ちょっと見には、素(もと)が何であったか分からぬほど煮込んである。大粒のニンニクなんかも入っており、濃厚な甘辛の味にエグい味の輪をかけている。まあ、これ一品だけとってご飯のおかずにすればよかったのかもしれないが、同系統の濃い味の「フカヒレ煮込み」と一緒だと、もうどうにも頂けない!

 最後に「蟹おこわ」・・・おこわの上に蟹がでんと乗っており、ボリュームは文句無し。身と子がタプリ詰まった蟹にも文句はありません。で、その下のおこわですが、干貝柱で味をとっているまではいいのですが、その他に大豆に加えてイカ(というより割きスルメ!)が一杯入っており、おこわのもちもちとした食感が無く、かみ締めると最後はスルメの煮込みを食べているような感じに囚われる。・・・で、結局最初の“揚げ出し卵豆腐”と、最後にサービスで出てきたスイカがいちばん美味しかった!〜〜というわけで、要はここは“純・台湾料理”の店で、日本人好みの味に一切アレンジしていないということでありましょう。(全部で1,730元でした)

知足健康中心

 本日の最後はマッサージ。「知足健康中心」は、台北ナビで一番人気のマッサージ店で、殊にオーナーの周先生は台湾足裏マッサージ界の巨匠と絶賛される名人とか。それで、ここへ来るなら周先生を指名しなくっちゃ!と時間を合わせた次第。台北車站駅近くで、タクシーを降りて、ビル(國際観光商業大樓)のいささかくたびれたエレベーターを上がって6階が目指すお店。

先ず、「フットバス」・・・緑色のお湯が入ったプラスチック製の桶のようなものにしばらく足を浸す。これが終わるといよいよマッサージ。私は先に若い施術師に身を任す。足裏から全身へ、丁寧に施していく。少し遅れて周先生登場。「いやぁ、テレビの取材が遅れましてすみません」・・・話し声も穏やかだが、容貌&雰囲気も温厚篤実といった感じで、巨匠に拘わらず腰が低い。このパーソナリティが人気の秘訣かも? 「私、日本人と思って育ちました。名前は周 武夫です」 よもやま話をしながら、150分が過ぎマッサージ終了。(料金は周先生は1,500元、それ以外は10%引きの1,350元。)

(記念に、周先生とのツーショット)

 9時半スタートだから、終了すると11時過ぎ! タクシーを拾って急いで帰還。ひと風呂浴びて「さぁ、今夜は熟睡出来るかな!」とベッドに横になるが、オヤ、どうしたことか、珍しく寝付きが悪い。はて、仏跳スープで“精”がつきすぎたか? 隣で女房もなかなか眠れない様子。「六合夜市の足裏マッサージの後は、足がホカホカしてぐっすり眠れたけど、今夜は足が冷たいの。マッサージのときに使ったクリームも良くなかった。サロンパスみたいで、スースーして、それを目元近くに塗られたので、ヒリヒリしたわ」・・・といった事後結果で、巨匠の周先生の人柄はともかく、そのマッサージは我が夫婦にはどうも合わなかったようだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次へ  戻る

 

 

inserted by FC2 system