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軽快といえば「ブリット」(ピ−タ−・イェ−ツ監督のアクション演出が冴えた、カ−チェイス物のハシリで、S・マックィ−ン主演)のラロ・シフリンのジャズタッチもいい。洗練されたメロディは洒落たコンゲ−ム(犯罪映画)物にはピッタリだ。彼は既に「シンシナティキッド」(ノ−マン・ジェイソン監督の出世作、レイ・チャ−ルスの主題歌が印象的)でそのジャジ−な音楽の片鱗を示し、TVの「スパイ大作戦」シリ−ズ、イ−ストウッドの「ダ−ティハリ−」シリ−ズを全て手掛けて本領発揮。あのブル−ス・リ−の奇声が響く「燃えよドラゴン」(ロバ−ト・クロ−ズ監督)も彼の作品だ。

ジャズといえば、映画音楽に初めてモダンジャズを取入れたのがE・バ−ンステインの「黄金の腕(オット−・プレミンジャ−監督、フランク・シナトラ、キム・ノヴァク主演)。ルイ・マル監督 弱冠25才のデビュ−作「死刑台のエレベ−タ−」(モ−リス・ロネ、ジャンヌ・モロ−主演)の音楽はマイルス・ デイビスが手掛けたほんものだ。デイビスは「ディンゴ」ではミッシェル・ルグランと組んで音楽を担当するとともに、主役の一人、伝説のジャズマンを演じている。

 クリント・イ−ストウッドは自ら製作、監督した「バ−ド」で、モダンジャズの祖にしてビ・バップの創始者であるサックスの巨人チャ−リ−・パ−カ−の一生を愛情込めて描いた。(イ−ストウッドが大変なジャズファンなのだ。 更に驚いたことには、彼は「センチメンタルアドヴェンチャ−」では肺病病みのカントリ−歌手に扮し、堂々カントリー&ウエスタンソングを披露しているのである。)

                         ロック&ボサノヴァ

ジャズとくれば次はロック、ロックの王様・プレスリ−は56年「やさしく愛して=Love me tender」と先ずスロ−バラ−ドで映画デビュ−、次に「さまよう青春」でカントリ−ウエスタン、三本目で本領発揮の「監獄ロック」、四本目の「闇に響く声」を撮って西ドイツで兵役へ。

 除隊後はジョセフ・J・リリ−の音楽、ノ−マン・タウログ監督で「GIブル−ス」、「ブル−ハワイ」、「ガ−ル!ガ−ル!ガ−ル!」、「アカプルコの海」(本編はリチャ−ド・ソ−プ監督)。一番エネルギッシュなのがアン・マ−グレットと組んだ「ラスべガス万才」(ジョ−ジ・シドニ−監督、ジョ−ジ・スト−ル音楽)であろう。数少ない、演技で勝負した本格西部劇が「燃える平原児」(ドン・シ−ゲル監督―後に「ダ−ティハリ−」で有名)。そして最後に、最高の光芒を放つのが「エルヴィス・オン・ステ−ジ」(デニス・サンダ−ス監督)だ。

  ロックの次はボサノヴァ、代表作は「黒いオルフェ」(マルセル・カミュ監督)、圧倒的なサンバのリズム、そしてアントニオ・カルロス・ジョビンの美しいメロディと、ルイス・ボンファのギタ−の弾き語りでの「カルナバルの朝」が印象的だ。

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