モーリス・ジャール

  大作といえば、モ−リス・ジャ−ル。「アラビアのロレンス」(P・オトゥ−ル、オマ−・シャリフ主演)の序曲、「ドクトル・ジバゴ」(O・シャリフ、ジュリ−・クリスティ主演)のメインテ−マと「ラ−ラのテ−マ」は映画音楽史上燦然と輝く傑作だ。ジャ−ル(1924年、リヨン生)は今までに130本近い作品を書いているが、特筆すべきはその大半がヒット映画であることだ。デヴィッド・リ−ンと組んで更に「ライアンの娘」(R・ミッチャム、サラ・マイルズ主演)、「インドへの道」(ジュディ・ディビス、ヴィクタ−・ヴィナ−ジ、ペギ−・アシュクロフト主演)とある。

オ−ルスタ−キャストの戦争物で「史上最大の作戦」―マ−チはポ−ル・アンカ作曲による―(因みに製作者・ダリル・F・ザナックは本作品の世界的大ヒットで当時瀕死の20世紀フォックスを立直して社長就任、以降同社のキングとして君臨した)、「ダンケルク」、「パリは燃えているか」がある。

西部劇ではリチャ−ド・ブルックス監督の傑作「プロフェッショナル」(バ−ト・ランカスタ−、リ−・マ−ヴィン主演)テレンス・ヤング監督と三船敏郎、A・ドロン、C・ブロンソンの顔合わせが話題を呼んだ「レッドサン」、更に「戦うパンチョビラ」(バズ・キュ−ブリック監督、Y・ブリナ−、R・ミッチャム、C・ブロンソン主演)、「エル・コンドル」(ジョン・ギラ−ミン監督、ジム・ブラウン、L・V・クリ−フ主演)、「ロイビ−ン」(J・ヒュ−ストン監督、P・ニュ−マン、ジャクリ−ヌ・ビセット主演)と続く。

三船との関係では「グランプリ」(ジョン・フランケンハイマ−監督、ジェ−ムズ・ガ−ナ−、イヴ・モンタン、エヴァ・マリ−・セイント主演)、そして「将軍」(ジェリ−・ロンドン監督、リチャ−ドチェンバレン主演・・・島田陽子のヒロインが話題となった)がある。

一方シリアスな系統では、アナト−ル・リトヴァク監督が「アラビアの〜」と同じP・オトゥ−ル&O・シャリフの組合わせで撮った「将軍たちの夜」、フレッド・ジンネマン監督とグレゴリ−・ペックの「日曜日には鼠を殺せ」、ルキノ・ヴィスコンティ監督の退廃と滅びの美学が込められた「地獄に堕ちた勇者ども」(ダ−ク・ボガ−ド、イングリッド・チュ−リン、ヘルム−ト・バ−ガ−主演)、ピ−タ−・ウイア−監督でロビン・ウイリアムスの熱演が光る「今を生きる」がある。

又、グレン・クロ−ズの怪演が鬼気迫る「危険な情事」(エイドリアン・ライン監督、マイケル・ダグラス主演)、そして一転ロマンチックな「ゴ−スト/ニュ−ヨ−クの幻」(ジェリ−・ザッカ−監督パトリック・スウェイジ、デミ・ム−ア、ウ−ピ−・ゴ−ルドバ−グ主演)も彼の作品なのだ。

この中でヒロイン・ム−アが夜中にろくろを回すラヴシ−ンに流れる名曲「アンチェインドメロディ」(オリジナルはライチャス・ブラザ−ズの歌)の使い方は素晴らしい。(余談乍ら・・・このヒロイン役で満天下の女性の紅涙を流させたム−アがその後あんなに恐いイメ−ジの女優になるとは想像がつかなかった。マッチョの旦那、ブル−ス・ウイリスでも逃げ出したくなるのが分かるような気がする)

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